はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

日本でブロックチェーンの有用性やユースケースを議論──官民推進会合

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ブロックチェーンの有用性を議論

内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室と一般社団法人新経済連盟は30日、新型コロナウィルスに起因する社会問題の解決手段として、ブロックチェーン技術の導入を議論した「ブロックチェーンに関する官民推進会合報告」と題する報告書を公表した。

ブロックチェーンの課題を明確化

ブロックチェーン官民推進会合は、2020年度の政府のIT戦略を受け、2020年9月から全5回開催されてきた。新経済連盟は今回の報告書の公表に際し、以下のように説明している。

ポストコロナ・ウィズコロナの社会課題の解決手段としてのブロックチェーンの有用性について、「地方公共団体の取り組み事例」「分散型ID」「教育」「配布」「中央省庁の取り組み事例」をテーマに、官民連携して議論してきたものです。

本会合の構成員は、Japan Digital Design株式会社CTO兼・内閣官房政府CIO補佐官 楠正憲氏を座長とし、一般社団法人日本ブロックチェーン協会代表理事兼・株式会社bitFlyer Blockhain代表取締役 加納裕三氏や、株式会社LayerX代表取締約CEO 福島良典氏など13名が名を連ねた。

ヒアリングの結果あげられた課題は以下のような点だ。

  • 処理すべきトランザクションに対し計算量が膨大であり、計算リソースや電力の使用効率が低く、即時性に欠ける
  • パブリックブロックチェーンにおける特定のユーザーによる過半数の計算リソースの掌握リスク

一方で、ブロックチェーンの長所として「高い耐改ざん性・透明性」「取引コストの削減や迅速化」といった点をあげており、上記の課題を顕在化させずにこれらのメリットをいかせるユースケースの課題を明確にすることが重要であるとしている。そのために、ブロックチェーン活用の先進的な事例を調査し、技術的・法的制約などについて明確化することなどを検討する方針であるという。

その他留意事項としては、ユースケースに応じた適切な水準のセキュリティの見極め・アーキテクチャの選択(例:51%攻撃が懸念される用途における、プライベートブロックチェーンの採用)やトランザクション量と処理速度とシステム規模のバランス(マイクロペイメント等のユースケースではトランザクションを処理しきれない場合の影響大)などを挙げている。

また、構成員からは全5回開催された会合の中で、これまでに以下のような意見が出ているという。

  • 戦略に書き込んで実行していくだけでなく、国としてブロックチェーンを戦略の中心に据えることを宣言するなどしてほしい
  • 公共性が高いもの、ビジネスモデルの確立が難しいものは、政府が完全に提供するのもひとつの選択したりえるのではないか
  • 行政のみでやるもの、民間のみでやるもの、民間と行政の両方のかかわりがどうしても必要なもの、がきれいに整理されると今後の施策が打ちやすくなるのではないか

導入事例

報告書では、各テーマにおけるブロックチェーンの導入事例を紹介している。

地方公共団体の取り組み

出典元:政府資料

広島県では、サンドボックス制度により、通称「レモンプロジェクト」として、ブロックチェーン/AI/IoT技術などを活用しレモンのレートを全ステークホルダーが把握可能にし、お金のやり取りを効率化させる取り組みが行われている。また、県民の医療・健康等個人情報管理にも適用されている。

分散型ID

暗号資産(仮想通貨)取引所bitFlyerを運営するbitFlyer Blockchainは、プライベートブロックチェーンmiyabiを活用した、自己主権型アイデンティティと分散型IDの基盤である「bPassport」を提供している。bPassportの利用シーンについて、以下のように説明されている。

bPassportでは、個人情報の真正性を証明する”お墨付き”であるハッシュをブロックチェーン上で管理。

ユーザーが管理・保有する個人情報に対し、その情報を保証・証明する事業者が個人情報のハッシュをbPassportに登録。他事業者は、ユーザーから直接受け取った個人情報を、bPassport上のハッシュと照合することでその個人情報の真正性を確認。

ユーザー自身の情報に関する制御権を確保しながら、他者による本人確認を可能とする。

教育

techtec社は、教育データをブロックチェーンで管理する基盤としてPoLを提供。「学位・研究データの不正防止、学位・学歴の確認コスト削減、オンライン学習の継続率改善、学習プロセス評価の実現を促進する」としている。

配布

アクセンチュア社は、ID管理やサプライチェーン等の分野を中心にブロックチェーンの活用に取り組んでいる。デジタルID基盤や給食配給、災害時の物品配布などに導入している。

