イーサリアム2.0最終仕様がリリース
イーサリアム2.0(以下ETH2と表記)コーディネーターのDanny Ryan氏が、Ethereum 2.0に関する最新の仕様書”Phase 0 for Humans [v0.10.0]”をリリースした。
Just updated the "Phase 0 for Humans" doc to v0.10.0. We use this to help onboard new contributors, auditors, etchttps://t.co/HCoQM0rWZ6
— dannyryan (@dannyryan) January 12, 2020
Thanks @protolambda and @CarlBeek for helping put this together!
Ryan氏によると、この仕様は、新たなBLS署名の規格をETH2のコア部分へ統合することを目的としたリリースで、必要とされていたファイルやディレクトリの重要な再編成も含まれるという。
また、この「v0.10.0」は、マルチクライアントテストネットとセキュリティ監査において、ETH2.0の始まりとなる「フェーズ0」の安定性のターゲットにしたものだと述べている。2月から3月にかけて、それぞれの結果を受けていくつかの改訂が行われるだろうと付け加えた。
ETH2.0のクライアントPegaSysのBen Edgington氏も、このバージョンの最も重要な意義は、以前から期待されていたBLS署名の実装が標準化されることであり、テストネットとセキュリティ監査両方において基盤となるものとして、コードベースを凍結するリリースとなることを意図していると説明している。
実稼働グレードのBLSを備えたこの「v0.10.x」シリーズは、最終的なテストネット、そして最終的にはメインネットをリリースするためのターゲットになると、イーサリアム財団の公式ブログ上で表明されている。 つまり、Beacon Chainの正式ローンチに向けて、最終準備が整う状態になることを意味する。
今年第二四半期に予定されているBeacon Chainのジェネシスブロック開始がいよいよ視野に入ってきた形だ。
ETH2始動へ向けたその他の動き
ETH2では、スケーラビリティの改善とセキュリティの向上、さらにプログラム力の進展を目指し、 プルーフオブステーク(PoS)への移行と、シャーディングの導入が段階的に行われる。
ETH2ネットワーク全体のいわゆる「司令管制塔」として機能するのがフェーズ0のBeacon Chainだ。 Beacon ChainはPoSで重要な役割を担うバリデータの管理を行うとともに、不正行為を監視しペナルティを与える役割も果たす。
先月、イーサリアム財団はこのフェーズ0における監査をドイツを拠点とするが行うことを発表。 Least Authority社は、「DoS攻撃、意図しないフォーク/敵対的チェーンにつながる可能性のあるリソース誤用による攻撃、ネットワーク関連攻撃などの重要な項目に焦点を当てたETH2コアフェーズ0仕様の包括的なセキュリティ監査」を行う予定だ。 その初期報告書は2月上旬にも公開される予定となっている。
同時に、数々のクライアントがテストネットを実行中のようだ。
前出のEdgington氏によると、Prysmatic LabsのPrysmテストネットとSigma PrimeのLighthouseテストネットの両方が再起動され、どちらもメインネットの設定を実行しているという。
また、「13000ものバリデータが列をなして、始動を待っている」状態だと述べている。
ETH2は複数の有能なエンジニアリングチームの協業によって開発が進められているが、これまで何年にもわたり、最適な設計を目指し多くの研究者が研究と実証を積み重ねてきた。
その集大成であるETH2が、いよいよ今年始動する。 イーサリアムネットワークにとって大きな転換点となるETH2の今後の動きに注視していきたい。