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ビットコインの海外デリバティブ取引に今春への思惑、新経済連盟が「20%の分離課税」に提言する影響|仮想通貨市況

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仮想通貨市場

●ビットコイン価格のレジスタンスとサポートライン

●経済界の重鎮が提言する20%の分離課税

●BTCの海外デリバティブ取引に「今春」への思惑

金融市場と仮想通貨

本日の国際金融市場の値動きは、以下の通り。

日付 NYダウ 日経平均 BTC価格
2/5(火) 25,239ドル(+175) 20,844円(-39) 37.6万円
2/6(水) 25,441ドル(+202) 20,751円(+30) 36.9万円
2/8(金) 25,169ドル(-272) 20,333円(-418) 37.1万円
2/12(火) 25,053ドル(-53) 20,864円(+531) 39.4万円
2/13(水) 25,425ドル(+372) 21,114円(+280) 39.6万円
2/14(木) 25,543ドル(+117) 21,139円(-4) 39.6万円

14日の東京株式市場は、直近の上昇に対する、買い一巡後の利益確定売りに抑えれる形で小反落。

ビットコイン価格も横ばいで、仮想通貨(ブロックチェーン)関連株も小幅安となった。

ビットコインテクニカル分析

本日のビットコイン価格は、引き続きレンジ内を推移。方向感の定まらない動きとなっている。

bitFlyerのBTCFXチャートで確認すると、9日(金)の急騰で大きな上髭をつけた後、日足トレンドライン(39.5万円付近)とfib0.618(39.8万円)に上値を抑えられており、この辺りの比較的強いレジスタンスゾーンを抜けられるかどうかは、一つの焦点となるだろう。

先行指標として、材料の出た主要アルトの動向も上昇の火付け役となったが、14日現在、ライトコインは落ち着きを見せている。仮にこのまま下落した場合、37.7万円付近でサポートされるかどうかにも注目したい。

本日の注目ファンダ

注目ファンダとしては、楽天グループの三木谷社長が会長を務める「一般社団法人 新経済連盟」が、政府の金融担当大臣に対し、「暗号資産の新たな規制に関する要望」を金融担当大臣宛てに提出、仮想通貨の技術や投資視点での発展を目指すため、以下5点の政策提言を行なったことが挙げられる。

  1. 投資型ICOについて:「第一項有価証券」となる対象の明確化
  2. 決済型ICOについて:発行体と交換業者の責任の明確化
  3. カストディ業務について:規制対象となる範囲の明確化
  4. デリバティブ取引について:第一種金商業による取り扱いの実現
  5. その他(税制について):申告分離課税や損益通算等の適用

新経済連盟は、「暗号資産は技術革新や環境変化がめざましい分野。新たな規制が我が国の金融市場におけるイノベーションの阻害とならないよう、最大限留意する必要がある。 」と提言。現行の「仮想通貨税制」に関しても、暗号資産への投資を阻害要因にならないようにするため、以下の三点の適用を求めた。

① 総合課税から、申告分離課税への変更

(税率は株やFXと同様に20%とする)

② 仮想通貨間の交換は非課税とする

③ 損益通算や損失の繰越控除を可能とする

楽天の三木谷氏が代表理事を務める新経済連盟、「仮想通貨規制に関する要望」を金融担当大臣に提出
新経済連盟が、「暗号資産の新たな規制に関する要望」を金融担当大臣宛てに提出したことが明らかになった。仮想通貨の技術や投資視点での発展を目指すための政策提言を行なった。

新経済連盟発足の経緯

新経済連盟は、「少子高齢化等の構造的問題を抱える日本が将来にわたり国際競争に勝ち抜き、経済成長を続けていくためには、IT(情報通信技術)のさらなる戦略的な利活用を軸とした新産業を推進、発展させていくことが不可欠であり、この発展を支える政策や諸制度の環境整備は、日本にとって喫緊の課題」だと指摘。

