共通点はビットコイン? カニエ・ウエストとブロック・ピアースが新たに米大統領選出馬表明

米大統領選に新たな立候補者

アメリカ独立記念日の7月4日、全くタイプの異なる候補者が、相次いで大統領選への出馬を表明した。ミュージシャン/プロデューサーとして不動の地位を築いているカニエ・ウエストと、様々なブロックチェーン企業の設立に寄与してきたブロック・ピアースだ。

両者に共通するのは、それぞれの分野で巨万の富を築き上げた億万長者であること。加えて、ビットコインも共通項に含まれているようだ。

カニエ・ウエスト

ヒップホップから幅を広げている音楽分野では数々のグラミー賞を受賞し、ファッションデザイナーとしても活躍するカニエ・ウエストは、自身のツイッターで米大統領選への出馬表明を行った。

「神を信頼し、ビジョンを統一し、未来を築くことでアメリカの誓いを実現しなくてはならない。」

「2020VISION」のハッシュタグが付けられたこのツイートは既に50万回以上リツイートされるとともに、110万の「いいね」を獲得、米ツイッタートレンドの第1位となっている。(ウエストのフォロワー数:2950万人)

ウエストの妻で、リアリティ番組スターのキム・カーダシアンは、星条旗の絵文字でリツイートし夫への支持を表明。また、米テスラおよびSpaceXのCEO、イーロン・マスクも全面的に支持するとツイッターで発言している。

ウエストはこれまでにも二度ほど大統領選への出馬を表明したことがあった。2015年には2020年の、昨年は2024年の大統領選出馬を示唆していた。そして、今回の出馬表明となったが、11月3日の米大統領選挙まで4か月を切る中、ウエストが本気で大統領選に臨む意思があるのかは不明な部分も大きい。新作アルバムもしくはファッションブランドの宣伝の一環ではないかとの意見も散見される。

米メディア、ブルームバーグの調査によると、連邦選挙委員会(FEC)への公式な届出は、なされていないという。さらに、政党の支援を受けられない場合、無所属候補として選挙戦を戦うわけだが、選挙の鍵を握るとされるのノースカロライナ州などの幾つかの州では、既にその登録期限が過ぎてしまっているということだ。

ウエストのビットコイン支持

2018年4月に遡るが、ウエストは「decentralize(分散化せよ)」とツイートし、仮想通貨業界から注目された。多大な影響力をもつ人気ラッパーのツイートには、仮想通貨メディアの米CoinDeskをはじめ、仮想通貨運用会社モルガンクリーク・デジタルの共同創業者アンソニー・ポンプリアーノも「カニエ、世界をトークン化しよう!」と返答している。

同年5月のインタビューで、ウエストは、19世紀の奴隷解放運動に加わったハリエット・タブマンが起用された20ドル札の新デザインを見て、奴隷制度を思い出したという理由で「ビットコインを使いたいと思った」と語っている。(このデザインの刷新は延期されると、ムニューシン財務長官が昨年表明)

それ以後、ウエストはビットコインについて公には語っていないため、現在の仮想通貨へ対する立場は明らかではない。

ブロック・ピアース

対するブロック・ピアースは、仮想通貨業界の発展に初期から深く関わってきた人物だ。

ディズニー映画『The Mighty Ducks(飛べないアヒル)』に子役として出演したことで知られているが、17歳でインターネット動画制作会社「Digital Entertainment Network」を設立。同社は破綻するが、その後、ピアースはオンラインカジノやゲーム開発に携わる中で、ビットコインと出会い、マイニングを始め知識を深めるとともに、その魅力に取り憑かれ仮想通貨ビジネスに参入し、市場を開拓していく。

2013年にはブロックチェーン企業特化型のベンチャーファンド、Blockchain Capitalを共同設立し、多数のブロックチェーン・スタートアップへの資金調達を行う。ピアースの公式サイトによると、自身が設立した企業への資金調達額は、50億ドル(約5400億円)を超えるという。

ピアースは現在、ビットコイン財団の会長を務めているが、設立に関わったブロックチェーン企業は、EOSアライアンス、Block.one、またTetherなどで、それぞれ大きな成長を遂げている。

「2020年はここから良くなる」とのスローガンを掲げ、無所属候補として大統領選に挑むピアースだが、ウエスト同様、短期間でどれだけ投票者からの支持を取り付けられるかは疑問が残る。しかし、ピアースの立候補の意図を、大統領選という世界が注目する舞台において仮想通貨への認知を広める役割を果たすためだと捉えると、そこには成功の二文字しかないような気がする。

参考:ロイター


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