仮想通貨での不動産購入が可能に
大手暗号資産取引所であるHuobi(フォビ)が、アラブ首長国連邦(UAE)の不動産会社fämPropertiesとの提携を発表。不動産投資家に安全な仮想通貨支払いオプションを提供し、より柔軟な支払いを提供する。
fämPropertiesは、最近10年間に100億ディルハム(約29兆円)を超える販売を行っており、ドバイ土地局(DLD)によって表彰された不動産会社である。
Huobiとの提携により、以降、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、リップル(XRP)、および幾つかのステーブルコインを含むその他の主要な仮想通貨での支払いを受けつけることができるようになった。
HuobiのOTC(店頭取引)はDMCC(マルチ・コモディティ・センターの略で、ドバイの規制当局でもある)の承認を受けており、fämPropertiesの顧客に、競争力のある価格設定と即時転送のメリットに加えて、合法で完全に規制を遵守した、安全でシームレスな取引を保証するという。
法定通貨は、ディルハム(AED)、米ドル(USD)、ユーロ(EUR)、英ポンド(GBP)など主要な通貨を取り扱っている。
DMCC(マルチ・コモディティ・センター)のHuobi OTCデスクの共同設立者Mohit Davar氏は、Huobiが仮想通貨と法定通貨を使う取引を仲介するとして、次のように説明した。
「誰かが不動産を購入し、仮想通貨を支払い通貨として使用したい場合、Huobiがその取引を仲介し、彼らの仮想通貨を買取り、法定通貨でfämPropertiesに支払いを行う。」
fämPropertiesのCEOであるFeras Al Msaddi氏はこのパートナーシップが、アラブ首長国連邦の一等地への投資を容易にすると語った。
仮想通貨は世界中でますます人気のある支払い方法になりつつある中で、今回決済手段として追加されたことにより、不動産取引が増加し、UAEの不動産市場により多くの価値をもたらすと同氏は展望する。
成長が見込まれるUAEの仮想通貨関連市場
アラブ首長国連邦の不動産市場は、ブロックチェーンやデジタル資産などの新興技術を積極的に採用している。
2019年10月、世界で最も高いビルであるブルジュハリファを開発した、ドバイに本拠を置く不動産最大手のEmaar Properties(エマールグループ)は、独自のブロックチェーントークンEMRを発行した。
UAEはブロックチェーンのスタートアップ企業が多く集まり、その資金調達額も2019年第1四半期には世界最大の2億1000万ドルに達するなど、ブロックチェーン関連産業が盛んな地域でもある。
投資顧問企業大手deVere Groupの創設者兼CEOのNigel Green氏によると、UAEは「2億1000万ドル(約229億円)相当の仮想通貨取引」を行う強力な「仮想通貨普及の最前線」となっており、さらなる市場成長が見込まれるという。