CoinPostで今最も読まれています

ビットコイン半減期とは|仮想通貨の半減期前後で価格が高騰する理由

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

マイニングをするたびにビットコインの市場供給量は2100万BTCに近づいており、市場に出回る通貨数が多くなると、その通貨価値は下がってしまいます。そこでマイニング報酬の発行量に制限をかけて価値を安定させるために存在するのが「半減期」です。

仮想通貨の半減期前後には通貨価格が上がる傾向があるため、いち早く仮想通貨の半減期の情報を掴み、仕込んでおくことで利益を狙う投資家も少なくありません。本記事では、なぜ半減期で価格が上がりやすいのか網羅して解説するほか、 『Vertcoin』『OKCash』など半減期がある6通貨の情報をリストアップしています。投資銘柄選定の際にご活用下さい。

目次
  1. 「半減期」とはビットコインなど仮想通貨の供給を減らして希少性を高めるイベント
  2. ビットコイン半減期への関心と価格変動への影響
  3. ビットコイン・仮想通貨の半減期後の警戒ポイント
  4. 『Vertcoin』『OKCash』『GameCredits』など仮想通貨9種類の半減期情報一覧
  5. 半減期で利益を狙う仮想通貨取引所なら「bitbank」がおすすめ
  6. いち早く「半減期」情報を得て仮想通貨で利益を狙う

1. 「半減期」とはビットコインなど仮想通貨の供給を減らして希少性を高めるイベント

発行枚数上限があらかじめ設定されている仮装通貨には、ある特定のタイミングでマイニングできる量・採掘量(供給量)を減らすプログラムが導入されており、これを「半減期(bitcoin halving)」と呼びます。

1-1. 仮想通貨の半減期の目的とペース

半減期の目的は、大きくわけて2つあります。

  1. 通貨の流通量の増加率を抑制することで、その通貨の「希少性」を高めること
  2. 通貨の発行量の引締めによって、インフレーション発生を抑制し、価格の安定化を図ること

主要な仮想通貨では、トランザクション(取引)をまとめたブロックが生成される度に、そのための計算作業を行ったマイナーに対して報酬が渡される仕組みを採用していますが、半減期を迎えると、この報酬が半減します。マイニング報酬が減少すると通貨の供給量も減少するため、それによって通貨の希少性を保ち、インフレを抑制、価格の安定化を図るのです。

半減期のペースは仮想通貨ごとに異なりますが、一定数のブロックが生成されることを条件に定期的に実行されています。

マイニングとは~仕組みや方法について解説~

1-2. ビットコインの半減期について

次にビットコインを例として、半減期の仕組みや影響についてより具体的にご紹介します。

ビットコインの最大供給量は「2100万BTC」と決められており、半減期があります。ビットコインの半減期はおよそ4年に1回のペースで行われており、次に半減期が起こるタイミングは2024年を予定。

2009年始め、ビットコインのマイニング報酬は「50BTC」でしたが、2012年に1回目の半減期を迎えると「25BTC」に減少しています。さらに2016年に2回目の半減期を迎えて「12.5BTC」へ、2020年の半減期では「6.25BTC」まで減少しました。

日付 BTC価格 報酬
2012/11/28 12.31ドル(約1300円) 50→25BTC
2016/07/09 650.63ドル(約7万円) 25→12.5BTC
2020/05/11 8821.42ドル(約94万円) 12.5→6.25BTC
2024 6.25→3.125BTC
2028 3.125→1.5625BTC

CoinMarketCapのカウントダウンによれば、22年2月9日時点で「722,568ブロック」が生成されており、次のビットコイン半減期は「810日後」。2024年の4月末と予測されています。

出典:CoinMarketCap

ちなみに、blockchain.comによれば、2021年の12月時点で発行率は上限の90%に到達していますが、半減期などの影響により、残り10%のマイニングが完了するのは2140年頃と推測されています。

2. ビットコイン半減期への関心と価格変動への影響

仮想通貨の半減期は、投資家から高い関心を集めています。その大きな理由は、半減期の前後で価格変動が起きる傾向があるからです。そこで次に、半減期の値動きへの影響について、ビットコインを例に挙げつつ考察します。

