- 金融庁が事務ガイドラインを改正
- 金融庁が事務ガイドラインを一部改正。仮想通貨資金調達のICOに関する内容などが大幅に更新され、監督上の着眼点の明確化を図った。
金融庁が事務ガイドラインを改正
日本の金融庁により、「事務ガイドライン(第三分冊:金融会社関係)」の一部改正(案)が発表された。
今回、多数の変更が加えられているが、その改正について金融庁は同庁ウェブサイトで以下のように説明する。
本改正は、仮想通貨交換業者に求められる経営管理態勢や仮想通貨の流出リスクへの対応等これら一連の公表物の内容を、監督上の着眼点として明確化した。
また、「仮想通貨交換業に該当するICOについて、監督上の着眼点を新たに追加した。」とも記述されており、ICOへの対応について大きく内容が更新されている。
その文書には、ICOにおけるトークン販売に関して、詐欺的な事案や事業計画が杜撰な事案が発生したりするなど、利用者保護が十分に図られない事態が生じ得ないとしたうえで、具体的に以下のような着眼点を新たに明確化している。
発行者が自らトークンを販売する場合
① 対象事業の適格性・実現可能性や取り扱うトークンの適切性などを的確に審査し、これを検証しているか。
② 発行者に関する情報、トークン保有者に対して負う債務の有無・内容、トークンの販売価格の算定根拠のほか、対象事業にかかる事業計画書、事業の実現可能性等を、トークンの販売時に顧客に提供しているか。
(注)対象事業に関する情報を提供するにあたっては、顧客に根拠のない期待を抱かせないよう、当該情報の客観性・適切性が求められることに留意する。
発行者に代わってトークンを販売する場合
① 対象事業の適格性・実現可能性や取り扱うトークンの適切性などのほか、発行者の財務状況その他トークンの販売の適否の判断に資する事項の審査に関する適切な規程が整備され、実質的な審査が的確に行われているか。また、これらの審査結果を確実に検証できる体制が整備されているか。
② 審査を行う部署の営業部門からの独立性が、機能・効果の面から適正に確保されるなど、審査を適切に行うための体制整備が図られているか。また、トークンを販売するに当たり、社内の他の部署との利益相反を検証・評価する機能を有しているか。また、それにより、利益相反となる状態を適切に防止するための態勢が整備されているか。
事務ガイドラインの全文はこちら
このように、国内仮想通貨関連事業に関して、今回金融庁は、業者などが公開すべき内容をさらに明確化し、詐欺などによる不当な不利益を顧客に被らせることのないよう、ガイドラインの改善がなされた格好だ。