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米リップル社CTO、XRPLedgerの今後について語る|WebXインタビュー

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

XRP裁判結果の意義

WebXカンファレンスに登壇した米リップル社のデイビッド・シュワルツ CTO(最高技術責任者)は、CoinPostの取材に応じ、同社に有利な判決が下された暗号資産(仮想通貨)XRP裁判の影響と、XRP Ledger(XRPL)の今後の展望について語った。

シュワルツ氏は、米証券取引委員会(SEC)が主張した「トークン自体が投資契約であり、有価証券になり得る」という理論が、13日に下された判決によって「法律上、何の裏付けもないことが明確になった」と指摘。「XRP自体は証券でないと裁判所が明確に述べたことが判決の最も重要な部分」であり、「リップル社と米国の仮想通貨業界すべてにとって、重要なマイルストーンだ」と語った。

同氏は、この判決によって最大の恩恵を受けるのは、タイミング的にもXRPを上場している米国の取引所だろうとコメント。さらに、この判決は重要な先例を示すものであり、SECのターゲットとなっている他の企業も利用することが可能になると付け加えた。

また、リップル社の吉川絵美氏もWebXで、この判決に言及。XRP自体は投資契約ではないため、証券には当たらないと裁判所が明言したことは、同社だけではなく仮想通貨業界にとっても意義深いとコメントした。

吉川氏は、2年半前のSECによる提訴が「業界に対する宣戦布告だ」というリップル社の声明は、当時業界からは真剣には受け止められなかったが、SECが次々に仮想通貨企業を証券方違反で提訴すると、業界全体がそれぞれの違いを乗り越え、一致団結する結果となったと感慨深く語った。

関連:米リップル社CTO、現実資産トークン化のポテンシャルを高く評価|WebXカンファレンス

現実資産のトークン化

シュワルツ氏は、XRPLの今後の展望として、不動産や炭素クレジット、金融資産など、さまざまな現実資産(RWA)のトークン化が重要なユースケースとなるだろうと主張している。同氏は、資産のトークン化により、流動性の向上、所有権の分割、所有権のシームレスな移転が可能になり、資産の管理や取引の方法を変革することができると説明した。

世の中のさまざまな「価値あるもの」を整理し、流動性を高め、効率的に(トークンとして)発行し、所有権を効率的に移転する方法が必要であることは、明白だと同氏は主張している。

また、高額な不動産や美術品などの資産についても、トークン化で所有権が分割されることで、資本へのアクセスが民主化されるきっかけとなると思うかという質問に、シュワルツ氏は、次のように答えた。

もちろん、そうなることを願っている。しかし、重要なのは、現実資産を含む投資機会をトークン化するというアイディアだけではなく、価値あるものの保有方法、管理方法、取引するための統一市場など、利便性を提供することだと考えている。

デジタル媒体のトークン化

一方、リップル社としての立場ではなく、シュワルツ氏個人としては、映画やビデオゲーム、電子書籍などのデジタル媒体の所有権の管理について、最も興味があるという。

デジタル媒体の所有権は、経済の大きな部分を占めるようになっているのにも関わらず、物理的な財産や不動産の所有権のように管理する方法が存在しない。

デジタル媒体のマーケットは、個人のためではなくマーケットの利便性のために構築されていると、同氏は批判。ストリーミング・サービスで購入した映画の閲覧などの権利を管理するのには、トークン化が最適だと主張している。

その他の開発分野

シュワルツ氏は、XRPLにとって有望な開発分野として分散型アイデンティティ(DID)を挙げている。DIDソリューションは、安全でシームレスなユーザー認証を可能にすることで、金融サービス、ヘルスケア、電子商取引など様々な分野に革命を起こす可能性があると、同氏は指摘した。

そのほか、XRPLにスマートコントラクトを統合する可能性に言及。効率的で迅速な決済に焦点を当てて設計されたXRPLに、スマートコントラクト機能を組み込むことで、幅広い分散型アプリへのアクセスを可能にし、有用性が増すとシュワルツ氏は述べた。

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