はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

自民党・政調審議会、「暗号資産を国民経済に資する資産とするための緊急提言」を正式承認へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

正式承認へ

自民党・デジタル社会推進本部 web3主査の塩崎あきひさ議員は、19日の自民党の政調審議会において、「暗号資産を国民経済に資する資産とするための緊急提言」が正式承認されたことを報告した。

急速に拡大するクリプト経済圏における我が国の競争力強化を図ることを掲げるデジタル社会推進本部は、Web3をデジタル社会における成長エンジンの一つと位置付け、新たな政策方針を示している。

国内の暗号資産取引所の口座数が1,100万口座を超え、預託金が2.9兆円規模に達する中、以下の3つの重要施策が提示された。

自民党・web3ワーキンググループ資料

1. 暗号資産取引による損益を申告分離課税の対象へ

現行の税制においては、個人所得課税において、暗号資産の取引により生じた所得は原則雑所得に該当するものとされ、総合課税の対象として最高税率(所得税と住民税を合わせて)55%で課税されるなど、諸外国に比べて厳しい扱いとなっているとの指摘がある。と言及。

こうした指摘や暗号資産を国民の投資対象となるべき金融資産として取り扱うかなどの観点を踏まえ、下記の点について検討を行っていくべきであると指摘した。

① 暗号資産の取引により生じた損益について 20%の税率による「申告分離課税」の対象とする

② 暗号資産にかかる所得金額からの「損失の繰越控除」を認める(翌年以降3年間)

③ 暗号資産デリバティブ取引についても同様に「申告分離課税」の対象にする

2. 暗号資産の金融商品化とETF検討

金融審議会での議論によると、暗号資産市場は投資対象としての性質を強めており、特に24年1月にビットコインETF(上場投資信託)の承認された米国では、機関投資家のビットコイン保有が着実に増加しており、同じく米SEC(証券取引委員会)に承認されたイーサリアム(ETH)を含め、投資アセットの一つとして確立しつつある。

しかし、暗号資産はブロックチェーンの基盤技術として不可欠な要素でもある。特にWeb3分野では、DAO(自立分散型組織)のガバナンスやゲーム内決済など、非金融での活用が広がっており、通信キャリアやゲーム会社などの参入も活発化している。

現在の日本では、セキュリティトークンは金融商品取引法の対象となっているものの、一般の暗号資産は資金決済法による規制が中心だ。この状況を踏まえ、暗号資産取引の振興や分離課税導入に向けて、利用者保護に留意しつつ、一部の暗号資産を金融商品として位置付けることが検討されている。

ただし、Web3ビジネスは金融以外の様々な事業を含むため、イノベーションを阻害しない規制設計が求められる。また、米国での規制緩和の動きも注視しながら、日本国内における暗号資産ETFの実現可能性も含めた包括的な検討を進めていく方針だ。

このような規制の見直しは、日本の暗号資産市場の発展と国際競争力の強化につながることが期待される。

3. セキュリティ体制の強化

暗号資産取引所には、利用者資産を保護するため、強固なサイバーセキュリティの確保が求められている。

過去のハッキング事件を踏まえ、各取引所は関連法令の遵守に加え、独自のセキュリティ対策を実施しているが、暗号資産の国際的な流通性を考慮すると、個社での対応には限界があることが指摘されている。

この課題に対応するため、取引所間でセキュリティ情報を共有し、分析する枠組みが求められている。緊急提言では、「国内取引所間の連携だけでなく、米国など海外との情報共有も強化すべきである」とし、「各事業者におけるセキュリティレベルの一層の向上を図るとともに、これらの取り組みについて政府が強力に後押ししていくべきである。」と総括した。

