マクロ経済と金融市場
前週末22日の米NY株式市場では、ダウ平均株価は前日比18.3ドル安、ナスダック指数は29.1ポイント(0.19%)高と横ばいで取引を終えた。
米国株ではマイニング関連のマラソンデジタルが前日比7.2%高、ライオットが5.7%高、Hut 8が11.6%高と大幅続伸したほか、コインベースが前日比4.2%高、マイクロストラテジーが5.9%高となっており、暗号資産(仮想通貨)関連銘柄に資金が集まり始めている。
関連:FRB重視のPCEデフレーターで2020年以来のマイナスインフレ、仮想通貨関連株高騰|23日金融短観
仮想通貨市況
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン価格は前日比2.1%安の1BTC=42,955ドルに。
ダブルトップを付けて反落するか、上抜け続伸するかの節目にある。
関連:先物市場に偏りも、ビットコイン上抜けは今週が勝負か|bitbankアナリスト寄稿
アナリストの見解
Ali Martinez氏は、1000BTC以上を保有するエンティティが1.1%減少したことを指摘した。一部のクジラ(大口投資家)がポートフォリオの持高調整および再分配を行っているものと見られる。
Are you anticipating a #Bitcoin price correction? The first indicator would be a sustained close below $43,200. If this happens, $BTC could be headed towards $37,000.
— Ali (@ali_charts) December 23, 2023
However, as long as the crucial $43,200 support level holds, the odds seem to favor the bulls, potentially… pic.twitter.com/ed6Ok4lMjE
同氏の見立てによれば、43,200ドルのサポートライン(下値支持線)が維持される場合は、買い方優勢で47,360ドルまで続伸が見込めるものの、終値が43,200ドル水準を割り込んだ場合は37,000ドル水準まで下落するおそれがある。
この分析は、どの価格帯でビットコインがどれだけ保有されているかを可視化するビットコインの「UTXO Realized Price Distribution(URPD)」に基づいたものだ。
Are you anticipating a #Bitcoin price correction? The first indicator would be a sustained close below $43,200. If this happens, $BTC could be headed towards $37,000.
— Ali (@ali_charts) December 23, 2023
However, as long as the crucial $43,200 support level holds, the odds seem to favor the bulls, potentially… pic.twitter.com/ed6Ok4lMjE
アルトコインの循環物色に伴う過熱感が強まる中、慎重な見方も少なくない。
シンガポール拠点の暗号資産取引企業であるQCPキャピタルは、ビットコインETF(上場投資信託)について早ければ来年1月5日〜10日にかけて承認されると見込んでいるが、セルフザファクト(噂で買って事実で売る)になるケースも十分あり得るとして「過度の楽観は禁物」だと警鐘を鳴らした。
現物価格はすでに大きく上昇していることもあり、ETF承認直後の初期需要が強気予想および利益確定売りの圧力を下回る可能性があるとしている。その場合、1BTC=36,000ドルまで下落し得るという。
このような想定に備えた投資戦略としては、先物価格やボラティリティ(価格変動性)上昇を利用して、オプション市場で原資産を保有しながらコールオプションの売りポジションを取るカバードコールは選択肢の1つだと言及。同時にアウトオブザマネーのプット買いにより、ETF承認後に現物価格が下落した場合に利益を得るという選択肢もあるとした。
その一方、長期的には一時的に急落したとしても、次の半減期相場に向けた強気トレンドはなおも続くと見ている。
関連:初歩から学ぶビットコインETF特集:投資のメリット・デメリット、米国株の買い方まで解説
DonAlt氏も似たような見解を示す。
ETF承認後に48,000ドルまで上昇する可能性はあるが、急騰すればするほど反動安に見舞われるリスクが高まるとした。売りが一巡した調整後は、最大手資産運用会社ブラックロックなどの大量買いも起こり得ると予想している。
なお、イーサリアム(ETH)が暴落する可能性を指摘していた著名投資家のピーター・ブラントは、上昇ウェッジの上抜けを根拠に弱気予想を撤回した。
Strong opinions, weakly held
— Peter Brandt (@PeterLBrandt) December 22, 2023
When circumstances change, my opinion changes
My recent appraisal of $ETH called for immediate price collapse – that has not happened
I have withdrawn my bearish outlook based on chart structure. @CointelegraphMT pic.twitter.com/Pb2fUsuiAn
ビットコインETF特集
ビットコインETFの仕組み、基本から徹底解説 | ブラックロックが仕掛けるビットコインETF、投資家必見のポイント |
ビットコインETF上場承認後のBTC価格はどう変わる? 米投資会社の資金流入予測 | ビットコイン半減期とは?市場価格への影響と注意点 |
初心者が学ぶべきトレード知識まとめ | CoinPostアプリで個人投資家に優位性を |
投資家向けCoinPostアプリに「ヒートマップ」機能を導入しました!
— CoinPost(仮想通貨メディア) (@coin_post) December 21, 2023
仮想通貨の重要ニュースはもちろん、ドル円などの為替情報やコインベースなど株式市場の暗号資産関連銘柄の値動きも一目瞭然です。
■iOS版、Android版のDLはこちら
https://t.co/9g8XugH5JJ pic.twitter.com/bpSk57VDrU
過去に掲載したマーケットレポート一覧はこちら