イーサリアム開発者が会議を開催
イーサリアム(ETH)の開発者会議で、ネットワーク手数料であるガス代について議論が行われた。
主にDeFi(分散型金融)市場が急に活発化したことによって、今月はガス代が記録的高水準に到達。ユーザーや仮想通貨(暗号資産)取引所にかかる負担を軽減するための手段が議論されたが、現時点で有効な具体的な対策は見られなかった。
ガス代に関する様々な提案が議論されたが、その中で話題に挙げられた1つがガストークン(GasToken)の存在だ。
ガストークンは、ガスをトークン化したもので、これを購入することで、ユーザーは手数料を事前に入手することができる手数料トークンで、安い時にガストークンを購入し、それを保有しておいて、ガス代が高騰した時に利用することができる仕組み。今年、ガストークンを取引できる取引マーケットもローンチされている。
「このトークンは原則的に、DeFiやアプリなどで手数料を抑えたい時に利用するものだ」と説明するなど、手数料の高騰を抑える効果があると指摘する開発者もいる。
一方、今回の会議では、このガストークンは短期的な解決策となっても、いつかガス代の最低価格になって、慢性的に手数料を高騰させる可能性があるという指摘も複数の開発者から上がり、過去に提案であがったトークンの廃止案を指示する意見も目立った。
過去に同じ週に2回も手数料が歴史的水準に達した際、開発者の1人がガストークンをなくす提案を行なっていたが、今回それが注目を集めた格好だ。
結果的にはガストークンを使った取引は全体の最大で約2%というデータもあることから、現時点の影響度は低いとして、この仕組みをなくすという提案は今回は見送られ、今後も分析を続けていくことになっている。
もちろん手数料の高騰で考慮すべき問題は、ガストークンの存在だけではない。最盛期と比較するとDeFi市場も落ち着いているが、テザー(USDT)などのステーブルコインの利用も増加しているため、今後も議論を継続していく必要性をコミュニティ全体が認識する状況にある。
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