- ビットメインが米国に場を移しIPOを再計画か
- 仮想通貨マイニング大手ビットメイン社が、ビットコインが1年ぶりの高値を記録する中、新規株式公開(IPO)の再申請を計画していることが明らかになった。次は香港ではなく、米国で申請をする。
ビットメイン、米国でIPOを計画か
仮想通貨マイニング大手ビットメイン社が、ビットコインが1年ぶりの高値を記録する状況で、新規株式公開(IPO)の再開を計画していることが、米ブルームバーグの報道で明らかになった。この計画は非公開のため、匿名を条件とした情報筋によるものだという。
同社はアドバイザーの協力を得て、今年下半期での米国株式市場でのIPOに向けた準備を進めており、来月SEC(米国証券取引委員会)への上場申請を目指している。
ビットメイン社は米国でのIPOで約320億円(約3億ドル)から約535億円(約5億ドル)を調達する可能性があるが、目標金額を最終決定するまでには至っていない。
香港での上場申請撤退
ビットメイン社はこれまで約3200万円(約30億ドル)の香港IPOを推進していたことを過去にもブルームバーグが報道している。しかしビットメイン社の上場申請は3月に失効した。規模として同社より小さいがライバルのマイニング大手Canaan社も、香港市場でのIPO計画を打ち切り、米国でのIPOの可能性を探っているという。
マイニング向けチップメーカーであるEbang International Holdings社も、今週2度目のIPO挑戦で再度失効させた。ビットメイン社は今年のビットコインの相場の好転を受けて、米国上場申請に動いたとされている。
近年、ビットコイン関連企業によるIPOが香港で議論を巻き起こしている。香港市場は、より成長率の高いテクノロジー企業を市場に引き付けることを目指しつつも、個人投資家の保護を維持している。香港の証券取引所と規制当局は、仮想通貨企業によるIPOは「時期尚早」だと考えている。
今週には、米フェイスブックが主導で開発を進めている仮想通貨プロジェクト「リブラ(Libra)」のホワイトペーパー(事業計画書)が公開されるなど、またLINEグループも、早ければ来月にも国内で仮想通貨交換業者として取引開始する可能性を示唆するなど大手企業の参入も目立っている。
ビットメイン社の上場プロセスはまだ初期段階にあり、IPOの内容の詳細は変わる可能性がある。また、ビットメイン社の担当者はIPOに関し、現時点ではコメントは差し控えたいとしている。