はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

日本が仮想通貨決済の世界的リーダーになる可能性、英金融メディアが評価

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

2017年から仮想通貨決済を導入

英金融メディアFinanceFeedsは28日、規制に準拠した世界的な暗号資産(仮想通貨)決済のリーダーとして、日本の可能性に注目していると述べた。

日本は、2017年4月1日に改正資金決済法の施行開始により、世界でいち早く仮想通貨の法的地位を認め、仮想通貨交換業に関する制度が整備された国となった。

同年4月5日、国内で初めて家電量販店大手のビックカメラがビットコイン決済を導入。8月には新宿マルイアネックスが、翌2018年1月には大手家電量販店ヤマダ電機が、国内大手取引所ビットフライヤーと提携し、試験的にビットコイン決済を導入し、その後全国すべての店舗に拡大した。

ビットコイン決済を受け入れる企業は、ゆっくりだが着実に増加し、直近では2月15日から、日本最大のフリマサービス「メルカリ」で、アプリ内保有のビットコインを商品支払いに利用可能になった。このサービスを提供するのはメルカリの子会社のメルコインで、同社は2023年からビットコイン取引サービスをスタート。7ヶ月で100万人の利用者を獲得した。

関連:メルカリ、フリマアプリの買い物でビットコイン決済機能提供へ

Web3政策を推進する日本政府

FinanceFeedsは、日本が仮想通貨決済が受け入れられる背景として、Web3産業を支援する日本政府の姿勢を取り上げた。

自由民主党デジタル社会推進本部は2022年1月、「web3プロジェクトチーム(旧:NFT 政策検討プロジェクトチーム)」(web3PT)を設置。web3PTは22年3月に発行した提言書「NFTホワイトペーパー」の中で、Web3.0を「デジタル経済圏の新たなフロンティア」と位置付けて、その起爆剤であるNFTを含む経済圏の育成を国家戦略として定めるべきと提言した。

23年4月には、内閣との意見調整や党の方針決定の役割を担う自民党政調審議会で、与党の政策として「web3ホワイトペーパー」が了承された。web3ホワイトペーパーでは、仮想通貨取引の課税について以下のような提言がなされている。

  • 暗号資産取引に係る損益を申告分離課税対象とする
  • 暗号資産取引に関する損益を法定通貨に交換した時点でまとめて課税対象とする
  • 短期売買目的でない他社トークンの期末時価評価課税から除外する

これらの提言は、日本国内の投資環境を整え、国内のブロックチェーン関連事業の起業促進やweb3エコシステムの発展を目指すものとなっている。

Web3とは

現状の中央集権体制のウェブをWeb2.0と定義し、ブロックチェーン等を用いて非中央集権型のネットワークを実現する試みを指す。代表的な特徴は、仮想通貨ウォレットを利用したdAppsへのアクセスなど、ブロックチェーンをはじめとする分散型ネットワークのユースケースがある。

▶️仮想通貨用語集

関連:web3とAI分野が自民党の政策に、自民・政調審議会でホワイトペーパーを了承

ステーブルコインの利用

また、日本では2023年6月1日の改正資金決済法施行により、法定通貨を裏付けとするステーブルコインが発行可能となった。

改正資金決済法では、日本国内で発行されるステーブルコインの裏付け資産を準備する責任は発行者にあり、発行者は銀行、資金移動業者、信託会社などに限定される。海外発行のステーブルコインについては、発行者ではなく流通業者に資産を保全する義務が課される。

関連:6月1日施行の改正資金決済法で国内ステーブルコイン発行可能に、多国籍企業にメリットも

ステーブルコイン決済サービスの事例

仮想通貨決済に日本円ステーブルコインを導入したサービスも登場している。仮想通貨決済プラットフォーム「Slash Payments」とプリペイド型日本円ステーブルコイン「JPYC」を提供する「JPYC Pay」が連携して実現したものだ。

JPYC PayはJPYCの取引をスムーズに行うため、JPYC決済を瞬時に日本円に変換し、銀行口座に振り込む機能を持つ。加盟店側はウォレットが不要で、売上を日本円で受け取るため、仮想通貨関連の会計処理も必要ない。現在加盟店の事前登録を行なっている。

