はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

日本の変革を仮想通貨の可能性に見る TaoTaoインタビュー

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

TaoTaoのビジョンと暗号資産市場の未来

CoinPost編集部は、TaoTao株式会社の代表取締役 荒川 佳一朗氏と取締役 丸山 顕義氏にインタビュー取材の機会を頂いた。

TaoTao株式会社は、関東財務局長第00011号の仮想通貨交換業ライセンスのもと、2019年5月に暗号資産取引所「TAOTAO」のサービスを開始して間もない企業となるが、荒川氏を中心としたユーザー本位の運営体制で、ユーザーから高い支持を得ている。

日本仮想通貨ビジネス協会(JCBA)のデリバティブ部会でも、同社は社外取締役の小坂氏が部会長に就任、取締役の丸山氏と共に部会を主導。新たな市場である暗号資産市場の健全な成長を促進すべく日々活動を行なっている。

今回のインタビューでも、投資家の方々が暗号資産をどの様に扱うか、業者をどの様に選ぶかという点で、情報の配信と取得が重要と訴えかけた。

CoinPostのインタビューでは、TaoTaoの事業方針と市場発展のビジョンを代表取締役 荒川氏を中心に伺う「TaoTaoのビジョンと暗号資産市場の未来」と、デリバティブ規制で暗号資産市場がどのように変化するかを取締役 丸山氏を中心に伺う「金商法で変わる暗号資産市場」の2編構成で記事をお届けする。

本稿では、TaoTaoのビジョンと日本市場の未来について、代表取締役 荒川氏に伺った内容を掲載する。

CoinPost撮影

TaoTaoとしてのビジョン

暗号資産取引所TAOTAOとしてのビジョンについて荒川氏は、現時点で板取引の提供は行なっていないものの、取引のスタンダードはそこにあると考えているとコメントするなど、板取引の導入に前向きな見解を示した。

一方、暗号資産決済の領域は現時点で難しいと考えているとした荒川氏、利用ユーザーのことを考えると、TaoTaoとして決済市場を取りに行くのではなく、暗号資産をオルタナティブな資産として取り扱ってゆく方がいいと考えているとして、以下の様に語った。

「まずは先物を導入して、デリバティブが入ってくることで、大口のお客様が参入する。その結果、流動性が上がり、価格が安定、決済の使用用途としての可能性も見えてくる」

CoinPost撮影

ICO・STOに可能性を見出す

その様に語る荒川氏が現在注目するのが暗号資産の資金調達手段であるICOやSTOだという。

ICOやSTOに可能性を感じている理由には、お金を集める機会の小口化だ。

これまで東証がIPOを通じて何十億、何百億の単位で数十件、新しいプレイヤーを世に生み出してきたが、今後お金を集める機会は小口化することで、ICOやSTOがその一般化に貢献する手段となると考えているという。その上で、以下の様に語った。

「その様な場(小口の資金調達)を取引所としてしっかりと作ることで、詐欺紛いの案件が多い状態から脱し、10年、20年後に日本の暗号通貨市場が良くなって行くことに貢献できたら嬉しい」

暗号資産を新しく作れるものと捉え、そこにベットしているのだという。

STOに関する荒川氏のコメントに対して、丸山氏も以下の様に続けた。

STOにおける最初の発行はプライマリーであるため、応募する投資家の見立ては投資家側の事情や、プロジェクトの動向によっては判断も変わる可能性がある。よって、換金の場としての安定したセカンダリーマーケットを用意する必要がある。

セカンダリーの方法には多数の選択肢があると考えるが、TaoTaoも暗号資産取引所として、しっかりとしたセカンダリーを用意した上で、STOやICOを進めていかないと最初に購入した人が買い切りになる状況(2次マーケットで取引できない状況)に陥ってしまう。これは車の車輪の役割と同様で、(TaoTaoとしても)きちんと作っていきたいと考えている。

その上で、セカンダリーのマーケットは、取引所が直接的に介入しない板取引の提供で行う方がいいと語った。

CoinPost撮影

STOのセカンダリーマーケットでは、取引所が相対することもできないことはないが、前述した様に投資家ごとの見立てや判断が変わることが想定さるほか、入れたお金の元本を保証するものではないことから、投資家自身によるマッチングが適していると考えている。

仮に取引所側でこれを受けてしまった場合、プロジェクトに対するスポンサリングをしている形になることから、透明性を欠く要因になりかねないと指摘。中立の立場でプロジェクトを取り上げ、紹介する以上、セカンダリーマーケットは板でないといけないと考えていると説明した。

STOやICOで改めて変革する暗号通貨市場

STOやICOで小口化された資金調達を行うプロジェクトが続くことで、市場に変化が生まれてくると荒川氏は語る。

例にあがったのは、ベビーユニコーンの誕生だ。これらの企業が暗号資産市場に多く誕生することで、金融の恩恵を受けられる循環が少しずつ見えてくるという。

ベビーユニコーンが仮に1000社できることで、市場にバスケット型のETFが誕生する。ETFができたら、ヘッジ手段としてETFの先物が誕生する。色々な金融手法を暗号資産にうまく応用できる部分があることから、応用次第でこれまで大きくないとできなかった領域も可能なものとなり、金融の恩恵を受けることに繋がる循環が見える、と語った。