関連:ビットコインは今後どうなる?2025年の価格予測と3つの注目材料

関連:仮想通貨取引所ランキング|プロ厳選の実績と評判で徹底比較

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/25 木曜日
13:50
アステリア、JPYC企業利用支援の「JPYCゲートウェイ」発表
アステリアは企業向けJPYC入出金管理サービス「JPYCゲートウェイ」を発表。ウォレット管理やガス代負担など企業利用の課題を解消し、100以上の既存システムと連携可能。2026年1月よりβ版提供開始。
13:30
2025年世界仮想通貨浸透率ランキング、日本は47位
Bybitは2025年世界仮想通貨ランキングで、79カ国をユーザー浸透度、取引利用度、制度整備度、文化的浸透度の観点から相対的に評価。シンガポールと米国が上位にランクインし、日本は47位となった。また国別の一人当たりGDPから分析したところ、投資主導型と実用主導型の二つの採用パターンが明確となった。
12:13
ビットコイン価格予想が二極化 来年の37000ドル悲観論と最高値更新説の根拠は
仮想通貨市況 暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比+%の1BTC=87,850ドルに。 ビットコインが一時的に88,000ドルを上回ったことは、米国上場…
11:44
仮想通貨投資大手が大規模取引か、ワールドコインに3000万ドル投入の可能性
マルチコイン・キャピタルと関連するウォレットが24日、ワールドコイン(WLD)6000万トークンを約46億円で購入した疑いが浮上。オンチェーンデータ分析サービスが報告。WLD価格は史上最高値から95%下落中。
10:30
個人投資家が計22億円の詐欺被害に、米SECが仮想通貨企業などを起訴
米SECは、複数の個人投資家から最低でも計約22億円をだまし取ったとして仮想通貨企業などを起訴。詐欺の手口を説明し、投資家に注意喚起を行っている。
10:22
Aave、所有権紛争でDeFiガバナンスの課題が表面化
大手DeFiプロトコルAaveで深刻なガバナンス対立が発生。年15億円超の収益配分とブランド資産の所有権をめぐり、DAOとAave Labsが対立。Snapshot投票では反対が過半数を占め、DeFi業界のガバナンス課題を浮き彫りに。
10:05
2026年の仮想通貨市場に期待できることは? Presto Researchがビットコイン16万ドル予想
Presto Researchが2026年の仮想通貨市場を展望。ビットコイン16万ドル到達の可能性、量子耐性議論、アルトコイン投機時代の終焉など様々なトレンドを予想している。
08:30
EUの仮想通貨税務透明性法「DAC8」、2026年1月1日に発効
EUの新たな税務透明性法DAC8が2026年1月1日に発効する。仮想通貨資産サービスプロバイダーは同日からEU居住ユーザーの取引データ収集を開始し、2027年9月までに最初の報告が必要となる。
07:35
ビットコイン現物ETF、4日連続で資金が純流出
仮想通貨ビットコインの米国の現物ETFは、23日の資金フローが約294億円の純流出で、これで4日連続の純流出となった。有識者が要因を分析している。
07:12
サークルを騙る偽の金・銀トークン化サイトが出現、同社が注意喚起
USDCステーブルコイン発行企業サークルを名乗る偽のプラットフォームが12月24日に登場し、トークン化された金と銀の取引を提供すると宣伝していた。サークルの広報担当者は偽物だと否定。
06:15
アーサー・ヘイズがイーサリアム売却継続、DeFiトークンに資金移動か
アーサー・ヘイズ氏が過去1週間で1800ETH以上のイーサリアムを売却し、仮想通貨ENA、PENDLE、ETHFIなどのDeFi銘柄に資金を振り向けている。ポートフォリオのリバランス計画の一環とみられる。
05:50
マウントゴックスハッキング容疑者関連ウォレット、177億円相当ビットコインを売却か
マウントゴックスハッキング容疑者に関連するウォレットが過去1週間で1300BTCを取引所に送金した。10月以降の総売却額は2300BTCにのぼる。
12/24 水曜日
17:57
2025年の調整局面 過去サイクルの「仮想通貨の冬」との違いは?
2025年後半、仮想通貨市場は調整局面を迎えている。しかし過去2度の「冬」とは決定的に異なることがある。トランプ政権の支援、ETF普及、規制整備が同時進行。従来の4年サイクルが崩れる可能性も。2026年の市場展望を専門家の見解とともに解説する。
16:51
ガーナで仮想通貨取引が合法化、2024年取引高は4700億円規模
アフリカのガーナ議会が仮想資産サービスプロバイダー法案を可決し、約300万人が利用する仮想通貨取引を正式に合法化。中央銀行がライセンス発行・監督を担当し、2024年の取引高は4,700億円規模。個人の取引を保護しつつ、事業者には厳格な規制を適用する新たな枠組みを解説。
14:17
ビットコインとイーサリアムに資金集中 仮想通貨市場は年末調整局面へ=Wintermute分析
大手マーケットメーカーWintermuteの分析によると、仮想通貨市場ではビットコインとイーサリアムへの資金集中が加速。機関投資家は夏以降一貫して買い圧力を維持し、個人投資家もアルトコインから主要通貨へローテーションを開始している。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