関連:暗号資産決済で日本円即時変換、「Slash Payment with JPYC Pay」の展望とは?【独自取材】

JPYCについて

JPYCは日本円に連動するステーブルコインで、2021年に発行が開始され、昨年11月時点で累計発行額は23億円を超える。現行モデルは資金決済法上の「前払式支払手段」として位置づけられており、原則として金銭の払い戻しができないなどの制限がある。

JPYCはイーサリアム(ETH)、ポリゴン(MATIC)、アバランチ(AVAX)、グノーシス(GNO)、紫電(SDN)、アスターネットワーク(ASTR)のパブリックチェーンに対応。JPYCを発行するJPYC株式会社は昨年3月、第三者型前払支払手段発行者として登録され、加盟店舗の店頭などでの利用が可能になった。

Slashについて

Slash PaymentsはWeb3ウォレットでユーザーが所有する多種多様なトークンでの決済利用を目的とした、仮想通貨の自動両替ソリューション。Slash Paymentsを開発・運営するSlash Fintech Limitedはイギリス領ヴァージン諸島を本拠とするが、代表取締役社長は佐藤伸介氏で、日本での展開に力を入れている。

22年12月にシードラウンドでは、株式会社ZOZO創業者の前澤友作氏が設立したWeb3特化型のファンドをはじめ、複数の個人投資家から約2.2億円(150万ドル)の資金調達に成功した。

Slash Fintechは仮想通貨取引所Zaifを運営する株式会社カイカエクスチェンジ、そしてソフトバンク子会社のSBペイメントサービス株式会社と23年5月に業務提携を発表。日本市場でスマートコントラクト決済に関する企画、開発、運用の検討を共同で行うなど、関連する取り組みを連携して進めていく。

FinanceFeedsによると、Slashには、3,000超の加盟店が参加し、2024年2月までに累計総額約15億円(1,000万ドル)の取引が行われたという。また、今後ユーザー向けのクレジットカード発行の計画もあるため、日本市場での存在感が高まると期待されている。

