はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

マウントゴックス事件後も仮想通貨投資を続ける日本在住カナダ人、選択は投資通貨の変更

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

「マウントゴックス事件」後も仮想通貨への投資を続ける日本在住カナダ人
2014年の「マウントゴックス事件」の後も、仮想通貨の投資を続ける日本在住のカナダ人がいる。たまたま事件の直撃は避けたが、投資を止めようとは思わなかったという。彼が選んだのは投資通貨の変更だった。

「事件」は仮想通貨への関心をなくすものではなかった

日本で仮想通貨が大きくニュース番組で取り上げられたのは、2014年2月のマウントゴックス事件が最初だったかもしれない。

ビットコインの取引所として急成長したマウントゴックスは、「合計85万BTC(当時のレートで約480億円)と現金約28億円が消失した」と発表し、その後経営破綻した。

それをきっかけに仮想通貨から離れた投資家もいるが、変わらず関心を持ち、今でも投資を続けているという日本在住のフランス系カナダ人がいる。

グローバルなメディアのサイト構築や運用を日本の責任者として行なっているミシェル・ハメル氏(仮名)は、来日してから10年以上が過ぎ、今では日本人の女性と結婚し、子供が一人。すっかり日本語も上達した。

そんなハメル氏が、コインポストの取材に答えてくれた。

「仮想通貨に興味を持ち始めたのは2010年くらいからで、実際に投資を始めたのは12年。当時はビットコインに投資していた。マウントゴックスの事件後に数年間取引を止めていたが、16年からイーサリアムとリップルの投資を再び始めた」

実はハメル氏は、マウントゴックス事件が起こる直前に、偶然、取引を清算していたという。

「ニュースで事件が大きく報じられた時、職場の中でも大きな話題になったが、仮想通貨の取引経験があるのが自分一人だと知って少し驚いたことを覚えている」

そして、同僚からかけられた言葉も「危ない橋を渡っていたんだね」、「ラッキーだったね」といったものが多く、どこか的外れで、違和感を覚えたのだとハメル氏は語る。

「事件」の時に取引をやめていたことは、確かにとても幸運だったけど、実はあの事件は私にとって、仮想通貨への関心をなくすものではなかった。むしろ、私はそれ以来、ウォレットをよりよく守るための方法を見つけることにフォーカスすることにした。

選んだのは投資通貨の変更

ハメル氏は仮想通貨への投資は止めなかったが、ビットコインに対する見方を変えることになったという。

「調べてみると、いくつかのアルトコインが、仮想通貨の現実的な問題の解決について真剣に取り組んでいることがわかり、そこに関心を持つようになった」

ハメル氏はその理由を語る。

「一部のアルトコインは、あきらかなユースケースを持っていることがわかった。例えばリップルは国際送金サービスを作った。そうした事例を調べているうちに、ビットコインが時代遅れで、その可能性は限られたものかもしれないと思うようになった」

ハメル氏は、今でも引き続き投資は行なっているが、どちらかといえばバイ&ホールドでそれほど頻繁に売買をすることはないという。

「投資対象の通貨とそのプロジェクトが信頼できているのなら、それに対して関心を持つのは当然だ。一方で、日々の価格の変動は予測不能なので、日常的に取引することにはそんなに関心はない。私はただ、いくつかの仮想通貨のプロジェクトが問題を解決しようとしていることに関心があるのかもしれない」

ハメル氏が「事件」の前に取引をしていたのはビットコインだったが、「個人的にはビットコインはあまり好きではなくなって、好みの通貨は今、投資しているリップルやイーサリアムだ」

ハメル氏は続ける。

「ビットコインはいくつかの点で上手くいっていないと考えている。ひとつの大きな欠陥は送金スピードだ。リップルでの送金は10秒以内でできるのに、ビットコインを使った送金はとても遅くて10分以上かかる。もうひとつ納得できない問題は、マイニングのコンセプトだ。ビットコインのマイニングは貴重なエネルギー資源を浪費している」

マイニングにプルーフ・オブ・ワーク(PoW)の手法を採用しているビットコインは、一部で「電力消費量が多い」という点で問題だという指摘があるが、ハメル氏もそれを問題視しているのだ。

「個人的な意見だが、ビットコインは日常的に利用する通貨とはならないと思う。しかしそれでも投資向き商品として所有したいという人々による取引は続いていくだろう」

ハメル氏に、仮想通貨そのものが主要な通貨となると思うか? と聞いてみた。

「将来的には仮想通貨が主要な通貨になることは、起こりそうなことだ。しかし仮想通貨プロジェクトは政府機関と規制当局とともに行動する必要があり、規制に対応し、きちんとした管理を実行することが求められると思う」

