銀行のビットコイン参入で新たな事例
米国のニューヨークを拠点とする商業銀行が、新たにビットコインの取引・保管サービスへの参入を発表した。
1929年に設立されたFlushing Bankの持株会社であるFlushing Financial Corporationは25日、ビットコイン関連のプロダクトを提供するNYDIGと提携し、顧客がビットコインの購入、販売、保管を行えるサービスを提供する。サービスの開始時期については2022年第1四半期を予定しているという。
Flushing Financial CorporationのCEO兼社長、John R. Buran氏は、プレスリリースで次のようにコメントした。
デジタルトランスフォーメーション(DX)に対する取り組みの中で、我々は新たな市場のトレンドや代替金融サービスに対する顧客のニーズを捉えることの重要性を認識している。
NYDIGとの提携により、「ビットコインの取引を安全かつセキュアな環境で行える統合されたソリューション」を提供できるとしており、今後の更なる情報については、Flushing BankのWebサイト上に掲載されるという。
銀行と提携進めるNYDIG
NYDIGは「ビットコインを万人にとっての普遍的な選択肢にするための包括的な金融システムの構築」を掲げており、昨年の12月には、FTXを超える業界最大規模となる10億ドルの資金調達を行った。
企業や公的機関のビットコインへの投資や関連サービスの導入支援などで幅広いサービスを提供するほか、昨年1月にはビットコイン決済サービスBottlepayを買収している。
また、回答者の81%が銀行からビットコインを購入することに関心があるとした同社の調査を基に、伝統的な銀行との提携を積極的に進めている。
先日、ビットコインの売買サービスを発表したことで米銀初の事例となったFive Star銀行もまた、NYDIGとの提携によってサービスを実現した。
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そのほか、NYDIGは米国銀行協会及び米国独立銀行協会と提携しており、今後は米国内の中小銀行で、同様のビットコイン取引サービスの提供事例が増加していく可能性がある。