仮想通貨市況
相場の急騰により、BitMEXだけで1億2,300万ドル(150億円)相当のショートポジションがロスカットされた。
急上昇したため短期的な調整が入ってもおかしくないが、上位足で確認すると極めて重要な長期レジスタンスラインをブレイクアウトしており、今後ステージが変わる可能性も垣間見える。
日足
4時間足仮想通貨投資会社ギャラクシー・デジタル創業者のMichael Novogratzは、「米国の混乱もビットコインの上昇に拍車をかけている。10,000ドルを超えたあとは加速するだろう。この列車に飛び乗るべきだ。」とツイートしている。
$BTC is coiling. It will take out 10k soon. All the tragic turmoil in the USA adds to the narrative. Budgets are going one way and it’s the opposite of balanced. When 10k goes it will move fast. Get on the train.
— Michael Novogratz (@novogratz) June 1, 2020
海外のアナリストBig Chonis Tradingは、今回の急騰前(1日午前)、「ビットコインの現物価格とCME先物価格で100ドル相当のプレミアムが発生している点に注目したい。スプレッドの広さは、相場が強気であることを物語っている。」と指摘した。
$BTC– (CME) futures trading almost $100 above spot #bitcoin price , that’s very bullish , the wider the spread the more bullish the market until it flips… pic.twitter.com/1jkl7UXQAO
— Big Chonis Trading😷 (@BigChonis) June 1, 2020
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、各国は金融市場のパニックを抑制するため、大胆な金利引き下げや大規模量的緩和など矢継ぎ早に対策を講じており、債券市場からゴールドやビットコイン市場に資金が流入しているとの指摘がある。
新興国の通貨安や、米中貿易摩擦や香港情勢、米国デモなど地政学リスクが台頭しており、相場の不確実性もビットコイン上昇を後押ししているものとみられる。
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アルト市場に復活の兆し
2018年以降の仮想通貨バブル崩壊を受け、時価総額2位のイーサリアム(ETH)は過去最高値の1,400ドル(1ETH=15万円)から約80%減に。これに対してビットコインは、最高値20,000ドル(1BTC=220万円)から約50%の減少幅に留まっている。
しかし、「PoWからPoSへの移行」という過去稀に見る大型アップデートとステーキング需要を控える直近のイーサリアムは、以前までとは投資家の関心度がまるで異なる。Coin360.comのデータによれば、前週比22%高となっており、BTCのリターン前週比14.4%高をも凌ぐ。
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Real Visionの最高経営責任者Raoul Palは、ETH/BTCのチャートを示した上、ある地点でアウトパフォームする可能性があるなどと指摘した。
It even looks like Ether will outperform Bitcoin at some point (no position yet). pic.twitter.com/nMg1Qer0IB
— Raoul Pal (@RaoulGMI) June 2, 2020
対ビットコイン(ETH/BTC)のイーサリアムチャートを確認すると、2018年以降はパフォーマンスで大きく劣っていたものの、2020年以降は緩やかではありながらも、これまでとは一転し上昇局面へと移行していることがわかる。
ビットコインの市場占有率を示すBTCドミナンスは、2019年9月に73%台まで上昇していたが、2020年6月現在で66%前後まで下降した。50%台まで下落すれば相対的にアルト市場が盛り返していることが鮮明となる。
バイナンスなど海外市場ではミドルクラスの個別銘柄が活況になることも増え始めており、今後、BTCに一極集中せずドミナンスが50%未満まで下落するようなことがあれば、アルトシーズンの再来も起こり得るかもしれない。