ヴィタリック提唱の解決策
10/3 17:30 追記:*当記事は修正版です
イーサリアムの共同設立者であるヴィタリック・ブテリン氏は2日、イーサリアム開発者用の掲示板にて、スケーラビリティ向上にむけての今後のロードマップについて議論を行った。
ここ最近、DeFi(分散型金融)が大きな盛り上がりを見せる中、ガス代(取引手数料)が高騰し、ネットワークのトランザクション詰まりが頻発するなどしており、ETH基盤のdApps利用に影響が及ぶケースが散見されている。
The Blockによれば、イーサリアムのマイナーは今年9月、ブロック報酬よりも取引手数料による収入が上回った。これはイーサリアムの歴史において初めてのことだ。
これに伴い、9月1日時点でETH平均取引コストが13ドルを超えるなど、大きな負荷を記録していた。
ブテリンの提案
しかし、スケーラビリティの解決策として期待されるETH2.0へのアップデートは当面の期間を要するとされ、早急な対応を求める声も少なくない。
ブテリン氏はこれらの点を踏まえ、「現状のレイヤー1では、思うようにアプリとして使用することができない。レイヤー2を利用せず、短中期的にスケーラビリティ問題を解決する方法は考えにくい。」
との認識を示した。イーサリアムを利用したdAppsであるAugurでは先週、1トランザクションの取引手数料が17.76ドル(約2000円)に達していたことも指摘。スケーラビリティの欠如が、dApps開発において大きなボトルネックとなっていることを示していた。
レイヤー1とは、現在のイーサリアムベースとなるプロトコルで、メインネットを指す。レイヤー2は、イーサリアム上に構築されたプロトコル(スマートコントラクトプラットフォーム等)を意味する。
代替手段の可能性
そこで今回行われた提案は、短・中期的にスケーラビリティ問題の改善を図るため、レイヤー1(ETH2.0へのアップデート)ではなく、オプティミスティック・ロールアップを中心とした、レイヤー2(オフチェーン)の開発に注力するというものだ。
オプティミスティック・ロールアップとは、一部処理をオフチェーン処理することによって高速化を図り、イーサリアムのスマートコントラクトの秒間トランザクション処理数が大幅にスケールアップすることを可能にする技術とされる。同技術はプラズマと同様、サイドチェーン上でトランザクション処理を行うソリューションとなっている。
ロールアップは、先月25日にテストネットをローンチしており、公用も可能だ。