NFT生成や取引が独自チェーン上で可能に
今年の3月にNFTプラットフォームを開設したCrypto.com(クリプトドットコム)が、6月3日、独自チェーンである「Crypto.org Chain」が、NFT対応となったことを発表した。
今回の発表により、Crypto.org Chain上でのNFT生成・焼却・譲渡の一連のオペレーションがネイティブサポートされることになった。これまで「Crypto.com/NFT」で配布・販売されていたNFTが、オンチェーンで取引できるようになることになった。今後ユーザーは、Crypto.com/NFTにサインアップし、クレジットカードやデビットカードを登録すれば、NFTの販売及び取引ができるようになる。
現在Crypto.comは、Crypto.com/NFTとCrypto.com DeFiウォレットの統合に取り組んでおり、今後数週間の内にNFTの送金・取引が導入される見通しだ。
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ロードマップで今後予定される五段階のアップデート
また今回の発表は「Canis Major」と銘打たれたされたフェーズ1のアップデートであり、今後、Crypto.comのロードマップではフェーズ5までが予定されている。それぞれのフェーズでは、以下のようなアップデートが順次実施される予定だ。
- フェーズ1「Canis Major」:オンチェーンでのNFT生成・焼却・譲渡をサポート(今回)
- フェーズ2「DRACO II」:ネイティブコイン発行/イーサリアムのスマートコントラクトにサイドチェーンでの接続
- フェーズ3「TUCANA III」:UniswapベースのAMM対応
- フェーズ4「HYDRUS I」:「CosmWasm」によるオンチェーンのスマートコントラクト対応
- フェーズ5「CARINA III」:「Chainlink」や「Band」といったオラクル・プロトコルを用いてのDeFi本格運用
コミュニティ投票によるガバナンス
Crypto.org Chainは、オープンソースかつ、パーミッションレスを特徴とするCrypto.com独自のパブリックブロックチェーンであり、専用アプリを用いた決済システムを導入している。今年3月25日に正式ローンチした。
今回のCanis Majorアップデートに至った背景としては、5月18日に提案された「プロポーザル4」に対するコミュニティ投票の結果によるものだ。ステークホルダーであるCROトークン保持者の99.9%が「Yes」と投票したことで、可決・実施されている。
Crypto.comのガバナンスモデルとしては、CROトークン保有者にプロポーザルの提案・投票権が付与され、投票を通して民主的に運営方針を決める方式が用いられている。ちなみに前回の5月4日に提案された、プロポーザル3で行われたブロックタイム短縮に関わる投票は、「No」が57.5%と過半数を上回り、否決されている。