ヴィタリック氏のインタビュー
イーサリアム(ETH)の共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏が、最近の暗号資産(仮想通貨)の相場がバブルであるとの見解を示した。
昨年10月ごろから続いた強気相場から一転、テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の一連のツイートや、米国や中国の規制強化などの要因が重なり、最近仮想通貨市場は暴落。ヴィタリック氏は、バブルの終わりは予想が難しいとしながらも、すでに終了した可能性もあるし、今から数カ月後に完全に終わる可能性もあるとの見方を示している。
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ヴィタリック氏が「CNN Business」のインタビューに応じたのは18日。相場やイーサリアム、ビットコイン(BTC)、マスク氏などの話題について語っており、20日に記事が公開されている。
上述したように相場についてはバブルだとし、「過去にも今回のような大きなバブルは少なくとも3回あった」と指摘。そして「バブルが最終的に終わる理由は、技術の普及が進んでいないことを明確にするような出来事が起きるからだ」と主張した。
また規制について、「常に懸念している」と発言。その上で、当局の話をよく聞くことが重要だと指摘し、仮想通貨と規制機関が必要以上に対立してしまうリスクを心配していると述べた。ブロックチェーンは分散型で、政府は完全に仮想通貨をなくすことはできないとの見方があるが、「利用を制限したりすることはできる」と語っている。
一方で、現在は過去に比べ、仮想通貨はメインストリームで普及する準備が整いつつあると感じるとし、「仮想通貨は、もはや『おもちゃ』ではない」と自信も見せた。
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イーサリアムの手数料について
ヴィタリック氏の発言の通り、DeFi(分散型金融)やNFT(非代替性トークン)の需要の高まりなどで、イーサリアムのネットワークも利用が急増している。
しかし、それによって手数料(ガス代)が高騰。ユーザーから不満の声が聞かれるようになって久しい。
今回のインタビューでヴィタリック氏は「現在は手数料が非常に高い」と認めながらも、「技術のアップデートで、手数料を下げる自信がある」と語った。
イーサリアムは、スケーラビリティの問題等を改善するために、現在「ETH2.0」への大型アップグレードを段階的に進めている。またレイヤー2の技術の導入することで処理能力を高め、手数料の削減につなげる方法にも取り組んでいるため、今後の改善に期待が高まってきた。
ETH2.0へのアップグレードでは、コンセンサスアルゴリズムを「Proof of Work(PoW)」から「Proof of Stake(PoS)」へ移行する。
ビットコインについて
ヴィタリック氏は今回のインタビューで、マイニングにおけるコンピューターの計算で、大量の電力を消費するPoWについても言及。最近、環境への悪影響を懸念する声が増えている問題について、「PoWだけで世界を破壊するようなものではないが、大きなマイナス要因であることは間違いない」とした。
「イーサリアムはPoSへの移行で、エネルギー消費を1,000分の1から1万分の1まで減らせる」と主張。中規模の国家が使うエネルギーの規模から、1つの村が利用する規模まで減らせると説明している。
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そして今後について、ビットコインもPoSへ移行するか、PoSを含めたハイブリッド型にすることを求める声が増えるだろうと指摘。PoWに固執するのであれば、ビットコインは「遅れをとる可能性がある」と語った。「確信は持てないが、イーサリアムがビットコインを時価総額で追い抜く可能性もある」と述べている。
イーロン・マスク氏について
さらにインタビューでは、マスク氏が市場に与える影響についても語った。今まで、マスク氏のツイートを受け、相場が大きく動く事例が何回も確認されている。
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ヴィタリック氏はこの現象について、仮想通貨市場は、まだ免疫機能が完全ではないため、混乱をもたらす出来事に影響を受けやすい傾向があると指摘。「マスク氏のツイートは昨年から今年にかけてのことで、免疫のない初めて出来事だ」とし、「市場はこれから学んでいくだろう。マスク氏の影響は永遠には続かない」との見方を示した。