- NYAGが再び反撃、Bitfinex裁判
- Bitfinexらとニューヨーク司法当局NYAGの裁判を巡り、NYAGは新たな書類を提出した。現在の管轄権問題から資金の不正利用疑いに関する書類の開示に発展する可能性がある。
テザー裁判に進展
仮想通貨取引所Bitfinexとテザーの親企業iFinex社とニューヨーク司法当局(NYAG)の裁判で、NYAGがBitfinex側に資産の証明が可能な情報の開示を要求する新たな文書を最高裁に提出していたことがわかった。
5月当時、最高裁はBitfinexが必要最低限となる、NYAGの管轄権限主張に答える書類のみ提出する許可を下したが、NYAGはこの判断の撤回を求め、より詳細な資料の請求が必要だと判断した。
NYAGのこの主張に対して、Bitfinex側がどのように対応するか業界における注目度は大きい。
Bitfinexは、テザー(USDT)準備金を不正利用したとNYAGから疑いを持たれ、米ニューヨーク州での営業停止が求められていた。Bitfinex側が全面否定するも、NYAGはBitfinexに対して、財務書類の開示を要求。ニューヨーク州の住民に対し、無登録で営業を行っていた疑いで、現在の裁判に発展した。
今回の裁判の焦点は、NY州における管轄権の有無(裁く権利があるか)にあるが、今回新たな資料の請求が行われたことで、不正利用などに関する疑惑への対応も強いられる可能性も浮上している。(最高裁の判断次第)
また、今回新たにNYAG側が公表した文書では、裁判にかかるコスト面の訴えに対して、取引所側の言い分を考慮しないという断固とした態度も示した。
BitfinexとiFinex社の両社の支払う裁判費用は、ニューヨーク司法当局(NYAG)に提出する書類にかかるコストだけで、50万ドル(約5400万円)に上ることが取引所側の弁護士がその旨を綴った文書から判明していた。
同文書内には、以下のような記述がなされている。
法令354は、いわゆる信用供与取引と呼ばれる文書の作成を命じるものだが、表明上それらは、被告が検事当局により召喚令状が提出された際に作成されたものだ。
それゆえ、その法令を遵守すべきであり、その法令は理にかなったものである。それら情報を提出するにあたり、難しさやコストが高いなどは関係の無いことだ。
裁判は7月30日に実施されたものの、その聴取内容では結論に至らず、90日間の延長が決定。約3ヶ月後に次回の裁判を予定している。
裁判沙汰の暫定結果は以下の通りだ。
- 次の聴取による結果までの間、Bitfinexとテザー社は通常業務を行うことができる
- テザー社はBitfinexに資金を貸すことが一部制限される(前の判断を引き継ぎ)
- NYAGは捜査を継続させる権限が認められる