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フェイスブックのNoviウォレット、コインベース・Paxosと実証実験

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

グアテマラと米国間で試験運用

暗号資産(仮想通貨)Diem(旧Libra)の共同創設者デービッド・マーカス氏は19日、中米グアテマラと米国間で、フェイスブックの仮想通貨ウォレット「Novi」の試験運用を開始したと発表した。

マーカス氏によると今回の試験運用は、アプリの基本的な機能および顧客サービスとコンプライアンス面をテストするものだという。また、決済手段としてのステーブルコインの有用性を示す良い例となることを期待していると語った。

Noviの実証実験に使われるのは、仮想通貨サービス企業Paxosが発行するステーブルコインPax Dollar(USDP)。米大手仮想通貨取引所のコインベースがカストディを担当する。

実験に参加するNoviユーザーは、自身のアカウントからUSDPを取得するが、ユーザー資金はコインベースのカストディ部門「Coinbase Custody」が管理する。Coinbase Custody Trust Companyは、米ニューヨーク州金融サービス局の規制に準拠した信託機関であり、同社の保険はNoviユーザーにも適用されるという。

仮想通貨Diem

仮想通貨Diemを運営する非営利団体Diem協会(スイス拠点)によると、Diemは「グローバルな通貨・金融インフラ」であり、ステーブルコインとしての機能を提供する。

Diemの前身であるリブラは、複数の法定通貨による「バスケット型」の裏付けを基準とする予定だったが、米国をはじめとする世界各国政府や金融当局から痛烈なバッシングを受け、大きく方針を転換。Diemは単一の通貨に連動するステーブルコインとして再スタートを切った。(複数の発行を予定)

関連:仮想通貨リブラ(ディエム)とは|初心者でもわかる特徴を解説

Noviは仮想通貨Diemの専用ウォレットとして開発されたもので、当初はCalibraという名称だったが、2020年5月にリブランディングされた。今年8月に米国のほとんどの州でライセンスを取得したと報道されたが、正式なローンチ時期については明らかにされていない。

関連:仮想通貨ディエムのウォレット「Novi」、米国のほぼ全州で認可を取得

今回の実証試験ではUSDPが使用されるが、NoviがDiemをサポートしていることに変更はなく、規制当局の承認後はDiemと同時にNoviをローンチする予定だとマーカス氏は改めて強調。Noviとしては相互有用性を重視しているが、「試験運用の先にあるビジネスモデルは明確である」として、次のように述べた。

我々は決済の挑戦者であり、Noviを使った個人間の無料決済を提供していく。強固な顧客基盤を確立した後には、より安価な商業決済を提供し、加盟店向けのサービスで利益を上げていく。

米上院銀行委員会からの反発

しかし、名称やシステムの変更を持ってしても、依然としてDiemに対する風当たりは収まらないようだ。

米上院銀行委員会のSherrod Brown委員長を筆頭に、同委員会のElizabeth Warren議員、Tina Smith議員、そしてRichard Blumenthal議員およびBrian Schatz議員の5人は連名で19日、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOに宛て、DiemとNoviの停止を求める書簡を送った。

書簡では、最近の内部告発者による、フェイスブックの若年層ユーザーに対する配慮の欠如と利益優先の姿勢を指摘。「貴社を取り巻くスキャンダルの影響を考慮し」、仮想通貨ウォレット立ち上げという復活した取り組みに対し「最も強い反対を表明する」と警告している。

また、2019年の下院公聴会で、ザッカーバーグ氏が金融規制当局の承認なしに仮想通貨リブラ(当時)の決済システムを稼働することはないと証言したことに言及。さらにマーカス氏の「適切な規制の枠組みなしには稼働しない」との発言も引用した。

ステーブルコイン全般についても、金融活動作業部会(FATF)のG20への報告書や、大統領金融市場作業部会(PWG)が表明した不正使用に対する懸念に言及し、警戒をあらわにした。

議員らは、フェイスブック社のリスク管理や消費者の安全確保の能力が「まったく不十分であることが証明されている」ことから、決済システムやデジタル通貨の管理を任せることはできないと主張し、次のような厳しい言葉で書簡を締めくくった。

我々はNoviの試験運用を直ちに中止し、Diemを市場に投入しないと約束することを強く求める。

リブラとは

リブラとは、米フェイスブック社が開発を主導する仮想通貨(ステーブルコイン)で2019年6月にホワイトペーパー(事業計画書)を発表。新たな国際通貨として普及を目指すと発表したが、フェイスブック社のユーザー数が非常に多いことから、現在の金融システムに与える影響等を懸念した各国の政府・規制機関から批判の声が相次いだ。その後、Diemに名称を変更した。

▶️仮想通貨用語集

追記:フェイスブック社は来週、「Connect」という同社の年度AR/VRイベントで、会社の改名を発表する予定が報じられた。新名称はメタバース(仮想現実)への事業フォーカスを反映するものと見られる。

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