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米国アルトコインETFの審査状況一覧 ソラナやXRP・ドージなど

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

米国で広がる仮想通貨ETF市場

2024年には、ビットコイン現物ETFの米SEC(証券取引委員会)の承認に続き、イーサリアム現物ETFも米国で認可され、仮想通貨ETF市場は新たなフェーズに入りました。

トランプ政権の発足とともに、2025年にかけてSEC(証券取引委員会)、CFTC(商品先物取引委員会)、OCC(通貨監督庁)など主要金融規制機関に暗号資産(仮想通貨)に精通した人材が次々と就任し、規制環境はさらに変化する可能性があります。

2025年4月にはSEC新委員長に「仮想通貨推進派」として知られるポール・アトキンス氏が就任。アトキンス氏は、上院公聴会で「仮想通貨に対して合理的で一貫性のある規制の枠組みを整備すること」を最優先課題に掲げています。

ブルームバーグETFアナリストのエリック・バルチュナス氏によると、SECには72件以上の仮想通貨関連のETF(主に現物ETF)申請が承認待ちの状態。

XRP、ライトコイン、ソラナ(SOL)、カルダノ(ADA)といった主要L1銘柄だけでなく、ペンギン、メラニア・トランプ関連のミームコインの2倍レバレッジ型などが含まれます。

本記事では、現在審査中の主要な仮想通貨ETF申請状況を整理し、その進捗を概観します。多数の申請が審査プロセスの最終段階に近づいており、今後新たなETF承認の波が来る可能性も高まっています。

主なアルトコインETF申請・一覧表

申請銘柄
15
受理・審査
9
判断延期
4
DTCC登録済み
2
承認
1
フィルター:
原資産 主な発行体 更新日 法定信託 S-1提出 19b-4 SEC受理 判断延長 DTCC 承認 特記事項
VanEck, Bitwise, Canary,
21Shares, FranklinT
6月14日 現物型
Grayscale, Canary Capital 5月13日 *2度目 現物型
21Shares, Bitwise, Grayscale,
Wisdom Tree, FranklinT
6月13日 現物型
Bitwise, Grayscale 6月13日 現物型
VanEck、Grayscale 6月13日 現物型
Canary Capital 3月17日 現物型
Canary Capital 4月24日 ~6月11日 現物型
AXL AXL
Canary Capital 3月5日 現物型
Bitwise 2月25日 現物型
Grayscale 2月26日 現物型
Grayscale 3月7日 ~6月11日 現物型
Fidelity, Grayscale, 21Shares 3月11日 ステーキング 規則変更
VanEck 4月2日 現物型
バスケット
Grayscale 4月2日 現物型
btc eth BTC,ETH
Grayscale, BlackRock 4月3日 現物償還 規則変更
Volatility Shares 3月17日:取引開始 先物型 承認済
出典:SEC公開資料・Coinpost過去記事等から収集。

ブルームバーグ・インテリジェンスのETFアナリストは、ソラナ、XRP、ライトコインの現物ETFについて承認確率を95%、ドージコイン、カルダノ(ADA)、アバランチ、ヘデラ、ポルカドットについては90%と予測しています。

米国ETF申請とオッズ

米国アルトコインETFの申請一覧と承認予測(出典:ブルームバーグ・インテリジェンス

公開された予測表によれば、これらすべての仮想通貨ETFはすでに米証券取引委員会(SEC)に19b-4申請を提出済みであり、最終判断の期限は2025年7月から12月にかけて設定されています。特に、複数資産を対象とした「デジタル資産インデックスバスケットETF」は7月2日、ライトコインETFの判断期限は10月2日とされています。

6月初旬には、SECの要請に応じて複数の資産運用会社がソラナ現物ETFの修正S-1書類を提出。フランクリン・テンプルトン、ギャラクシー・デジタル、バンエックが修正済書類を提出し、フィデリティは新たに初回申請を行いました。

SECはさらに、ソラナETFの申請企業に対してS-1書類の内容更新を求め、現物償還スキームやステーキング機能に関する記述の明確化を要請しました。特に、ステーキング収益の獲得を可能とする機能については、SECが前向きな姿勢を見せたことが注目されています。

バンエックは提出書類の中でステーキング機能を明記し、保有者がトークンを通じてステーキング報酬を得られる設計を提案しています。ロビイストらは現在、イーサリアムとソラナを対象とするステーキング機能付きETFの承認取得に向けて活動を続けています。

また、ブルームバーグのアナリストであるバルチュナス氏は最近、ソラナ現物ETFが今後2〜4カ月以内に承認される可能性が高まっているとの見方を示しました。

米国のETF審査プロセスについて

仮想通貨現物ETFが正式に取引を開始するまでの流れとしては、まずSECによる審査において最大で約240~260日の期間を要する前例がある。

また、ETFがDTCC(Depository Trust & Clearing Corporation)に登録されると、清算・決済のプラットフォーム上で取り扱う資格が得られたことを意味する。ただし、これはあくまで取引を開始するための要件の一つであり、最終的な規制当局の承認が下りるまでは実際の売買は始まらない。

たとえば、2023年10月にDTCCに登録されたブラックロックのビットコインETF(IBTC)は、登録から約2.5ヶ月後にようやく正式承認を受けた事例がある。

急速に進む米国ETF市場

ETF承認の加速は、イノベーションと投資家保護のバランスを重視する新たな規制アプローチの表れです。 米国は柔軟なアプローチを模索しており、グローバルな暗号資産ビジネスの中心地としての地位を目指しています。

特にDTCC登録まで完了している申請に関しては、近日中の承認発表を期待する声も市場から聞かれます。 また、イーサリアムのステーキングETFなど技術的な新要素を含む申請についても、従来より柔軟な審査が進められている模様です。

これらの新しいETF商品が投資家にどのように受け入れられるか、また市場の流動性や価格形成にどのような影響を与えるかについて、業界関係者の注目が集まっています。

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