一年間でインドの投資額が急増
ブロックチェーン分析企業Chainalysisのデータによると、インドにおける暗号資産(仮想通貨)投資額は、過去一年間で2億ドル(約220億円)から400億ドル(約4.4兆円)近くに急増した。Bloombergなどが報道した。
インドでは政府の仮想通貨規制方針が不透明な状況が続いているが、それにも関わらず投資は活況を呈しているようだ。Chainalysisによると18〜35歳の年齢層が仮想通貨に最も関心を示しているという。
「ゴールドよりも利便性高い」との意見も
インドはゴールド(金)投資が盛んな国として知られているが、Bloombergによると、ゴールドから仮想通貨へと軸足を移す者も多くいるという。
32歳の起業家であるRichi Sood氏がその一人だ。彼女は約13,400ドル(約150万円) をビットコイン(BTC)や、アルトコインであるドージコイン(DOGE)やイーサリアム(ETH)に投入し、2月にはその一部を現金化。自身の運営する教育事業の海外展開資金に充当することができたという。
Sood氏は「ゴールドよりも仮想通貨に投資したい」として、その理由を「仮想通貨はゴールドや不動産よりも透明性が高く、収益も短期間で得ることができる」と語った。
また、インドでは度々政府が仮想通貨取引を禁止するのではないかという懸念が浮上してきたが、Sood氏は「リスクがあっても自分の投資意欲は高い」との姿勢を示している。
最近の報道では、インド財務省の専門委員会が仮想通貨規制の検討を行っており、7月の国会で、ビットコインを「資産」クラスの一つとして分類する可能性が高いと伝えられているところだ。
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仮想通貨取引所ZebPayの共同創設者Sandeep Goenka氏も、仮想通貨の利便性について次のように述べた。
インターネットに接続するだけで、仮想通貨を購入できる。ゴールドとは異なり、それが本物だと検証する必要もない。
Bloombergによると、現在インドでは仮想通貨トレーダーの数が合計1,500万人を超えている。比較すると、米国は2,300万人、英国は230万人だ。
投資利益でインドは低迷、日本は世界第三位
一方で、Chainalysisが6月7日に発表した別のレポートによると、2020年のビットコイン投資利益に関しては、インドは他の市場に遅れをとっており、上位25ヵ国中18位でわずか約2億ドル(約220億円)と報告された。
首位は米国が41億ドル(約4,500億円)、2位の中国が11億ドル(約1,200億円)、3位の日本が9億ドル(約1,000億円)、4位の英国が8億ドル(約900億円)と続いている。なお、これらの数字はChainalysisが独自に見積もった額であり、おおまかな推計だ。例えば取引所から引き出されていない額は計算に入っていない。
Chainalysisは、インドが不振だった理由について、インド政府が仮想通貨取引に対して敵対的な態度を取っていたことで、投資が妨げられていた可能性があると指摘している。