この環境整備に貢献するために、民間の立場から政策提言を行い、また会員への情報提供や会員相互の交流を推進するための経済団体だとしている。

会員構成

新経済連盟には、561社が加盟しており、会員構成は以下の通りだ。

一般会員:435社

賛助会員:126社

理事監査役で代表理事の三木谷浩史氏(楽天)、副代表理事の藤田晋氏(サイバーエージェント)の日本の経済界を代表する2名を筆頭に、幹事にも、電気通信最大手のKDDIが900億円規模のTOB(公開買い付け)を行なったカブドットコム証券、ゲーム会社のセガサミー、飲食会社のサントリー、総合コンサルティング会社のアクセンチュア、広告代理店の博報堂、東急電鉄、クレジットカードのクレディセゾンなど、いずれも各分野で国内有数の大企業が並ぶ。

出典:新経済連盟 公式ウェブサイト

新経済連盟は、活動テーマとして、2019年は明治維新、戦後に続く、時代を見据えた日本の新しい絵姿である「第三の開国」をテーマに活動することを明言。

仮想通貨業界最大の注目は、フィンテック、キャッシュレス、仮想通貨推進のための政策提言等を掲げる「Fintech推進PT」で、 2018年10月には、会員セミナー「キャッシュレスに関する最先端 ビジネスセミナーin 国会」を開催した。

今回の提言は、政権の中枢に経済界が「日本の将来のため、仮想通貨(ブロックチェーン)を含む、国内フィンテック市場の発展を阻害しないよう」進言した格好となり、2018年以降停滞していた日本市場にとって、極めて大きな動きと言えるだろう。

ビットコインのデリバティブで利益確保する動きが顕在化

ブルームバーグの報道によれば、大量のビットコインを抱える業界関係者は苦肉の策として、デリバティブ(金融派生商品)を利用し始めた。

2017年に1,400%の高騰を見せたBTCは、現在はピーク時の2割程度まで暴落しており、マイニングの「損益分岐点」においても、マイナーへの負担は重くのし掛かる。

仮想通貨投資ファンドPrimitive VenturesのパートナーであるDovey Wan氏は、「BTC価格が最高値を付けた頃、過度にマイニングマシンなどの設備投資を行なっていたマイナーは、下落相場に極めて敏感だ」と指摘している。

また、損益分岐点について、「2018年第4四半期における1BTCにあたるマイニングコストは4060ドル(45万円)だったが、3600ドル(40万円)の水準にある現価格において、多数のマイナーは大手ファンドに安く買い叩かれている可能性が考えられる」と見ている。

米メガバンクCitiグループの元デリバティブトレーダー「Sath Ganesarajah」氏は、現在カナダのバンクーバーでマイニング業務を管理しているが、マイナーに対して、次のようにアドバイスをしている。

プロのデリバティブ投資家には要注意だ。彼らは、マイナーからビットコインをいかに安く買えるかについて考え尽くしているからだ。

今春に向けた思惑

マイニング業者やICOで資金調達を行なった企業は、資金捻出のため、仮想通貨版の「コールオプション」を売っているという。米国では、唯一米CFTCに規制されているオプション取引所LedgerXがあり、米仮想通貨ファンド企業に好まれているとされる。

オプション取引は、CME Group Inc.などが管理する「ビットコイン先物市場」と異なり、カウンターパーティー(取引相手)同士でOTC取引ができ、相手方には、シンガポールのデジタル資産投資会社である「QCP Capital」や、仮想通貨ファンド「Akuna Capital」など、ヘッジファンド出身者などが設立した業者がいる。

QCPは先月、想定元本250ビットコイン(約1億円)について、3カ月物の「カバード・コールオプション(買う権利)」を購入。行使価格は4200ドル(46.6万円)、契約時のビットコイン価格は3625ドル(40.2万円)だったと明かした。

この契約では、満了時、ビットコインの市場価格が4,200ドル(46.6万円)の水準を下回っている場合、相手方のICOプロジェクトは、66,250ドル(約735万円)のプレミアムを徴収し、ビットコインは手元に残る。

ただし、4月の契約満了時にビットコインが4,200ドルを超えた場合、相手方は同価格で「250BTC」の売却を余儀なくされ、差益(権利行使価格との差額)はQCP側が得ることになる。

つまり、「QCP Capital」は、BTC価格が今春までに4200ドルを上回ると強気予想しているということになる。

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