- 裁判官がNY司法当局に捜査時間を延長
- Bitfinexらとニューヨーク司法当局の裁判は30日に実施、聴取内容などから結論には至らず、90日の判断延長が決定した。Bitfinexは一定期間通常業務継続が可能に。
NYAGの捜査、90日延長へ
Bitfinexとテザーの親企業iFinex社とニューヨーク司法当局NYAGの裁判は30日に再開。今回の聴取では結論に至らず、90日間の延長が決定した。
Cohen裁判官は、本日の聴取をもって結果にたどり着きたいと述べていたが、結論に至らなかったことになる。Bitfinex側の取り下げ要求を承認せず、NYAG側の捜査期間「約90日」の延長が認められた。
裁判官は、「NYAGによる裁判の完全取り下げを行うか、Bitfinexの取り下げ要求を否定するか」との判断に、より多くの時間が必要だと考えている。
裁判の聴取内容では、Bitfinex社が「NYAGが行う捜査の停止を求めるのではなく、自分たちをその捜査対象から外してもらうこと」を求め、管轄権外にあることを改めて主張した。
今回の裁判の重要点とは以下のようにまとめた。
- 次の聴取による結果までの間、Bitfinexとテザー社は通常業務を行うことができる
- テザー社はBitfinexに資金を貸すことが一部制限される(前の判断を引き継ぎ)
- NYAGは捜査を継続させることが認められる
一連の流れでは、NYAGがBitfinex社のテザー資金不正利用疑惑およびニューヨークでの無登録営業に関する取り締まりの主張が発端となり、裁判に発展。現在はNY州における取り締まりの権利を巡り管轄権があるかが大きな焦点となっている。
Bitfinex側はNYAGの管轄権の主張に対して、『ニューヨーク州の利用者』は、海外の適格な契約参加者(ECP)に該当する」と反論し、NY州住民へのサービス提供を指摘する内容を全面的に否定した。
今回裁判官が思った以上に結論を出すに至らなかったことから、しばらくの間Bitfinexとテザー社は取引所業務、USDTの発行などにおいて業務に対する支障は生じないが、NYAGの捜査継続と今後予想される証拠提出に対して、より猶予が認められたことで、Bitfinex社側も警戒せざるを得ない状況にあると見られる。
引き続き、この事件の展開に注目する必要がある。
*これまでの概要
NYAGとBitfinexの裁判沙汰に関して、状況を整理したタイムテーブルは以下にまとめる。(米国時間表記)
- 4/25:NYAGがBitfinexに対し、USDT準備金の不正利用として、NY州における営業の停止を求める
- Bitfinexは、この指摘を全面否定
- 5/3:NYAGがBitfinexに対し、財務書類の開示要求
- 最高裁がテザー社とBitfinexに対し一時的な準備金の移動禁止を発令
- 5/16:証拠不十分として、最高裁がその禁止を一部解除; Bitfinexが告訴の取り消しを求める
- 5/18:Bitfinexがアクセス不可能となった資金を補うため、LEOトークンのセールを行い、約1100億円を調達成功
- 6/2:Bitfinexがテザー社に対し、1億ドルを返済した
- 7/8:NYAGは、Bitfinexとテザーが2015年よりNY住民に提供をしていたとして、最高裁にその管轄権を主張する摘要書(Memorandum of Law)を提出
- 7/22:BitfinexがNYAGの主張(摘要書)に対するリスポンス(書面上の返答)を行う
- 7/29:最高裁が、Bitfinexの告訴取り下げ要求に関する聴取を実施:約90日の判断期間に延長
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— CoinPost -仮想通貨情報サイト- (@coin_post) 2019年7月18日
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