もともと新しいものへのチャレンジは大好きだったというハメル氏。いろいろなものに関心を持ったからこそ、日本にやってきた。

仮想通貨のプロジェクトがこれからも進展していくことを期待している。

CoinPostの関連記事

中国大手マイニングプール創業者が語る「仮想通貨採掘事業の最新動向」|新たなビットコイン収益分岐率が公開
CoinPostは、longhash.comと共同で、中国に拠点を置く大手マイニングプールF2プールの創設者Mao Shixing氏にインタビューを行なった。Shixing氏は、現在のマイニング業者の動向や、ハッシュレートの分散化、また下落時に注目されるマイニングの収益分岐率など、最新状況を多く語った。
米財務長官と個別会談したリップル社CEOが異例の長文ツイート
リップル社CEOのBrad Garlinghouse氏は自身のツイッターにて、米財務長官と個別の会談を行なったことを明かし、仮想通貨規制に関して一定の理解を示しながらも健全かつ合理的な議論と規制を願う。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/01 土曜日
13:50
ステーブルコイン覇権争い激化 テザーが過去最高益、USDCは機関投資家採用加速
ステーブルコイン最大手テザーが2025年第3四半期報告書を公表し年初来利益が100億ドルを超えたことを明らかにした。米国債保有額は1350億ドルに達し国別ランキング17位相当。
13:20
仮想通貨市場の現状、センチメント冷え込み=CryptoQuant分析
CryptoQuantがビットコインとイーサリアムの週間市場レポートで投資家の慎重姿勢を指摘した。現物ETFや先物ベーシスなどの指標から市場のセンチメントが冷え込んでいると述べる。
10:20
イオレがSBI VCトレードと提携、ビットコイントレジャリー事業強化へ
イオレがSBI VCトレードと提携し、法人向けサービスを活用したビットコイン取引・保管・運用を開始した。Neo Crypto Bank構想の実現に向けSBIグループとの初の具体的連携となる。
09:50
チェンジHD、JPYCで地方創生へ ふるさと納税・インバウンド決済に円ステーブルコイン導入検討
チェンジホールディングスが日本円ステーブルコインJPYCを活用した地方創生に着手する。「ふるさとチョイス」での決済導入検討やインバウンド事業での実証実験を計画している。
09:20
欧州中央銀行がデジタルユーロ開発加速、2029年導入目指す
欧州中央銀行が中央銀行デジタル通貨(CBDC)デジタルユーロの開発を次段階に進めることを決定した。2027年にパイロット実験を開始し、2029年の正式導入を目指す。
07:40
ビットコイン、サトシ・ナカモト執筆のホワイトペーパー公開から17周年に
仮想通貨ビットコインは10月31日、ホワイトペーパー公開から17周年を迎えた。SNSでは祝福の声が投稿されており、コインベースのCEOは、1つのPDFが世界を変えたとコメントしている。
07:30
米連邦控訴裁、仮想通貨銀行カストディアのマスターアカウント請求認めず
米連邦控訴裁判所が仮想通貨銀行カストディアに対するFRBのマスターアカウント拒否を支持した。裁判所はFRBがアクセスを認めるかどうかの裁量を持つと判断し、地方裁判所の判決を支持した。
06:45
コインベースが民主党議員の政治献金批判に反論 、「中立的活動」と主張
仮想通貨取引所コインベースが民主党マーフィー上院議員からの政治献金批判に公開反論した。同社幹部は仮想通貨業界PAC活動が非党派的で企業献金は歴代政権で標準的慣行だったと説明。
06:10
ストラテジーのセイラー会長、ビットコイン企業買収に消極姿勢
ストラテジーのセイラー会長が他のBTCトレジャリー企業の買収に関心がないことを明らかにした。不確実性が多く時間がかかることを理由に挙げ、デジタルクレジット販売とビットコイン購入に注力する方針だ。
05:45
カナン、日本の電力会社と契約 ビットコインマイニングで送電網安定化図る
BTC採掘機器メーカーカナンが日本の大手地域電力会社とマイニングサーバー販売契約を締結した。水冷式アバロンサーバーで送電網バランシングとエネルギー効率最適化を実現し、2025年末に稼働開始する予定だ。
10/31 金曜日
18:45
American Bitcoin CEOが語る、環境配慮型マイニングの未来|独占インタビュー
American BitcoinのMichael Ho CEO独占インタビュー。ビットコインマイニングの60%以上が再生可能エネルギー由来という実態や、トランプファミリーとのビジネス関係、日本市場への期待について詳しく聞く。
18:41
万博ウォレットがリニューアル、JPYC対応開始&総額1億円配布へ
EXPO2025デジタルウォレットが「HashPort Wallet」としてリニューアル。JPYC対応を開始し、総額1億円プレゼントキャンペーンを開催。Ethereum・Polygon対応も。
18:33
SBIホールディングスが上半期で過去最高益 暗号資産事業は堅調・Web3戦略を本格化
暗号資産事業も堅調 SBIホールディングス株式会社(東証プライム:8473)が31日に発表した2026年3月期第2四半期(2025年4〜9月)連結決算は、純利益が前年同期比3….
16:59
ゲーム会社gumi、子会社で予測市場サービスの事業化を検討
gumiが子会社gC Labsで予測市場サービスの事業化検討を開始。AIとブロックチェーンを活用し、政治・経済・エンタメなど幅広いテーマで集合知を生成。海外で急成長するPolymarketを参考に、日本での新市場創出を目指す。
16:53
金融庁、ビットコインなど暗号資産ETF関連デリバティブの国内提供を「望ましくない」と牽制
金融庁は31日、海外で組成された暗号資産(仮想通貨)ETFを原資産とするデリバティブ商品の取扱いについて「望ましくない」との見解を表明した。IG証券が開始したブラックロックのビットコイン・イーサリアムETFのCFD取引が背景とみられる。国内では暗号資産ETFの制度整備が進行中で、税制面の不透明さも課題となっている。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