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「本日19時前後」ライトコイン半減期直後に何が起こる? 価格への影響と注目ポイント

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今夜半減期を迎えるライトコインの注目ポイントを解説
ライトコインは今夜7時前後に半減期を迎える。実行ブロック到達後のマイナー、投資家双方の注目ポイントを解説。来たるビットコインの半減期を前の重要指標に。

今夜迎えるライトコインの半減期。注目ポイントは

日本時間5日7時付近で、ライトコインが半減期を迎える。半減期は4年ぶり、マイニング報酬が25LTCから12.5LTCに減額される。

半減期という言葉は、仮想通貨を勉強したことのある人であれば一度は耳にしたことがあるだろう。

今回のライトコインの半減期は、これまでの一連の価格上昇を含めて様々な注目点がある。それが故に、Googleの検索でも「半減期」というワードの検索数が6月に過去1年での最高検索数を記録した

半減期とは

仮想通貨の「マイニング(採掘)」という仕組みを維持するために、マイナーがブロックを生成する度にマイナーに支払われるマイニング報酬が、半分になるイベントのこと。ビットコインではこのイベントは約4年に1度発生し、誕生当時の2009年は50BTCの報酬が支払われていたが、現在は2回の半減期を経て、当初の4分の1にあたる12.5BTCが支払われている。

CoinPostでは、ライトコインを含めた半減期に関する考察を行なった。半減期そのものに関する解説はそちらをご覧いただきたい。本記事は、今回のライトコインの半減期に関する情報と注目ポイントを簡単に解説する。

半減期のタイミングは、具体的な日時を設定しているのではなく、ブロック数を規定している。ライトコインであれば840,000ブロックごとに半減期が起きるようにあらかじめプログラムされている。その規定ブロック数をブロック生成基準速度で概算したものが、実行予定時刻にあたる。

今回の半減期ではマイニング報酬が25LTCから12.5LTCへ半減、ライトコイン採掘者(マイナー)の報酬額として得ることができるブロック報酬が減少する。(手数料は別)

簡単に説明すれば、ライトコインは1ブロックの生成が2.5分周期で行われるため、2.5分に1回マイニング報酬がこれまでの25LTCから12.5LTC減少。平均データからの概算では日間では約7,200LTC(7200万円相当)、年間では約2,628,000LTC(262.8億円相当)新規発行通貨量が減少する。

ライトコインの最大発行量は8400万コインで、現在は発行済みとされる割合は約75%にあたる。約4年に一度実行される半減期を経て、供給量が減少しつつ最大発行量に到達する。

半減期:マイナーと投資家視点は?

このような半減期のシステムを踏まえ、マイナー視点と投資家視点での影響で大きく二つの視点が存在する。

マイナー視点

マイニング報酬が半分になることでの影響では、マイナーのメイン収入源となるブロック報酬が減少することで、マイナーの収益性への影響が起こり得る。マイナーの停止が行われることで、ハッシュレートの低下やブロック生成の遅延などの影響が危惧される格好だ。

これには、半減期当日からの短期目線と中長期目線で異なる注目ポイントが存在する。

短期目線では、一定のハッシュレート(他者との競争環境)がある中で、報酬額が減少することで、単純にマイニングの収益性が低下する。マイナーによって、マイニングを行うための環境が異なるため、算出コストも異なるが、ギリギリの収益性で行うマイナーは半減期後にマイナス収益に転じる可能性がある。

これに伴い、一定のマイナーが機器の停止→ハッシュレートの低下が起こる可能性が考えられる。

しかし、これらのハッシュレートが低下した状況を踏まえ、数日後には下がった値を基準として難易度の調整が行われるため、収益性が徐々に回復し、マイナー間のハッシュレート値が定まっていくことが想定される。

しかし、今回の半減期で、ライトコインのマイナーに与える影響は甚大なものになる可能性があると、CoinPostの姉妹紙「NODEE」でコラムの掲載を開始した「Fintertech」は考察する。

Fintertechがそう考察する理由には、前回の半減期とは異なり、業界で競争率が劇的に上がったことでのマイニング利益率の低下だ。

前回のタイミングでは、1ハッシュあたりの年間マイニング報酬は24.3ドルあったのに対し、現在では0.9ドルと大きく低下。半減期を伴うことで、収益性を維持できないマイナーが半減期から直近の間で多く出る(ハッシュレートの低下)可能性を指摘した。

注目ポイントは、半減期後の難易度調整ポイントまでの一定期間が第一段階目のポイントとなるが、それまでにハッシュと収益性のポイントを探るマイナーの競争がどのようになるか、大きな注目ポイントとなり得る。

Fintertechのコラムでは、そのようなマイナー競争に関して、マイナーの取りうる行動をゲーム論などをもとに考察している。

関連ライトコインの半減期がマイニング業者に与える影響を考えてみた|Fintertechコラム

なお、ライトコインの創設者チャーリー・リー氏も、このマイナー視点に関して、マイナーが一時的に利益が出せなくなりマシンを停止する可能性を指摘。割合が大きければ一定時間生成が遅延する可能性があることに言及している。

難易度調整タイミングまでの3日半かかるため、7日間はブロック生成が遅くなり、その後、再調整され万事問題ない状態となるとみている。

なお、中長期では、収益性の回復で二つのポイントが重要となる。一つがハッシュレートとディフィカルティが最適値に落ち着く点、もう一つ目が通貨価格の上昇だ。

1の場合、ハッシュレート値は仮に大きく下落した場合もマイナーによる再稼働競争やその値を基準としたデフィカルティが設定されるため、ずっとマイナーが厳しい状況やこれを機にハッシュレートが下がり続けることはないと言える。

投資家の注目ポイント

一方で、通常の半減期では、この半減期ポイントをファンダメンタルズ要因に価格が上昇していく傾向にあり、他の材料に影響された価格上昇がメインポイントとなる。しかし、中長期目線では市場における新規発行量が年間で、262.8億円減少するため、通貨需要の影響を受けやすく価格反映が行われる可能性はある。

過去2015年の半減期時のチャートはこちら。

出典:CoinMarketCap

これを見ると半減期の約2ヶ月半前から価格が上昇、約2週間前に反落ポイントを迎えている。このような値動きは他の通貨の半減期にも類似した動きが見られている。

今回も同様だ。尤も、反落のタイミングはこれまでのケースに比べて早かったものの、他の通貨に比べて大きく値が動いた。下図が今回のチャートである。

折れ線グラフでBTC建の値動きを追加したが、トップまで大きく値上がりした後に反落しているのが見て取れる。

ライトコインの創設者チャーリー・リー氏は、これら半減期を材料視した動きは、すでに市場に織り込み済みであるとしており、以下のように発言している。

価格に関しては、誰もが初めからそれ(半減期)について知っているので、半減期はすでに織り込み済みなはずだ。しかし、人々は価格が上昇することを期待しているので、多くの人が買う。なぜなら、彼らは、価格が上がることを期待しているからで、それはある種自己完結的な予言だ。したがって、彼らが買っているという理由で実際に価格も上昇する。

今回特にライトコインの半減期と半減期後の市場の動きに注目が集まるのには、1年後に予定されているビットコインの半減期があることも理由の一つにある。特に2017年からマイニング業界を含め市場参加者が大きく異なっている中で、ビットコインの半減期への影響も予想しづらい状況がある。今回のライトコインの半減期はそれに備えた「テスト」と位置付ける人も少なからずいるだろう。

価格、ハッシュレート(マイニングに必要なマシンの採掘速度)、ブロック生成スピード様々な視点から今回の半減期は注目したい。

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