2-1. 半減期は「価格高騰」の要因になる

半減期を迎えた通貨は供給量が減少しますが、需要は変わらないため、過去の相場では半減期前に価格が大きく上昇する傾向にありました。

仮想通貨の価格が上昇する要因5選
仮想通貨の価格が上昇する要因、理由として、上場、エアードロップ、フォーク、バーン、パートナーシップ提携などがありますが、それぞれどういった形で上がっていくかを掲載しています。

参考までに、2回目のビットコイン半減期である2016年7月9日のチャートを確認してみましょう。約1ヶ月半前から価格が上昇し始め、半減期の3週間前に短期天井のピークを迎えた後に反落しています。

2016年のBTCチャート:

出典:TradingView

当時の価格はBTC=800ドル(8.5万円)前後、現在価格8000〜9000ドルの1/10でしたが、その後の仮想通貨バブルを経て指数関数的な高騰を見せ、2017年末にはBTC=20,000ドル(220万円)を記録しています。

2回目のBTC半減期以降の価格推移:

出典:TradingView

また、2020年5月の半減期の前後でも価格の上昇が確認されています。

同年3月には新型コロナウイルスによるパンデミックが影響して大幅に下落していましたが、半減期に欠けて徐々に上昇。半減期直後は大きな値動きがなかったものの、同年末には200万円付近/1BTCの壁を破り、2021年4月には600万円にまで上昇しました。

これらの値動きから、半減期の1~2ヶ月ほど前から発行量が減る前にビットコインを保有しておこうとする動き等が影響して上昇する傾向あること、半減期後は一時的に価格が不安定になることも多いものの、長期的には上昇するケースが多いことが分かります。

そのため仮想通貨投資家にとっては、事前に半減期の情報を把握しておき、半減期前後の価格変動にあらかじめ備えておくことが非常に重要です。

2-2. 半減期は仮想通貨の「インフレーション率」を抑制する

加えて半減期は、仮想通貨のインフレ率を下げる効果もあるイベントです。インフレとは、通貨の価値が供給増とともに低下し物価の上昇などを引き起こすもので、各国の法定通貨などに限らず仮想通貨でも発生します。

しかしビットコイン含む一部の仮想通貨は、過去の供給による積み重ねと半減期による供給減の合わせ技によりインフレ率を減少させる仕組みを採用。通貨のように恣意的に発行することも、金のように新たに発見することも不可能なため、予測可能性が非常に高い点が魅力です。

実際、ビットコインのインフレ率は2021年に1.8%まで低下、2024年の半減期以降は1%を下回るとされています。

出典:inbitcoinwetrust

2-3. 投資家による半減期への関心も増加傾向

ビットコインの市場規模は、数年前とは比較にならないほど拡大しました。半減期に対する市場の関心度も飛躍的に増しており、株式市場など国際金融市場の影響を受けやすくなるなど、当時とは環境が大きく異なる点には留意すべきでしょう。

半減期への関心の変化は、特定の単語がどれだけGoogle検索されているかを可視化できる「Google Trends」で半減期の英語表記「bitcoin halving」の検索数を確認することで理解できます。

出典:Google Trends

このように、3回目の半減期の直前である20年3月を境に検索数が急上昇し、半減期があった同年5月にピークを迎えています。2回目の半減期である16年の検索数と比較すると、その関心の高まりが伺えるでしょう。

世界のビットコイン関心度、「金から半減期」へ価格上昇受け
ビットコインの価格が7500ドルに回復したことで、半減期に関するツイート量が急増したことが分かった。関心は、金から半減期へと変化しているという。

3. ビットコイン・仮想通貨の半減期後の警戒ポイント

ビットコインなど仮想通貨の半減期は投資チャンスでもありますが、一方で警戒すべきポイントも何点か存在します。

1つ目の警戒ポイントは、マイナーの報酬減による市場の縮小です。

LongHashの試算では、BTC価格が半減期後6000ドル〜7000ドル程度に低迷すれば、マイナーの中にはシャットダウンして事業撤退する事業者も出てくるとされています。また、コストを賄うために、BTC投げ売りに発展する可能性もあるとの指摘も。

2つめの警戒ポイントは、半減期直後〜難易度調整タイミングまでの期間には、BCHの半減期後同様、マイナーのハッシュレート(採掘速度)急落が市場価格に影響を及ぼす可能性があることです。

実際、1日程度(144ブロック)で難易度が調整されるビットコインキャッシュは半減期後にハッシュレートが急落したことがあり、一定期間ブロック生成に遅延が生じました。

