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米PayPalはなぜ、仮想通貨業界へ参入したのか?=Web Summit

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨業界参入の経緯

米決済大手PayPalのDan Schulman CEOが、オンラインカンファレンス「Web Summit」に登壇し、暗号資産(仮想通貨)業界に参入した経緯について語った。

世界的に新型コロナの感染が拡大したことによって、消費者が現金の利用を避ける動きが加速したと述べ、仮想通貨は日常的な支払い手段になり得るとの見解を示している。

今回Schulman氏はカンファレンスで、ニューヨークタイムズのコラムニストからインタビューを受ける形式で話を進め、その対話はおよそ10万人の視聴者が視聴した。

PayPalが仮想通貨業界参入を発表したのは今年10月、米国でユーザーがビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ライトコイン(LTC)、ビットコインキャッシュ(BCH)を売買できるサービスを開始。来年にはPayPal対応の2800万以上のショップ(全世界)で支払いに利用できる新サービスを計画する。

なぜ仮想通貨業界へ参入したのか

「仮想通貨業界参入は2020年の計画にもともとあったのか」と業界参入への計画について聞かれたSchulman氏は、「一部は計画していたが、そうではない部分もある」と回答した。

仮想通貨業界に参入するにあたってリサーチを行なったため、顧客基盤の54%が仮想通貨の売買・保有できるサービスを望んでいることは事前に分かっていたため、このサービスの提供はPayPalの主要な計画になっていたとしている。

一方で、支払いに利用できるようにすることは計画になかったという。

当初、仮想通貨決済サービスの展開に足踏みしていた理由は、仮想通貨の価格変動の大きさが懸念材料に挙がっていたことだとした。変動の大きさによっては、小さなショップの利益を相殺してしまう可能性があることなどが、具体的な理由だ。

この課題に対しては購入を行う際、その時点の正確なレートを確認してもらうことで、顧客とショップの双方が価格変動によるリスクを回避できるようにできるほか、直接仮想通貨を感じさせない設計にすることで、決済利用面でも普及の可能性を見ているとの見解を述べた。

通常は仮想通貨を入手すれば、投資手段としても支払い手段としても利用したくなるものだとして、様々な仮想通貨関連サービスを拡充を行う意向を改めて示した。

また、業界サービス参入を決定した背景には、Schulman氏が考える、長期的なデジタル通貨がメインストリーム化するという普及までのビジョンもあるようだ。「新しい現代の技術は処理が速く、コストが安く効率性が高い。普及が拡大すれば今よりも多くの人が金融サービスを利用できるようになり、金融包摂も進む」と語り、アンバンクドの(多くの人が銀行口座を持たない)地域の救い手になる可能性に期待感を示した。

規制の重要性

Schulman氏は仮想通貨をメインストリームで普及させるために、規制順守が最も重要な点であるとと指摘した。業界全体の発展のためにも、規制機関と密に連携することが必要だと訴えている。

セキュリティ、リスク管理、マネーロンダリング対策(AML)等を理解し、コンプライアンスを遂行すべきだと主張。PayPalは規制対策には膨大な投資を行なっているとし、違法活動防止のため当局と強い関係を築いていると語った。

参考:Web Summit

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