NFTアートのオークション開催
SBIアートオークション株式会社は8日、NFTアートオークションを10月30日に開催することを発表した。ゲストキュレーターには、文化研究者の山本浩貴氏を迎える。
作品のNFT(非代替性トークン)化は、スタートバーン株式会社が提供するアートの流通専用のブロックチェーンインフラ「Startrail」を活用。両社は2019年より美術品オークション市場の活性化に向けて、アート作品のブロックチェーン証明書発行等で業務提携を締結していた。
Startrailは、作品の来歴、展示やオークションの履歴など、作品に関する多岐に渡る情報を永続的に記録することで、信頼性と真正性を担保。また、作品の二次流通時における取引や利用について、アーティスト自身が事前に独自の作品規約を設定することが可能なブロックチェーンシステムだ。
NFTとは
「Non-Fungible Token」の略称で、代替不可能で固有の価値を持つデジタルトークンのこと。ブロックチェーンゲームの「デジタルアイテム」交換などに用いられるのみならず、高額アート作品の所有権証明や、中古販売では実現の難しかった「二次流通市場」における権利者(クリエイター)への画期的な還元手段としても注目を集める。
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NFTオークションの目的
SBIアートオークションは、現在のNFTアートを巡る状況について、21年3月に著名アーティストBeeple氏の作品が75億円で落札されてからというもの、「現代アート界の反応は落札金額や大御所作家の新しい取り組みに対する報道が中心となっている」と説明。その上で次のように見解を示した。
…NFTの導入で、映像等デジタルデータ作品の価値づけのための唯一性が担保されるようになり、 オンライン上で売買、保管するインフラが整備されつつあります。
SBIアートオークション株式会社は現在の動向を歴史的事象と捉え、アートオークションという多様な作家が登場する舞台でスポットライトを当てるとともに、文化研究者の山本浩貴氏と共に美術史文脈での位置づけについて探ります。
今回、キュレーターとして迎えられた山本浩貴氏は、現在は金沢美術工芸大学で芸術学専攻講師を務めており、「SEA(社会関与型芸術)」と総称される現代美術の社会的実践に関する研究に従事している人物だ。
NFTはデジタル・アートやメディア・アートなどの新しいテクノロジーを取り入れた芸術ジャンルと結びつけられやすいが、そうした見方に加えて「美術史的な観点を導入することによって、さらに広い視野から現代アートにおけるNFTの意義や可能性を俯瞰する」ことが本セールのテーマであると述べている。
その他、金沢21世紀美術館館長や東京藝術大学大学院の国際芸術創造研究科教授、キュレーターなどを務める長谷川祐子氏も登壇を予定している。
出品される作品は日本人アーティストのものも含めた全8品。会場は東京都渋谷区のヒルサイドフォーラムだが、来場せずとも、電話・書⾯による事前⼊札のほか、オンラインでの入札参加も可能。