難易度調整のタイミングが「約14日に1回」と遅いビットコインは、さらに大きな影響を受ける可能性もあります。半減期から1〜2日程度のブロック生成状況には十分注視しましょう。

出典:blockchain.com

BTCハッシュレートは、2022年2月時点で1億8千万TH/sを超えるなど、極めて強い推移をたどっています。

BitMEX、ビットコイン半減期後のハッシュレートなど「4つのシナリオ」を試算
最大手デリバティブ取引所BitMEXのリサーチ部は、約38日後に迫る仮想通貨ビットコイン(BTC)の半減期がもたらす、採掘業者の利益への影響とハッシュレートの関係性を試算。今後のシナリオについて4部構成で解説した。

半減期後のマイナーの耐え得るライン(損益分岐点)などは、以下のCoinPost関連記事で詳しく考察しています。

ビットコインなど仮想通貨市場に大きな影響を及ぼす「半減期」とは、過去の事例から独自考察
仮想通貨市場に大きな影響を及ぼすビットコイン(BTC)などの半減期が、相場に意外な影響を与えることも明らかに。ライトコイン半減期など、過去の値動きから可能性とリスクについて詳しく解説。
仮想通貨ビットコイン、半減期でも「高騰が期待できない理由」
半減期まで1か月をきった仮想通貨ビットコイン。過去2回の半減期後には歴史的な高騰を記録したが、過度な楽観は禁物だ。半減期後、短期的に価格上昇に期待できない可能性を複数の視点から考察する。

4. 『Vertcoin』『OKCash』など仮想通貨9種類の半減期情報一覧

続いては、主な仮想通貨の半減期情報を、一覧形式でご紹介します。投資銘柄選定にあたっての情報としてご活用下さい。

※日付はブロック数に依存するため正確な日ではありません。

Bitcoin (BTC)の半減期情報

半減期日程 2024年5月予想
内容 6.25BTC→3.125BTCに減少
参考サイト http://www.bitcoinblockhalf.com/

Bitcoin Cash (BCH)の半減期情報

半減期日程 2023年12月予想
内容 6.25BCH→3.125 BCHに減少
参考サイト https://www.nicehash.com/countdown/BCH-halving-2024-04-01-12:00

Litecoin (LTC)の半減期情報

半減期日程 2023年8月予想
内容 12.5LTC→6.25LTCに減少
参考サイト http://www.litecoinblockhalf.com/

Zcash (ZEC)の半減期情報

半減期日程 2024年11月予想
内容 6.25ZEC→3.125ZECに減少
参考サイト https://zcashblockhalf.com/

Vertcoin (VTC)の半減期情報

半減期日程 2025年12月予想
内容 12.5VTC→6.25VTCに減少
参考サイト https://bitinfocharts.com/vertcoin/

OKCash (OK)の半減期情報

半減期日程 2022年10月予想
内容 6 OK→3.9 OKに減少
参考サイト https://okcashblockhalf.com/

5. 半減期で利益を狙う仮想通貨取引所なら「bitbank」がおすすめ

出典:bitbank

最後に、半減期前後で利益を狙うにあたって、開設しておくと便利な取引所「bitbank」についてご紹介します。

bitbankは、スプレッドの狭さ・アルトコインのラインナップが魅力の取引所です。

ビットコイン・ビットコインキャッシュ、ライトコインなど半減期がある複数の仮想通貨を取り扱っているほか、板取引の取り扱い銘柄数が豊富。各種手数料・スプレッドが低めに設定されているため、半減期前後で取引量が増えても必要コストを抑えることが可能です。

半減期への備えとして、bitbankの口座を開設してみては如何でしょうか。

人気銘柄別、日本国内の仮想通貨取引所おすすめランキング
投資のプロが初心者目線で選ぶ、国内大手仮想通貨取引所ランキングの最新版。暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、XRP(リップル)、シンボル(XYM)など銘柄別ランキング比較でも評価しています。

