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米上院が議員による予測市場での取引を禁止、即日発効

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • 上院が全会一致でS.Res.708を可決、即日発効
  • カルシ創設者が歓迎、下院への拡大を呼びかけ

上院議員の予測市場取引を禁止

米上院は5月1日、上院議員およびその事務所スタッフによる予測市場での取引を禁止する決議案「S.Res.708」を全会一致で可決し、即日発効させた。上院プレスギャラリーが発表した。

同決議はバーニー・モレノ議員が先週提出したもので、上院の行動規範を定める常任規則を改正する内容だ。

決議案の背景には、予測市場を利用した疑惑のインサイダー取引が相次いで発覚したことがある。1月にはポリマーケットでベネズエラのマドゥロ大統領の失脚に賭けたアカウントが40万ドルを獲得したり、イラン停戦発表直前には3つのアカウントが合計60万ドル超の利益を得たことが問題となった。

また、先週には現役の米陸軍兵士が機密情報を用いて賭けを行ったとして逮捕されており、無罪を主張している。

予測市場の急成長に伴い、政府内部の機密情報が取引に悪用されるリスクへの警戒感が高まっていた。

ホワイトハウスは3月24日付で全スタッフに予測市場を含む金融市場での機密情報利用を禁じる内部通達を発出しており、ニューヨーク州とイリノイ州も州職員に同様の行政命令を発令している。カルシとポリマーケットもそれぞれ自主的なインサイダー取引禁止ルールを強化しており、今回の上院決議案はこうした流れを法的枠組みに落とし込んだものだ。

関連記事:予測市場ポリマーケット、日本を利用制限対象に 金融庁は慎重姿勢

予測市場ポリマーケットが日本をアクセス制限国に追加した。国会では国民民主党議員が活用を提言する一方、金融庁は賭博性などを理由に慎重な姿勢を示している。

カルシが歓迎声明、下院への拡大が次の焦点に

今回のルールは上院議員のみを対象としており、約4.3億ドルの年間取引量を誇るカルシの売上のうちスポーツ関連契約が約90%を占めることを踏まえると、政治市場への直接影響は限定的とみられる。しかし、公職者による利益相反への規制という先例を作った点で、予測市場全体の制度的信頼性が高められる。

カルシ創設者のタレク・マンスール氏は「上院議員と事務所スタッフの予測市場取引を禁止するこのルールを歓迎する。カルシはすでに議員をブロックしインサイダー取引を取り締まってきた。業界標準となることで市場への信頼が高まる」と声明を発表し、「次は下院でも通過させよう」と呼びかけた。

今後の注視点は2点だ。下院でも同様の禁止規則が採択されるかどうかという立法の広がりと、民主党のクリス・マーフィー議員が提出した「BETS OFF法案」(政府の意思決定・テロ・戦争関連の予測市場取引の全面禁止を求める法案)がどこまで審議されるかという規制強化の範囲だ。

予測市場の機関投資家化が進む中で、インサイダー取引規制の枠組みがどう整備されるかが市場の信頼性を左右する。

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