
仮想通貨市況
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比+2.6%の1BTC=108,733ドルに。

暗号資産(仮想通貨)大手取引所Bitfinexの市況レポートによると、ビットコイン市場は調整局面に入り、米国経済は消費者支出の減速とインフレの持続という矛盾した状況に直面している可能性がある。
ビットコインは、関税を巡るトランプ・ショックの発生した今年4月の安値である1BTC=74,634ドルから約50%反発した後、現在は10万ドルから11万ドルの間で明確なレンジ取引を展開している。
Bitfinex Alphaレポートは、現物取引量の減少とテイカー買い圧力の低下、そして未決済建玉の減少により、市場が積極的な上昇トレンドからレンジ相場への移行を示していると分析している。
注目すべきは、1BTC=98,700ドル付近のビットコイン短期保有者実現価格が主要な構造レベルとして機能していることだ。イラン・イスラエル間の緊張が高まった際の最近の下落時にも、このレベルで買い手がビットコインを積み立て、効果的なサポートとして機能した。
同サポートラインは、現在の強気サイクル全体でサポートおよびレジスタンスゾーンとして重要な役割を果たしている。
最近の下落では、ロングとショートの両方で大量ロスカット(強制清算)が発生し、先物の未決済建玉は24時間以内に7%以上減少した。Bitfinexはこれを過剰なレバレッジを解消し、四半期末に向けて市場のポジショニングをリセットした動きと解釈している。
第3四半期の季節性要因は
過去のアノマリーデータによると、第3四半期はビットコインにとって最も弱い四半期とされ、平均リターンはわずか6%に留まっている。これは低ボラティリティと方向性のある動きの抑制の時期となる可能性が高いことを示唆している。
過去最高値を更新するためには、マクロ経済の好転、強力なETF資金流入の勢い、あるいはグローバル流動性のブレイクアウトといった触媒が必要だとレポートは強調している。
一方でインフレ圧力は依然として強く、5月のPCE物価指数は前月比0.1%上昇、コアPCEは0.2%上昇し、年間のコアインフレ率は2.7%に達した。これらの数字はインフレをFRBの2%目標を上回る水準に維持し、差し迫った利下げの可能性を低くしていると分析した。
業界の進展
暗号資産業界では、伝統金融との融合が着実に進展している。仮想通貨取引所Geminiは欧州連合の顧客向けに、Arbitrumネットワーク上でStrategy(旧MicroStrategy)の株式のデジタル版をローンチした。これらのトークンは規制されたカストディアンが保有する実際の米国株式によって1対1で裏付けられている。
また、中国の大手証券会社GF Securitiesと暗号資産企業HashKeyが香港で提携し、米ドル、香港ドル、オフショア人民元建てのトークン化された証券「GF Token」を導入した。これは香港が実物資産のトークン化を推進し、より広範なオンチェーン協力を提供しようとしている動きの一環として注目されている。
Bitfinex Alphaレポートは、ビットコイン市場が四半期末を迎え、過去の季節性からQ3は比較的穏やかな推移が予想される一方、米国のマクロ経済が消費者支出の減速と粘着性の高いインフレという矛盾した状況にあり、FRBの金融政策決定に不確実性をもたらしていると総括した。
ソラナ・ステーキングETFの動向
2日、ソラナ(SOL)のステーキング報酬に連動する米国初のETF「REX-Osprey Solana + Staking ETF」が取引を開始し、初日取引高3,300万ドルを記録した。
ブルームバーグのシニアETFアナリスト、エリック・バルチュナス氏は、初日の運用資産100万ドルで取引を終え、2日目には1,000万ドルに達する可能性があると予測している。
同ETFは、現物ETFの機能に加え、ソラナのブロックチェーン上で資産をステーキングして報酬を得る仕組みを組み込んだETFだ。少なくとも50%の資産をステーキングに充て、残りを現物保有や他のソラナ関連ETFに投資するものとされる。
REX-Osprey Solana + Staking ETFは、ソラナの市場価格に連動しつつ、ステーキングによる利回りを提供する初の米国上場ETFとして注目を集めている。初日取引高はソラナやXRPの先物ETFを上回った。
このETFは、少なくとも50%の資産をステーキングに充て、40%を他のソラナ関連ETFやETPに投資する構造を採用。機関投資家の参入障壁を下げ、ソラナ市場の流動性向上や価格安定に寄与する可能性がある。
SECはVanEck、Grayscale、21Sharesなどのソラナ現物ETF申請を審査中で、最終期限は2025年10月に見込まれる。
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