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ビットコインなど仮想通貨市場反発、FOMC無風通過と中国恒大グループ懸念後退で

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ビットコイン相場と金融マーケット

23日の暗号資産(仮想通貨)市場。ビットコイン価格は、前日比+3.9%の475万円(43,360ドル)と反発した。

75日移動平均線の42,990ドルを再び上回っており、43,000ドル付近のレジスタンスライン(上値抵抗線)を超えて推移できるかどうかが目先の焦点か。200日移動平均線は、45,735ドル。

9月以降2度に渡って引き起こされた急落局面では、大規模のロスカットが発生。デリバティブ市場のOI(未決済建玉)解消など信用整理で、短期的な過熱感はほぼ無くなったと言っていいだろう。価格的にも、40,000ドル前後のサポートライン(下値支持線)は押し目買いが入りやすい水準と言える。

懸念後退でセンチメント回復もみられるが、8月〜9月上旬まで堅調に推移していた上昇トレンドチャートが大きく崩れたことは否めない。直近高値から1万ドル以上の調整を挟んだ4万ドル前後は、押し目(買い場)との見立てがある一方で、4万ドル水準を割り込めば下落トレンド転換懸念が強まるほか、強気トレンド再開のためには十分な「日柄調整」が必要との見方がある。

アルト市場回復基調

ビットコインなど仮想通貨市場が反発した背景には、FOMCの無風通過と世界同時株安を引き起こした中国恒大グループの懸念後退がある。投資家心理が改善され、22日の米株式市場では、ダウ平均株価が5営業日ぶりに反発した。

出典:Messari

アルトコイン市場も及び腰ながらも全面高となった。国内上場銘柄では、イーサリアム(ETH)が前日比+6.43%、XRP(リップル)が前日比+9.23%と下落率の高かった通貨が値を戻している。

MessariのTOP10ラージキャップアルトの前月比を確認すると、ビットコイン(BTC)が-8.93%、イーサリアム(ETH)が-3.37%、XRP(リップル)が-12.68%となっている中、Coinmarketcap(CMC)時価総額6位まで躍り出たソラナ(SOL)の前月比+111.49%が異彩を放つ。

最も普及するイーサリアムチェーン基盤のdAppsやDEXなどの分散型サービスでは、日本円換算で5,000円を超えるようなガス代(トランザクション手数料)高騰が常態化し、問題となっている。先行するETHチェーンがスケーラビティ問題で足踏みする中、安価なネットワーク手数料と高速チェーンを武器にする代替チェーンの発展が著しい。

特にソラナは、NFT(非代替性資産)マーケットプレイスなど経済圏がここ数ヶ月で急台頭したほか、分散型取引所で実施される「IDO(Initial DEX Offering)」なども投機マネーを集めて人気化した。一方、14日にはソラナチェーンの稼働が12時間近くも停止するという前代未聞の事態が発生。現在のSOL価格146ドルは、先日記録した過去最高値200ドル水準と比較すると大きく下落している。

関連:仮想通貨ソラナのブロックチェーン、10時間以上稼働停止

FOMCとテーパリングの影響

23日の相場で世界中の金融マーケットから注視されていたのが、FOMC(連邦公開市場委員会)の動向であるが、結果的に無事通過した。

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は会見で、「早ければ次回会合でテーパリング(量的緩和縮小)基準を満たす可能性がある」ことを示唆。11月にも正式に判断する意向を示した。

一方で、利上げの開始条件に対しては「現状では程遠い」との見立てを示している。

米国は昨年3月、新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済危機と「コロナ・ショック」による株価暴落を受け、国債などの資産の大量買い入れによる「量的緩和(大規模金融緩和)」による金融政策・経済支援策を打ち出した。その結果、いわゆる緩和マネーを呼び込み、昨今の株高や仮想通貨高局面へとつながった節がある。

そのため、これに逆行するテーパリングなど金融引き締め策は、リスク資産からの資金の逆流を引き起こすとの懸念が取り沙汰されていた。

その点においてFRBは、これまでかなり慎重なハンドリングを心がけているように見受けられる。市場の動揺を招いたバーナンキ・ショックを引き起こした過去の教訓からソフトランディングを図っており、市場もこれを織り込みつつある。米国の実体経済や企業の業績は回復しつつあり、ネガティブサプライズがない限り、株式市場は大きく崩れないと見る向きもある。

翻ってビットコイン(BTC)は、ゴールド同様、米ドルなど法定通貨のインフヘッジ需要で選択肢にあがる「オルタナティブ(代替)資産」でありながら、一方で投機的かつボラティリティの激しい「リスク資産」としての性質を併せ持つ。

したがって、今回のケースやコロナ・ショック時のように”金融の不確実性”が極端に高まった場合、ポートフォリオ縮小やロット調整などリバランスを進める投資家にとっては現金化の優先対象となりやすい。リスク資産を売却して手元の現金比率を高めるキャッシュ選好。すなわち「キャッシュ・イズ・キング」の典型的な動きである。

相場の混乱がピークに達した20年3月のコロナ・ショック時には、株式市場を発端に追証回避(反対決済による証拠金維持率引き上げ)の動きが加速。ビットコインなど仮想通貨が前日比-50%近く暴落したほか、本来、安全資産であるはずのゴールドや、安定的キャッシュフローが期待される不動産REITなども投げ売られたことが記憶に新しい。

中国情勢と市場心理

FOMC後の記者会見でパウエル議長は、市場を揺るがす中国恒大グループの経営破綻・債務不履行(デフォルト)危機にも言及。 「過剰な債務問題を抱える中国特有の状況にあり、米国としては直接大きなリスクにさらされていない」とした。

中国恒大グループは、23日期日の「人民元建て債」の利払いを実施すると発表した。

その一方、同グループの資金繰りが急速に悪化する中、「ドル建て債」の利払いについての支払いについては明言していない。手持ち資産の売却などを進めるが、買い手が付かず目処は立っていないとされる。2022年以降も多額の債務履行が必要なことから、債務不履行(デフォルト)は時間の問題と見る向きも強い。

また、新型コロナの感染拡大の影響による景気後退や、不動産バブルを懸念する中国当局の規制強化・締め付けにも起因するところがあり、今後同様の事例が発覚するおそれもあるなど、楽観視するにはまだ早い。当面は予断を許さない局面と言えそうだ。

株式市場の急激なリスクオフに伴い、ビットコイン市場では、投資家心理を示す「Fear&GreedIndex」が大きくマイナスに振れ、総悲観とされる極端な恐怖(Extreme Fear)水準に達していた。同指標の数値は、ボラティリティ、市場のモメンタム、SNSの感情分析などから算出される。

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