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iPhone向け暗号化カメラアプリ「ZCAM」で写真の真実性を証明、Succinct Labsが生成AIによる詐欺へ対抗

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • 撮影時に暗号署名を付与し非改ざん性を証明
  • AI検知の限界を受け「本物の証明」へと戦略転換

AI生成物による偽造・詐欺に対抗

暗号技術スタートアップのSuccinct Labsは23日、撮影した写真や動画が改ざんされていない本物であることを数学的に証明するiPhone向けアプリ「ZCAM」を公開した。同アプリはキャプチャの瞬間に暗号署名を付与し、コンテンツとデバイスを直接結びつけることで、非改ざん性の記録を生成する。

AI生成コンテンツが現実と区別困難になる中、従来のAI検知ツールは簡易的な編集によって検知率が最大96%低下するなど限界が露呈している。ZCAMは「偽物を検知する」アプローチから、数学的に「本物であることを証明する」手法へと戦略を転換した。

技術的にはiPhoneに搭載された耐タンパ性チップ「Secure Enclave」を活用し、ハードウェア外に漏洩することのない秘密鍵でピクセルのハッシュ値を署名する。署名データは、アドビやマイクロソフトが主導するオープン標準「C2PA」のマニフェストとしてメディアファイルに埋め込まれる。

デジタル資産保護の技術をインターネットの信頼構築へ応用

Succinct Labsは、40億ドル以上のデジタル資産を保護するゼロ知識仮想マシン「SP1」の開発で知られ、2024年にはパラダイム(Paradigm)主導で5,500万ドルの資金調達を実施した。同社は、デジタル資産の安全を支える暗号プリミティブを、インターネット上のコンテンツの信頼性担保に応用している。

デロイトの調査によれば、生成AIによる詐欺被害は2027年までに米国だけで400億ドルに達すると予測されている。ZCAMは、デジタルメディアの出所証明を必要とする企業やジャーナリスト、法的証拠を扱う専門家などへの普及を見込んでいる。

新たなカテゴリーである暗号化メディア媒体が一般ユーザーにまで普及し、利用を定着させられるかが今後の大きな課題となる。今回の公開は、発信源や修正履歴がネイティブに埋め込まれた、信頼性の高いインターネット環境の構築に向けた重要な一歩となる。

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