中央省庁

出典:農林水産省

農林水産省は、食品流通におけるトレーサビリティの確保やコスト削減のためのデータ活用を目的としたブロックチェーン利用の実証実験を実施している。食品事故のモデルケースとして、流通段階での耐改ざん性や、コスト削減効果などを調査。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/07 月曜日
13:57
ヴィタリックらがイーサリアムのトランザクションごとのガス上限を共同提案 DoS攻撃対策と安定性向上目指す
イーサリアムの共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏と研究者のトニー・ワースタータ氏は、ネットワークのセキュリティと安定性向上を目的として、トランザクションごとのガス使用量にプロトコルレベルの上限を導入するEIP-7983を提案した。
12:21
イーロン・マスク、新政党でビットコイン支持示唆 法定通貨への懸念表明
イーロン・マスク氏が新政党「アメリカ党」でビットコイン支持を表明。「法定通貨は絶望的」と発言し、暗号資産への姿勢を鮮明に。トランプ氏との対立から第3政党設立へ。2026年中間選挙で限定的な議席獲得を目指す戦略も明らかに。
12:15
UAE当局、トンコインによるゴールデンビザ取得プログラムを否定=報道
アラブ首長国連邦当局がトンコインのステーキングでゴールデンビザを取得できるプログラムを否定した。当ビザの要件で仮想通貨投資家は対象外と表明している。
12:07
ビットコイン高値圏で推移、取引所の流入・流出比率は3年ぶり低水準に
ビットコインは109,060ドルで小幅上昇。取引所流入・流出比率が0.9まで低下し、2023年弱気相場以来の最低水準を記録。昨年11月の米大統領選以降、約20万BTCが取引所から流出し、残高は280万BTCと7年ぶりの低水準となった。これは投資家の長期保有志向の強まりを示しており、短期投機から長期価値投資へのシフトが鮮明になっている。
09:22
米シークレットサービス、過去10年間で犯罪関連の仮想通貨580億円相当を押収
米シークレットサービスが過去10年間で4億ドル相当の仮想通貨を押収した。米国では豚解体詐欺による銀行破綻も発生しており捜査当局は仮想通貨が関連する犯罪への対処を進める。
07/06 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、ETH価格特化の新組織誕生や米国初のソラナ現物ステーキングETF上場など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン週次レポート:1600万円台を窺う展開、トランプ減税法案通過で相場底堅く推移|bitbankアナリスト寄稿
今週のビットコイン(BTC)対円相場は1600万円を窺う底堅い展開。トランプ減税法案上院通過で1520万円台で下げ渋り、ADP雇用レポート下振れによる早期利下げ観測で1570万円台に回復した。bitbankアナリスト長谷川氏は下降チャネル突破も11万ドル乗せに苦戦と分析。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|BitwiseのBTC20万ドル到達予測維持に高い関心
今週は金融アドバイザーの推奨ポートフォリオ、Bitwiseのビットコイン20万ドル到達予測維持、アリゾナ州知事による押収仮想通貨の準備基金法案への拒否権行使に関するニュースが最も関心を集めた。
07/05 土曜日
13:40
トランプ一族の「World Liberty Financial」、WLFIトークンの取引開始を提案
World Liberty Financialが仮想通貨WLFIトークンの譲渡可能化を提案。早期支援者のトークンがアンロックされる見込み。
13:00
リップル社、シンガポールでXRPLの起業家育成プログラム開催へ 最大20万ドル資金提供
リップル社がシンガポールでXRP台帳基盤の起業家育成プログラムを開始する。RWAトークン化・DeFi・AI分野などに焦点を置き、最大20万ドルの資金提供を予定している。
10:20
1兆円相当ビットコインが移動も、構造的売り圧力は限定的か=Bitcoin Vector分析
14年以上動かなかった8万ビットコイン(約1.2兆円)が8個のアドレスから移動。仮想通貨取引所への売却ではなくOTC取引との見方も。
09:45
ロシア国営ロステック、トロンでステーブルコインRUBx発行へ 制裁回避狙いも
ロシア国営企業ロステックがルーブル建てステーブルコインRUBxを年内に発行する予定だ。決済プラットフォームRT-Payも立ち上げる。経済制裁回避の意図もあるとみられる。
08:20
Mercado Bitcoin、XRPレジャーで約300億円の資産トークン化計画
ブラジルの仮想通貨取引所Mercado BitcoinがXRPLで実世界資産トークン化を拡大。南米機関による最大規模の取り組み。
07:10
英上場ゴールド探査会社Hamak Gold、ビットコイン財務戦略導入で247万ポンド調達
ロンドン上場のHamak Goldが仮想通貨戦略転換を発表。カタール王族系投資ファンドも参加し株価6%上昇。
06:55
14年以上動かなかったビットコイン、合計1兆円相当が移動 警戒感高まる
14年以上動かなかった合計1兆円相当の仮想通貨ビットコインが、8個のアドレスから移動したことがわかった。当時からどのくらい価値が増えているのかも明らかになっている。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