荒川氏は、ベビーユニコーン1000社となると、暗号資産市場に高い透明度の場がないと夢物語に終わってしまうと指摘。TaoTaoとして、これらをサポートし、準備を今から行なっていきたいと意気込みを語った。

場の運営としては、様々な金融スキームを駆使することで、世界に打って出れるような仕組みを作っていくというビジョンを持っているとした。

暗号資産が根付く日本の未来

日本がいい未来を作って行く観点で語った荒川氏は、自律分散型の地域で、循環型の経済を作って行くという今とは違う方向性で可能性を持たないといけないと指摘。このタイミングで、STOが一つのコンテンツになり得ると考えているという。

また、STOの領域では、ブロックチェーンを利用した現資産のトークン化も具体的な可能性を見出しているようだ。

荒川氏は、リブラやテザーのように、通貨を裏付け資産としてペッグするものではなく、別の現資産やサービスにペッグするトークンのあり方には試行していきたいと語る。

この仕組みこそが、地方再生の鍵にもなり得ると指摘。以下の様に続けた。

いま、老朽化した地方のインフラを再生しようというプロジェクトがあったとする。通常は地方の助成金を申請したり、銀行等からの借入金を用いるが、将来は直接トークン化するといった金融的手法で、お客様になる見込みのある方々から支援を得る方法を取ることができる。自然や観光資源といった資産を有した地方は少なくない。

例えば地方の空港をそういった資金で整備し、仮に外国からの観光客を呼び込むことができるようになれば、その地域に来てくれる人が増える。

その地域のなかでトークンというお金が流通・循環するため、経済の活性化が見込まれる。地域が魅力的になっていくのと同時に、結果的にトークンの価値も上がっていく。

STOであれば、仮にその地域に行く機会がなくなったとしても、場としてのセカンダリーマーケットが存在することになり、適切な評価付けが行われれば、転売も容易になるだろう。

日本の市場が盛り上がるためには?

規制の面で世界を先導する日本の暗号資産市場ではあるが、規制の厳しさも世界屈指であることは間違いない。CoinPost編集部は、この厳しい規制だからこそ日本が輝くポイントはあるか、荒川氏に伺った。

「日本の暗号資産交換事業者の規制は世界一厳しいと思う」こう答えた荒川氏だが、一番透明性が高く、不正に対して健剛な業者が日本に集まっているため、ポジティブなことでもあると指摘する。

「機関投資家はもちろんのこと、一般投資家でも規制が厳格であることをプラスに見てくれる方々はいる。これをどの様に世界にアピールするか、業界全体が世界へ発信し、顧客の方々に日本市場をプラスに捉えてもらうためのアクションが必要である」

その中でも鍵となると指摘するのは、日本における暗号資産の税制だ。

「時間がかかることは理解しているが、金商法が適応されるため、規制のみならず税制も金商法に合わせて欲しい。税制が改善されることが前提となる」と荒川氏は語った。

日本ユーザーへメッセージ

最後に、荒川氏へ日本の取引ユーザーの金融リテラシーの考え方とメッセージを伺った。

リテラシーについて

利用者が、広告を見て取引所や通貨を選ぶことは無理があると考えている。まず根幹にあるものは、なぜ暗号資産に対して信頼して投資をするのか、といった基礎的な部分だ。これは巷で流通している情報だけでは達成し得ないことだと考えている。

販売所としてTaoTaoを運営する中でこそ知り得た情報もある。そういったものこそが、本来興味を持っていただく情報だと考えている。

本来、公開し辛い情報を開示しているのは、我々がまだ始めたばかりのスタートアップであるため、情報の公開も痛いところがないため、今のうちに多くのことにトライして見たいと考えている。ぜひ、これらの情報は活用して欲しい。

実際に、我々が大きな企業となって、情報公開に関してシビアになったときの肌感を掴むことにも繋がっていると考えている。

CoinPost撮影

日本ユーザーへメッセージ

マーケティングに関して話すと、結果として選ばれる取引所になりたいと考えている。

お客様に対して、しっかりと情報を提供し、それを利用してお客様が賢くなり、リテラシーを身につけることに繋がる。

その結果、良い事を行なっているからTaoTaoを選ぼうという循環を作っていきたいと思っている。

今の時代、知りたい情報はインターネットから得ることができるため、お客様にはその様な知識をつけていただきたいし、知りたいことがあれば、我々にもどんどん聞いて欲しい。

我々も可能な範囲で情報を提供したいと考えており、まずは興味を持ってもらって、調べる動機に繋がっていただければ。

暗号資産の値動きは激しいことは間違いないので、自身の投資経験と照らしながら、自身で知った中で取引を行なってください。

資産を失って取引から退出されることになると寂しいので、末長くお付き合いしていただくためにも、少しずつやっていってください。

TaoTao株式会社の代表取締役 荒川氏は、日々ツイッターを中心に建玉の公開や、ユーザーの質問箱に回答するなど、精力的な情報公開を行なっている。ユーザーの方々もぜひ、一度コメントしてはいかがだろうか?

