中国規制当局、仮想通貨取引所主体の価格操作・出来高水増しを指摘

仮想通貨取引のリスクを強調

中国の金融監視機関である中国国家インターネット金融協会(NIFA)が、仮想通貨投資におけるリスクについて投資家に警告したことが分かった。

NIFAは中国の中央銀行とも連携している規制機関。仮想通貨市場に関する独自のデータ分析を行い、国外取引所主体の出来高水増しや価格操作の問題点を指摘した。

「データ分析の結果、外国に本拠地を置く仮想通貨取引所の一部が取引量を水増ししていることがわかった。取引プラットフォームは、システムを使用して取引量を改ざんして水増しを行い、偽りの繁栄に見せかけている」と説明した。

NIFAの報告によると、ある取引所のデータをサンプリング分析したところ、40銘柄以上の仮想通貨について、1日の取引回転率は100パーセントを超え、70銘柄以上は50パーセントを超えていた。

このデータを受けNIFAは、比較的時価総額が低く小さなマーケットにもかかわらず、不自然に大量の取引量が存在しているとコメント。他の取引所のデータをコピーすることによって取引量を捏造している仮想通貨取引所もあったと指摘した。

市場操作も指摘

さらに、様々な手法を駆使して市場を操作している取引所もあるとNIFAは続ける。システムを停止したり、資産を凍結したりすることでユーザーの取引を停止する可能性もあり、特に高レバレッジで取引するユーザーがポジションを閉じることができず、多くの損失を出してしまうことに繋がるケースがあると警告した。

2017年に中国政府が取引活動を禁止して以来、仮想通貨取引所の多くが中国国外にあるため、規制当局がそうした機関を追跡して、投資家の損失を取り戻すことも困難になるとして、仮想通貨取引を行わないよう、改めて注意喚起を行なった。

仮想通貨取引への取締り強化

不当行為を行う仮想通貨取引所は全体の一部であるが、中国の規制当局が実際よりもリスクを強調して警告している背景には、同国の仮想通貨に対する取締強化方針があるかもしれない。

最近、中国政府高官のChen Weigang氏は現地メディアに対して、ICOなどの資金調達と仮想通貨の投機に対する禁止政策は、今後も実行されるべきと明言。今後は、より効率的に仮想通貨の詐欺や投機行為を抑制するために、銀行や保険監督管理委員会、証券管理委員会、インターネット規制当局等と連携していく必要性があるとした。

習近平国家主席のブロックチェーン国家戦略発言を契機に高まった中国人投資家の仮想通貨投資需要にも、厳しい見解を示してきた中国政府だが、今回の声明は、コロナショックの影響で国外資産への逃避需要を抑制するための施策との指摘もある。

中国では、ブロックチェーンやビットコインマイニングについては公的に後押しされているものの、仮想通貨取引に対しては当面取締りが強化されそうだ。

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