Discordユーザーの収益化機能
コミュケーションアプリのDiscord(ディスコード)は1日、公式ツイッターで、ユーザー向けに収益化(マネタイズ)機能を提供することを示唆する内容のコメントを投稿した。
同日にはプライバシートークアプリ「テレグラム」のPavel Durov CEOが分散型取引所および自己管理型ウォレットを開発する計画を明かしたばかり。
Discordの投稿は具体的な内容を明かしていないが、NFT(非代替性トークン)や独自トークンの発行を含めたブロックチェーン技術の実装を期待する暗号資産(仮想通貨)投資家の意見も見受けられる。
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— Discord (@discord) November 30, 2022
明日もし、discordでお金を稼ぎ始めることができると言ったら(どうする)?
Discordは親しみやすいチャットUI(ユーザーインターフェース)とSkype(スカイプ)のような動画や音声通信を利用できる無料チャットプラットフォーム。2015年のリリース以来、加速度的に成長を遂げており、2021年時点にユーザーベースは3億人を越え、月間アクティブユーザーは1億4000万人に上ると報告されている(Business of Apps調べ)。
Discordの機能はPCゲームをプレイする場合に特に便利で、仲間を見つけ、プレイを調整し、プレイ中に会話するツールとしてユーザーベースを拡大した。SlackやMicrosoft Teamsと競合するためにターゲットを拡大した結果、2021年のアクティブサーバー数は1,350万と、2020年の670万から大幅に拡大している。
Discordは仮想通貨のエコシステムにとってもなじみ深いもので、プロジェクトの情報収集や議論、そして憩いの場として利用されてきた。
Web3(分散型ウェブ)の代表的なユースケースの一つであるDAO(分散型自律組織)のコミュニケーションチャネルとしても利用されている。メッセージ、モデレーター、日々のコマンドの実行など、さまざまな方法で獲得できる「ポイント」機能や、ユーザーのプロフィールに表示可能な「バッジ」との相性が良い。
各種ブロックチェーンの実装によりNFTやトークン流通が実現すれば、仮想通貨ユーザーにとって利便性向上が期待される。
RedditやTwitterの事例
大型SNSがNFTを採用した事例としては、掲示板大手のReddit(レディット)が22年7月に限定版のPFP(プロフィール画像)NFTコレクションを販売。10月までに290万個以上のアバターが流通し、二次市場での累積取引量は8.93億円(600万ドル)に到達。保有者数は281万件を超えていた。
中でも、Spooky Seasonコレクションのコラボレーターの一人、偽名アーティストpoieeeyeee氏によって作成されたMidas Touch は最高額18ETH(約359万円)で落札された。同作品は、10月23日から24日にかけて約3.5億円(254万ドル)の出来高を上げ、NFT電子市場大手OpenSeaの1日の取引量ランキングでトップに躍り出た。poieeeyeee氏との契約内容は不明だが、Midas Touchの取引量に対して5%が、クリエイター手数料としてSpooky Season側の収益となる。
一方で、DiscordがこれらNFTやDAOなどのWeb3ユースケースとは別のクリエイター収益モデルを計画しているとしたら、ツイッター社の取り組みがヒントになるかもしれない。
10月下旬に米Twitter(ツイッター)社を約6.4兆円(440億ドル)で買収したイーロン・マスク氏は、大規模なレイオフと並行して、パートナー(クリエイター)向けマネタイズ(収益化)機能のリニューアル計画を進めている。
以前にマスク氏は、サブスクリプションサービス「Twitter Blue」を月額約738円(4.99ドル)から約1184円(8ドル)に値上げし、アカウント名に表示される青色の認証済みバッジを組み込む方針を表明。また、返信、メンション、検索での優先付け、ペイウォール(有料動画)の投稿機能にも言及した。
大手仮想通貨取引所バイナンスが、イーロン氏のTwitter買収に740億円(5億ドル)を出資した株主であることから、仮想通貨投資家の間で期待が高まっていた。
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