関連:仮想通貨決済企業Slash、Mantle Networkと提携 エコシステムをイーサリアムから移行

仮想通貨初心者向け特集

イチから学ぶ仮想通貨投資、ビットコインの買い方まで徹底解説投資初心者向け講座|仮想通貨ビットコインの「トレンド転換点」の見極め方
人気銘柄別、日本国内の仮想通貨取引所、おすすめ5選抑えておきたいテクニカル分析「ダウ理論・6原則」を初心者向けに解説
CoinPostアプリで優位性をどれを買えばいい?仮想通貨(ビットコイン、アルトコイン)銘柄の選び方
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/26 金曜日
10:36
パンテラ専門家の2026年仮想通貨12大予測 DAT企業統合や量子パニックなど
パンテラ・キャピタルのジェイ・ユー氏が2026年の仮想通貨業界12大予測を発表。AI技術の浸透、DAT企業の統合、トークン化ゴールドのRWA主役化、ステーブルコイン決済の拡大、量子コンピューターによるBTC懸念など、注目のトレンドを解説。
10:02
2025年仮想通貨デリバティブ市場レポート、取引高1300兆円突破=コイングラス
コイングラスが2025年の仮想通貨デリバティブ市場に関するレポートを公開。ETFやDAT企業などへの機関投資家による投資が加速したと分析している。
06:55
トラストウォレットで9億円以上不正出金、数百人のユーザーが被害か=報告
オンチェーン探偵のザックXBT氏が、トラストウォレットの複数ユーザーから資金の不正流出報告があったと明らかにした。クローム拡張機能のアップデート後に発生し最低でも600万ドル以上が盗まれたと推定。
06:40
金融庁、仮想通貨の担当部署を「課」に昇格へ
金融庁は、2026年7月の次期事務年度に仮想通貨の担当部署を「課」に昇格させる方針を固めたことがわかった。金融サービス変革への対応能力を強化する。
05:45
ロシアの主要証券取引所、2026年の規制発効で仮想通貨取引提供開始へ
ロシアのモスクワ証券取引所とサンクトペテルブルク証券取引所が、2026年に予定される仮想通貨規制の発効後に仮想通貨取引の提供を開始する準備ができていると発表した。
12/25 木曜日
18:01
Komlock labと東証上場TDSE、AIエージェントによる自律決済の実証実験開始
TDSEとKomlock labがAIエージェントによる自律決済の実証実験を開始。日本円ステーブルコイン「JPYC」を活用し、AIが人間を介さず決済する「Agentic Commerce」の実現を目指す。
18:00
アルトコインを保有する上場企業一覧|ETH・SOL・XRPなど主要銘柄別に分析
イーサリアム、ソラナ、リップル社開発のXRPなど、ビットコイン以外の仮想通貨をトレジャリー戦略で保有する上場企業が急増中。銘柄別一覧とともに投資効率や保有動向をわかりやすく分析。
17:38
日銀総裁、利上げ継続示す 30年ぶり高水準更新へ
日銀の植田和男総裁が25日の講演で利上げ継続方針を表明。政策金利は既に30年ぶりの0.75%水準に達しており、今後の追加利上げによる円キャリートレード巻き戻しが仮想通貨市場に与える影響が注目されている。
16:21
SBI VCトレードとアプラス、USDCによる店舗決済の実証実験を来春開始
SBI VCトレードとアプラスが米ドル建てステーブルコインUSDCを活用した店舗決済の実証実験を2026年春に開始。大阪・関西万博のデジタルウォレット成果を発展させ、QRコード決済でインバウンド顧客向けに新たな決済モデルを創出する。国内唯一の電子決済手段等取引業者であるSBI VCトレードと、豊富な加盟店ネットワークを持つアプラスが協力し、ステーブルコイン決済の社会実装を加速。
14:55
量子コンピュータは仮想通貨の脅威か 専門家が語る「共存」の可能性
量子コンピューティングが仮想通貨業界に与える影響について、楽観論と懸念論が交錯する中、専門家は「共存」の可能性を指摘。ビットコインベテラン投資家やマイクロストラテジー会長は量子が仮想通貨を強化すると主張する一方、開発者は5~10年の移行期間が必要と警告。ソラナやイーサリアムなど主要ブロックチェーンは既に量子耐性技術の実装を開始している。
13:50
アステリア、JPYC企業利用支援の「JPYCゲートウェイ」発表
アステリアは企業向けJPYC入出金管理サービス「JPYCゲートウェイ」を発表。ウォレット管理やガス代負担など企業利用の課題を解消し、100以上の既存システムと連携可能。2026年1月よりβ版提供開始。
13:30
2025年世界仮想通貨浸透率ランキング、日本は47位
Bybitは2025年世界仮想通貨ランキングで、79カ国をユーザー浸透度、取引利用度、制度整備度、文化的浸透度の観点から相対的に評価。シンガポールと米国が上位にランクインし、日本は47位となった。また国別の一人当たりGDPから分析したところ、投資主導型と実用主導型の二つの採用パターンが明確となった。
12:13
ビットコイン価格予想が二極化 来年の37000ドル悲観論と最高値更新説の根拠は
仮想通貨市況 暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比+%の1BTC=87,850ドルに。 ビットコインが一時的に88,000ドルを上回ったことは、米国上場…
11:44
仮想通貨投資大手が大規模取引か、ワールドコインに3000万ドル投入の可能性
マルチコイン・キャピタルと関連するウォレットが24日、ワールドコイン(WLD)6000万トークンを約46億円で購入した疑いが浮上。オンチェーンデータ分析サービスが報告。WLD価格は史上最高値から95%下落中。
10:30
個人投資家が計22億円の詐欺被害に、米SECが仮想通貨企業などを起訴
米SECは、複数の個人投資家から最低でも計約22億円をだまし取ったとして仮想通貨企業などを起訴。詐欺の手口を説明し、投資家に注意喚起を行っている。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