- 「FATFのガイドラインは怪物ではない」
- 仮想通貨業界サミット「V20」は現在大阪で開催中。先日発表されたFATFのガイダンスについて、初めて同機関からの解説が行われた。最適な規制ガイダンスは未だ模索中という。
「FATFのガイドラインは怪物ではない」
本日から明日にかけて開催する「G20」首脳会議に際し、世界の仮想通貨交換業者(VASP)やブロックチェーン大手関連企業、日本国内の仮想通貨自主規制団体、FATF(金融活動作業部会)は「V20」と名付けられる業界最大級のサミットを現在大阪にて行なっている。
当サミットの目的は先日FATFが公開した「暗号資産監督ガイダンス」に関する業界全体と規制団体間の理解、協議である。
※仮想通貨メディアCoinPostも参加し、随一重要な情報を配信します。
まず、FATFの書記官を務めるTom Neylan氏はV20でスピーチを行い、ガイダンスについて概説を行なった。現段階では中央集権的取引所だけでなく、DEXやP2P取引所などに対する包摂的な法的基礎に見られる問題を認めつつ、適切な規制フレームワークを未だ模索しているという。
業界の一つの懸念として、ガイダンスに記載されている「送金者・受取側」が利用する仮想通貨交換業者の間で正確な個人情報を共有すると呼びかける方針において、「法的登録制度のない国にいるユーザーに送金する為に、P2P取引(OTCなど)の利用が増加するのではないか」との質問に対し、Neylan氏は包括的な技術面での課題が多くあると認めている。
なお、取引所を介さない送金利用が増加する可能性について現段階では各国でガイダンスが導入されていないため、具体的な影響は今後も注視していく姿勢を示した。
さらに、Neylan氏は「仮想通貨業界に対する規制は恐怖心を引き起こす怪物ではなく、施行されればむしろ仮想通貨市場はよりオープンになるだろう。」と、規制の必要性を強調した。
V20の模様に関しては、仮想通貨メディアCoinPostとして参加している編集長の各務(@coinpost_kagami )が最新情報や現地の雰囲気をお届けする。