6. いち早く「半減期」情報を得て仮想通貨で利益を狙う

本記事では、ビットコインなど仮想通貨における「半減期」について解説しました。仮想通貨投資家やアナリストの中には、半減期を投資チャンスとして捉えている方も少なくありません。半減期の投資チャンスを逃さないよう、日ごろから半減期の情報を把握しておくことで、半減期前後の値動きに備えておくことが重要でしょう。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
07/27 土曜日
08:10
マスク氏のX(旧ツイッター)、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除か
イーロン・マスク氏がオーナーのX(旧ツイッター)は、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除した。ドージコイン擁護のためか。
07:35
BitwiseのETH現物ETFの横断幕、NYSEに掲揚
仮想通貨運用企業Bitwiseのイーサリアム現物ETFの横断幕が、ニューヨーク証券取引所に掲げられた。同社は、取引終了のベルを鳴らすことも報告している。
07:05
野村傘下のレーザーデジタル、利回り提供のイーサリアムファンド販売予定か
野村ホールディングスの仮想通貨資産子会社であるLaser Digital(レーザーデジタル)は、イーサリアム現物ETFの代替商品の導入を計画しているようだ。
06:40
米SEC、グレースケールのミニ版ビットコインETFを承認
仮想通貨投資企業グレースケールが提供するGBTCは手数料(1.5%)が最も高く資金流出は続いていたが、新商品を導入し0.15%という業界最安の手数料設定で競争力を高める狙いだ。
06:20
ビットコイン価格が21年後に最大で75億円に到達か、マイケル・セイラー氏の強気予想
ビットコインを最も保有する米上場企業マイクロストラテジーのマイケル・セイラー氏はカンファレンス「ビットコイン2024」で、BTCの今後の強気予想のプレゼンテーションを行った。
07/26 金曜日
17:10
「米大統領選で価格変動 トランプやハリス由来のミームコインの買い方
トランプトークンの概要 ドナルド・トランプ前米大統領とその「Make America Great Again」(アメリカを再び偉大に)というスローガンからインスピレーションを得…
17:10
ヤマハ発動機が初のVTuberコラボNFTを発行、Yamaha E-Ride Baseを訪れて進化可能
ヤマハ発動機が初のNFTデジタルステッカーを発行。横浜のYamaha E-Ride Baseで進化するダイナミックNFTを体験し、限定グッズをゲットできる。
15:13
ビットフライヤーがFTX Japan買収完了、カストディ事業展開へ
株式会社bitFlyer HoldingsはFTX Japanの株式100%を取得し、完全子会社化を発表。8月26日までに社名を変更し、クリプトカストディ事業を展開予定。法制度整備後の暗号資産現物ETF関連サービス提供も視野に入れている。
14:43
Neo Xメインネットが正式稼働 EVM互換でネオのエコシステムを拡張
Neoは高性能EVMベースのサイドチェーン「Neo X」のメインネット正式稼働を発表。クロスチェーンブリッジで流動性と互換性が向上し、エコシステムの可能性が広がる。
14:15
カマラ・ハリス氏のミームコインが過去最高値を記録、大統領候補指名の期待受け
PolitiFiと呼ばれる政治パロディのミームコインが、仮想通貨領域で独自のジャンルを形成しており、カマラ・ハリス副大統領のパロディコイン「 Kamala Horris(KAMA)」が急騰し話題となっている。
12:55
アルトコインETFの未来、ブラックロックが語る現実と可能性
ブラックロックのデジタル資産責任者は、イーサリアム現物ETFが承認されていても他のアルトコインETF誕生には困難があると話した。
12:14
仮想通貨相場反発、ビットコイン・カンファレンスのトランプ登壇に関心集まる
昨日までの大幅下落とは打って変わり暗号資産(仮想通貨)相場は反発した。強気シグナルのハッシュリボンが点灯しているほか、今週末にはビットコインカンファレンスに米国のトランプ前大統領が登壇予定であり、投資家の関心が集まる。
11:00
トランプ前大統領の陣営、4〜6月期で仮想通貨で6億円の寄付金調達
トランプ前大統領は、ビットコインなど仮想通貨で6億円以上の選挙資金を調達。「ビットコイン2024」でもさらに資金を集める予定だ。
10:30
BTCが290万ドルに到達するシナリオ、VanEckが公開
仮想通貨ビットコインが2050年までに290万ドルに到達するシナリオをVanEckのアナリストが公開。このシナリオを実現するための条件を説明している。
10:00
ソラナ初事例、パラオ共和国がデジタルID発行
主権国家が仮想通貨・ブロックチェーンであるソラナ上で、法的アイデンティティを発行する初めての事例となった。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア