TikTokが金融商品の宣伝を禁止
若い世代に人気の動画共有サービス「TikTok」が、暗号資産(仮想通貨)を含め、様々な金融サービスや商品の広告を新たに禁止した。
TikTok公式は、「資産の貸与や管理サービス、仮想通貨、外国為替、ねずみ講、投資サービス、迅速な金儲けを呼びかけるプロジェクト」などの範疇を挙げた。新コンテンツポリシーは宣伝的な要素が濃いものを含む、金融商品を取り扱うすべてのコンテンツに適用されるという。
6月に、TikTokは市民にオンラインアドバイスを提供する英国のNPO「Citizens Advice」と協力して、ユーザーが詐欺などから身を守れるようにする教育コンテンツを作成していた。金融用語や専門用語を解説して、ユーザーがお金に関して知識を持って、自主決定できるようになるための動画だ。
背景としては、他のオンラインプラットフォームと同様、TikTokでも投資など金融に関する情報が多く流れるようになったことも挙げられる。例えば2020年夏には、ドージコイン(DOGE)に投資を呼びかける投稿に6万超の「いいね」がついた事例がある。
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ドージコイン(DOGE)
2013年にジョークとして開発された仮想通貨。2021年2月にイーロン・マスク氏が、ツイッターでドージコインについて盛んに投稿したことをきっかけとして人気が急上昇した。パロディ通貨としての側面を持つ一方で、通貨の開発・改良も積極的に行われている。
▶️仮想通貨用語集
「金融についての教育が重要」
英国の独立系金融アドバイス組織「Informed Choice」のクライアント教育責任者Martin Bamford氏は、今回の禁止について次のように解釈した。
TikTokは、投資プラットフォームにつながるアフィリエイトリンクなど、直接的または間接的に企業にスポンサーされたコンテンツを制限しようとしているのではないか。
新しいルールが、規制対象となる企業や個人にどのような影響を与えるかはまだわからない。
またBamford氏は「金融について人々を教育することが詐欺と戦う最良の方法」であるため、TikTok上にそうした教育コンテンツを投稿する余地が残されていることに期待した。仮想通貨について注目が高まり流通する情報が増えるにつれ、関連詐欺も多くなっている。
インフルエンサーになりすます詐欺も
インフルエンサーになりすまして、視聴者にダイレクトメッセージを送りつける投資詐欺も報告されている。
TikTokで人気の仮想通貨インフルエンサー「CryptoWendyO」氏によると、「すべてのソーシャル・メディアでなりすまし詐欺が発生しているが、特に仮想通貨の分野では多い」という。
こうした詐欺師は、あるインフルエンサーの名前を騙って、偽の有料グループへ勧誘したり、ユーザーから秘密鍵や資金を引き出そうとしたりするものだ。