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/20 土曜日
13:22
イオレがビットコイン追加取得、累計保有量101BTC超に
日本上場企業イオレが約1億6640万円分のビットコインを追加取得。ネオクリプトバンク構想の初期トレジャリー運用の一環として実施され、2026年3月期中に120億円から160億円規模の取得を目指している。
11:55
ブラックロックのビットコイン現物ETF、年初来リターンはマイナスも流入額6位入り
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」が年初来のETF流入で6位にランクインした。一方でリターンはマイナスとなっており背景にある投資家心理が注目される。
10:50
メタプラネット、米国預託証券プログラム設立
ビットコイン保有企業メタプラネットがドイツ銀行を預託銀行とする米国預託証券プログラムを設立し、19日より米国店頭市場で取引を開始する。米国投資家の利便性向上と流動性拡大を目指す。
10:33
ビットコイン提唱者ルミス米上院議員が再選不出馬、仮想通貨法案成立に注力へ
仮想通貨推進派として知られるシンシア・ルミス上院議員が2026年の再選不出馬を表明した。任期終了までに包括的な仮想通貨規制法案や税制改革の成立を目指す方針を示している。
10:05
「ビットコイン価格は2035年に2億円に到達」CF Benchmarksが強気予想
CF Benchmarksが2035年の仮想通貨ビットコインの価格を基本シナリオで142万ドルと予想した。ゴールド市場のシェアを獲得することなどを前提とし弱気・強気シナリオも算出している。
09:10
イーサリアム、Glamsterdamの次のアップグレード名は「Hegota」
仮想通貨イーサリアムでGlamsterdamの次に実施されるアップグレードの名称がHegotaに決定。2025年と同様、イーサリアムは2026年に2回アップグレードを行う可能性がある。
08:15
ビットコイン、弱気相場入りか クリプトクアントが需要減速を指摘
クリプトクアントが仮想通貨ビットコインの需要成長鈍化を指摘し、弱気相場への移行を指摘。ETFの純売却や大口保有者の需要縮小、デリバティブ市場のリスク選好低下などが要因として挙げられている。
07:10
コインベース、2026年の税制変更で予測市場がギャンブルより有利になると指摘
コインベースが2026年の見通しレポートで、トランプ大統領が署名したワン・ビッグ・ビューティフル・ビル法により予測市場が従来の賭博より税制面で有利になる可能性があると指摘した。
06:50
アーサー・ヘイズ、FRBの新資金供給策RMPでビットコイン4年サイクル論が終焉と再度主張
著名トレーダーであるアーサー・ヘイズ氏がFRBの準備金管理購入プログラムを分析し、実質的な資金供給(QE)により仮想通貨ビットコインの従来の4年サイクルが崩れたとの見解を示した。ビットコインは2026年に20万ドルに向かうと予測。
06:20
仮想通貨の冬到来か、フィデリティ責任者がビットコインの2026年底値を6.5万ドル付近と予測
フィデリティのグローバルマクロ責任者ジュリアン・ティマー氏がビットコインの強気サイクル終了の可能性を指摘し、2026年の底値を6.5万ドルから7.5万ドルと予測した。機関投資家の参入により従来のサイクル論が変化しているとの見方が広がっている。
05:45
米FRB、仮想通貨企業向け「簡易版マスターアカウント」開設に進展か
米連邦準備制度理事会が仮想通貨関連企業を含む適格機関に決済サービスへの限定的なアクセスを提供する「ペイメントアカウント」案についてパブリックコメントを募集開始。
12/19 金曜日
17:38
税制改正大綱で仮想通貨税制が大きく前進、申告分離課税20%と3年間の繰越控除を明記
政府・与党が2026年度税制改正大綱を決定。暗号資産取引に申告分離課税を導入し、税率は株式と同じ一律20%に。3年間の繰越控除制度も創設される。金商法改正を前提とした条件付きで、2028年施行の見通し。昨年の「検討」から具体化が進み、web3業界の発展に向けた重要な一歩として評価されている。
15:33
米国法銀行初、SoFiがステーブルコイン「SoFiUSD」を発行
米ソーファイ・テクノロジーズが完全準備型の米ドルステーブルコイン「ソーファイUSD」を発表した。パブリックブロックチェーン上でステーブルコインを発行する米国法銀行として初の事例となる。
14:15
2025年の仮想通貨盗難被害額5300億円突破、北朝鮮関連グループの犯行目立つ=チェイナリシス
チェイナリシスが2025年の仮想通貨盗難事件についてレポートを発表。総額5300億円規模であり、Bybitハッキングなど北朝鮮関連グループによる犯行が目立っている。
14:13
サークル、インテュイットと提携 USDC で税金還付や企業決済に対応
ステーブルコイン大手サークルが金融テクノロジー企業インテュイットと複数年の戦略的提携を締結。TurboTaxやQuickBooksなどでUSDCを活用した税金還付、送金、決済サービスを展開し、年間15兆円超の取引に対応へ。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