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ウィンクルボス兄弟「現時点でビットコインETFの再申請は行なっていない」その狙いを明かす

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ウィンクルボス兄弟が現在ビットコインETF再申請を行わっていない狙いを明かす
Fortuneが、仮想通貨取引所Geminiを運営するウィンクルボス兄弟にインタビューに行い、SECによって2度却下されたビットコインETFの再申請は、現在行なっていないことが明らかになった。また、その狙いや現在注力すべき点を明確化した。

ウィンクルボス兄弟が現在ビットコインETF再申請を行わっていない狙いを明かす

仮想通貨取引所Geminiを運営するウィンクルボス兄弟が、米ビジネス誌Fortuneの「Balancing the ledger」に出演し、SECによって2度却下されたビットコインETFの再申請は、現在行なっていないと言及、その狙いを示した。

また、継続してビットコインの安全資産面の魅力を強調、「規制環境が整備されれば、ビットコインはゴールド(金)を超えられるだろう」との展望を明らかにしている。

キャメロン・ウィンクルボス氏は「その歴史が3000年も早く幕を開けたという事実のみが、ゴールドがビットコインに勝る唯一の点だ」と強気なコメントをおこない、「適切な規制」の導入を実現の必須事項としている。

有価証券のトークン化、SECの介入を歓迎

ビットコインETFの申請を2度にわたりSECに却下されたウィンクルボス兄弟だが、キャメロン氏は「現在3回目の申請は行っていない」ことを認めた。

これは結局ビットコインETFの実現を諦めたわけではなく、実現に向けて着実に準備を進める傍らで、規制環境の整備を待つ戦略に切り替えたものと見られる。

今回のインタビュー内でも、「規制当局の介入が仮想通貨産業の成長の妨げとなっているか」という質問に対し、「前例のないビットコインETFの承認にSECが慎重になるのは当然であり、そうあるべきだ」とSECを含む規制当局の取り組みに歓迎の意を示し、redditで行われたAMAセッションでも、申請却下の際SECが指摘した課題克服に向け努力を続けて行く意向を明らかにしている。

トークンの有価証券化をめぐる問題は解決までにかなりの時間を要する事が予想されるが、2018年11月にはSECが「正式なICOガイダンス」の発表予定であることが企業金融部長William Hinman氏の発言から判明したほか、コンプライアンス検査局が2019年の監視活動6大優先事項に「仮想通貨を含むデジタル資産」を挙げられるなど、規制当局側も環境整備に力を入れている。

SECによる規制を「仮想通貨市場にとってネガティブな要因」と見なす声も上がっているが、ビットコインのような未知の領域への理解を深め、信頼を勝ち得る上で、「思量深くかつイノベーションの妨げにならない規制」 が必要である点をタイラー氏は主張している。

実際に日本でも、世界に先駆けて資金決済法の導入を行なった事で、より明確化されたルールの中で、取引所ビジネスなどが活発になった経緯もある。現状身動きのとれない企業やスムーズな企業参入を妨げているルールの不明瞭さの払拭は、ウィンクルボス兄弟が語るように、業界における重要な課題であることは間違い無いだろう。

規制を求めるキャンペーンをNYで開始

そんな仮想通貨将来を見た上で最重要課題として挙げた「厳格な規制」に対して、ウィンクルボス兄弟はさらなる地盤固めの意図のもと、2019年1月上旬に広告キャンペーンを開始している。

ウィンクルボス兄弟や彼らが運営する取引所Geminiが拠点を置くニューヨーク州を中心に、バスやタクシー、地下鉄の広告スペースを利用して、「改革にはルールが必要(Revolution Needs Rules)」「混乱なきクリプト(CRYPTO WITHOUT CHAOS)」といったメッセージを大衆に発信、強く仮想通貨規制の重要性を広告を通して主張している。

こちらはバスに掲載、メッセージは「規制されている仮想通貨」、ニューヨークのマンハッタンを丸一週間回っているという。

こちらの広告はNYタイムズの新聞に掲載したもので、革命には明確なルールが必要であるとのメッセージを配信。

マーケティング部門のクリス・ローン氏はキャンペーンについて報じたWSJ紙に、以下のように語った。

「仮想通貨市場に参加する投資家たちは、従来の取引市場と同じ基準や慣例、規則、コンプライアンスのプロトコルを遵守しつつ、従来の取引市場と同じように保護されるべきだ」

ウィンクルボス兄弟が目指す「投資家の保護」は、まさにSECがビットコインETC承認の第一条件としている領域であることから、キャンペーンの真の目的はビットコインETC承認の取得を意識したものと見て間違いないだろう。

しかし規制の導入に対し、一部からは「非中央集権性や匿名性といった仮想通貨本来の概念に反する」との批判もあり、仮想通貨の本来の概念をどの程度考慮した上で、イノベーションを潰さない規制も主張されている。

ステーブルコインGUSDの今後の利用拡大の可能性

もう一点、今回のウィンクルボス兄弟の発言で注目すべきは、ステーブルコインGUSDの将来性だ。

GUSDは、世界で初めてニューヨーク州金融サービス局(NYDF)の認可を受けていることから、市場の信頼感や期待も高い。ステーブルコインで代表的な仮想通貨USDT(テザー)を懸念する投資家が多くいる中で、新たに発表されたステーブルコインの中の有力株だ。

キャメロン氏は「現在の米ドル、1000億USDのうち少なくとも60%が海外で保管されている」と見ており、これらの資産をGUSDを含むステーブルコインに置き換えることで、「管理や運用が容易になる」と提案している。

さらにステーブルコインは「ブロックチェーンのドル」に相当するとし、他のクリプトサービスへの支払いや配当の発行に使用できる」と付け加えた。

実際に、安定・安心して使えるステーブルコインが流動性を確立できた場合、DEXやdAppsなどの利便性の大幅向上だけでなく、仮想通貨決済の普及、有価証券性を持つ仮想通貨への正当な配当発行制度の整備など、クリプト関連ビジネスを大きく後押しすることは間違い無いだろう。

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