ビットコイン肯定派の米女性議員
暗号資産(仮想通貨)やブロックチェーンに友好的で知られる米ワイオミング州のCynthia Lummis上院議員が米上院銀行・住宅・都市問題委員会のメンバーに選出された。
Lummis議員は昨年11月に就任したばかりだが、既にビットコインを支持する姿勢を明らかにしていた。過去には州議会や州の財務長官として務めた他、現在も牧場主の一面を持つなど、多才な経歴を持つ。共和党内では最高齢(66歳)の新人議員だ。
米上院銀行・住宅・都市問題委員会の選出に際して、Lummis議員は以下のようにコメントしている。
銀行委員会(略称)の役職を通して、デジタルアセットの規制がイノベーションを阻むのではなく、促進させることができるよう、連邦規制当局と連携して先駆的な取組みを取り上げていきたい。
また著名投資家のAnthony Pompliano氏が手掛けるポッドキャストに出演した際、同氏は金融イノベーションに関する党員集会を発足して、米議員らにデジタルアセットやブロックチェーン等、フィンテック系の新興技術について教育を行なっていく方針を示していた。
ポッドキャスト内でLummis議員は2013年頃に初めてビットコインに投資したと発言。ワイオミング州の財務長官を務めていた際、同州の鉱物産業から得た税収の一部を永久信託に入れており、投資対象として鉱物と同様に供給量が定まって、同じく「採掘」(マイニング)される点から仮想通貨に着目していたという。
また、一般の労働者などの老後の貯蓄手段として、長期的な価値の保存手段としてビットコインは優れていると言及。特にバイデン政権下では、さらなる金融政策が見込まれる点が米ドルの価値を下げる(インフレを加速)と予想しており、全ての人が投資ポートフォリオの一部をビットコインに投資すべきと述べた。
その一方で、ブロックチェーンやデジタルアセット技術を理解するのは難解であると認め、視聴者からも米議員に啓蒙活動を行う上で有益な教材などの紹介を求めた。
また米議員など政府関係者の間で仮想通貨やブロックチェーンに対する認識はどうかと聞くPompliano氏の質問に対して、未だに資金洗浄など「犯罪に使われるイメージが未だ強い」と述べ、仮想通貨の不法行為に使われるイメージ払拭を目指す姿勢を示していた。
新たに就任したばかりの財務長官Janet Yellen氏と先日仮想通貨などについて話したと言及。Yellen氏の仮想通貨に対するスタンスについては、同氏が柔軟な考えを持っていると述べる一方、犯罪目的での利用に対する懸念もあると説明し、仮想通貨に対する偏見のない「オープンな対話」が行われるまでには多くの労力が必要と指摘した。
その一方で、中国がデジタルアセット領域において頭角を表している点については危機感を示し、フィンテックのイノベーションにおいて覇権を保つ為には「長々と教育活動で留まっていたら中国共産党に遅れをとる可能性を懸念視しており、外交的にも重要であると語った。
既に米議会では、インディアナ州のTom Emmer下院議員らが「Congressional Blockchain Caucus」を発足しており、25名の議員が所属している。またステーブルコインへの規制を厳格化する法案や、自主管理ウォレットを規制する法案に対して反対意見を示す議員らもいるが、Lummis議員の就任はこのような動きをさらに加速するか引き続き注目していきたいところだ。