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軍事的緊張高まるウクライナ、仮想通貨の寄付が急増

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨で寄付

ブロックチェーン分析企業Ellipticは8日、ロシアとの軍事的緊張が高まるウクライナで、対露戦略支援のために暗号資産(仮想通貨)による寄付が急増していると報告した。

ウクライナ政府やウクライナ軍を支援するNGO(非政府組織)など、有志団体への資金提供手段としてビットコインが活用されている。これまでに、総額数十万ドル(数千万円)相当が集まったことが明らかになった。

ソ連崩壊以後、政治および経済的混乱が続いたウクライナでは、ロシアによる2014年のクリミア侵攻に国軍が対処できないほど軍備が衰えていたという。その際に、兵力や装備、武器、医療品などを提供したのが、個人からの寄付金で資金調達したNGOや有志団体だった。

Ellipticは、これらの団体が使用している仮想通貨ウォレットを特定し、これまでに総額57万ドル(約6,580万円)相当の資金を受け取ったことを突き止めたという。その大半が昨年寄付されたもので、2020年の仮想通貨による寄付は6,000ドル(69万円相当)に過ぎなかったが、ロシアとの対立が先鋭化したこともあり、2021年には900%以上増加した。

どのような団体なのか

Ellipticは、仮想通貨で寄付を受け入れている代表的な団体について、検証している。

Come Back Alive (「生きて帰れ」)

2018年に仮想通貨の受け入れを開始した「Come Back Alive」は、ビットコインによる寄付が急増した団体の一つだ。2021年後半には、およそ20万ドル(2,310万円相当)を受け取った。

Come Back Aliveはウクライナ軍に支援を行っている中で最大級の組織で、軍事装備や軍事訓練、医療用品を提供している。砲兵部隊にドローンによる偵察システム開発資金を提供したこともあるという。

ウクライナ・サイバー同盟(Ukrainian Cyber Alliance)

ウクライナ・サイバー同盟は、仮想通貨による寄付のみを受け付けている。

過去1年間の受取額は約10万ドル(1,160万円相当)で、ステーブルコインをはじめ、ビットコイン、イーサリアム、ライトコインといったアルトコインも利用された。同団体は、ロシアをターゲットにしたサイバー攻撃を行うこともあり、その対象はロシア国防省、プロパガンダサイト、ウクライナでロシア関連の活動する個人だという。

活動で収集された情報は、ウクライナの法執行機関や諜報機関と共有されているようだとEllipticは報告した。

サイバー・パルチザン (Cyber Partisans ):ベラルーシのハクティビスト集団

ビットコインの寄付を受け付けており、過去6ヶ月で8万4,000ドル(約970万円)相当のビットコインを受け取った。

ベラルーシの鉄道網に対する攻撃で、ウクライナ国境に向かうロシア軍を妨害。

ハクティビスト

ハクティビストとは、ハッキングを利用して、社会的・政治的な主張を実現しようとする活動家。ハッキングとアクティビスム(activism=行動主義)を掛け合わせた造語。

▶️仮想通貨用語集

Myrotvorets Center

キエフに拠点を置き、ウクライナ政府や法執行機関と強いつながりを持つNGO。 「ウクライナの敵」とみなされるロシア人、傭兵、ジャーナリストなどの個人情報を公開。同団体による自宅住所の公開後、作家と議員が暗殺され、物議をかもしだした。PayPalがアカウントを封鎖し、資金が押収された。

2016年から仮想通貨による寄付を受け入れ、写真から「過激派や戦争犯罪者」を特定可能な顔認識アプリ・プロジェクトの資金調達に成功。これまでにビットコインで26万8,000ドル(約3,100万円)超を受け取る。

資金の一部に過ぎない

仮想通貨による寄付は、ロシアが2014年に「ドンバスを救え」キャンペーンで使いはじめた資金調達の手法だという。

しかし、Ellipticの調査によると、寄付金の大半は銀行送金やオンライン決済サービスなど従来の決済方法を用いたもので、仮想通貨の割合はごくわずかにすぎなかった。

一方、上記のウクライナ団体の中には、政府と密接な関係にある団体もあることから、国家による資金調達手段として、仮想通貨が注目される傾向にあると同社は指摘。イランのビットコインマイニング(エネルギー資源の収益化)や、北朝鮮のハッキング活動などを、その例として挙げた。

ウクライナ情勢への対応

ウクライナ情勢が緊迫する中、日本政府は輸入液化天然ガス(LNG)の一部を欧州に融通する方針を決めるなど、異例の措置を発表。主要輸出国であるオーストラリアも有事の際には、欧州の要請に応じて供給するという。

いずれもウクライナへのロシア侵攻により、欧州諸国での天然ガス供給が途絶える事態に備えてのことだ。

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