CoinPostで今最も読まれています

CoinPostスイスミートアップ活動報告+現地ブロックチェーン企業インタビュー内容

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

スイスでCoinPostがミートアップを開催
日本の仮想通貨事業の活発さ、日本の規制、取引所の展開について情報発信することと、スイスの方々との交流と取材を目的にミートアップを開催しました。
『クリプト・バレー』ツーク
高層ビルなども少ない小さな町のツークに数々のブロックチェーン、仮想通貨企業が拠点を置いていました。その実態について解説します。
チューリッヒ 訪問・インタビュー
以下の3名にインタビューさせていただきました。
  • Crypto valley Association:Kevin Lally氏
  • Consensys:Tom Lyons氏
  • Trust Square:Frederic Meyer-Scharenberg氏
クリプト・バレーとは
スイスでもっとも小さい州、ツーク。仮想通貨・ブロックチェーン企業が集まる町として世界的にも注目されておりアメリカ、シリコンバレーにちなみ、クリプト・バレーと呼ばれている。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

エコシステムとは
業界や製品がお互いに連携することで大きな収益構造を構成する仕組み。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

CoinPost編集部は先月、アメリカ、ドイツ、スイスと世界各地で取材を重ねてきました。

中でもスイス、チューリッヒではCoinPostミートアップを開催し、クリプト・バレーと呼ばれるツーク州へも足を運びました。

今回の記事ではミートアップの様子とスイスでの活動内容をまとめさせていただきます。

スイスの活動内容まとめ

  • 1日目:ミートアップ(チューリッヒ)
  • 2日目:ツーク訪問、Consensys、Cryptovalley、Trust Squareを取材(チューリッヒ)

2泊3日の短い間でしたが、たくさんの方々にお会いすることができました。

1日目はCoinPost編集部がスイス・チューリッヒでミートアップを開催しました。

2日目はTrust Squareと呼ばれるブロックチェーン・コワーキングスペースにてConsensys、Cryptovalley、Trust Squareへ取材をさせていただきました。

CoinPostスイスミートアップ開催経緯

ミートアップを開いた目的は下記の2点です。

  • 日本の仮想通貨、ブロックチェーン関連情報のシェア
  • クリプトバレーと呼ばれるスイスを知る、スイスで活動する仮想通貨・ブロックチェーン企業との交流

日本は仮想通貨先進国であり、この業界内での注目度が高い国の一つです。

CoinPost編集部も多くの日本ブロックチェーン事業やプロジェクトに取材を続けているため、日本の仮想通貨事業の活発さ、規制状況、取引所の展開、そして仮想通貨コミュニティーの熱意を世界に伝えたいという思いがありました。

また、サンフランシスコベイエリアがシリコンバレーと呼ばれているように、スイスのツーク州は『クリプト・バレー』と呼ばれています。

そこで、なぜスイスはクリプトバレーと呼ばれ仮想通貨・ブロックチェーン企業がスイスに集まるのかを知るため、現地で実際にミートアップを行い、スイスの方々の意見を聞く場を設ける事が狙いでした。

スイスミートアップ

スイスのデジタル・マーケティング企業what. にご協力していただき、海外でミートアップを行うことにしました。

思った以上に人数も集まり、国をまたいで仮想通貨やブロックチェーンに関して議論する場を提供する事が出来ました。

また、CoinPost編集部も登壇し、日本の現状についてプレゼンテーションをさせていただきました。

出典:CoinPost撮影

Coincheckハッキング事件のことやマネックス社がCoincheckをグループ入りした件など、日本のこの業界では大多数が知っているであろうことが海外では知られていない、または詳細までは知らない方が多い印象でした。

まだまだ日本の仮想通貨情報はシェアされていないのではないかと考えさせられると同時に、皆さんから日本マーケットに関するたくさんの質問をいただき、関心の高さを感じました。

ミートアップの時間だけでは全ての質問に対応しきれなかったので、ミートアップ後もイベントに参加していただいた方とレストランへ行き、仮想通貨やブロックチェーンの話を続けました。

クリプトバレー・ツーク訪問

スイスのツークはクリプトバレーと呼ばれ、イーサリアム財団を始め、世界中の仮想通貨、ブロックチェーン企業が本拠地を置いております。

またスイスツーク州は特に税金が他の州に比べても安いと言われ税金天国の場所とも呼ばれ法人税についても優遇措置をとっており、海外から本社をスイスへ移転する企業も多いとのことです。

そんなツークはブロックチェーン、仮想通貨企業が集まる町として世界的に有名ですが、実際には湖や緑に囲まれ非常に静かで、高層ビルも少ないのどかな町でした。

出典:CoinPost撮影

イーサリアムの本拠地はこちらにあるという噂を耳にし、実際にイーサリアム業界で働く方へ伺ったところ、ツーク州で仕事をしているわけではなく、イーサリアム財団の方々は世界中で分散して働いていると聞きました。

そのため実際にオフィスで多くの開発者が働いているわけではないそうです。

出典:CoinPost撮影

しかし、駅から降りてすぐの場所には、ブロックチェーン企業が集まるコワーキングスペース、Cryptovalley Labsがあり、そちらでは多くの企業が活動拠点にしていました。

出典:CoinPost撮影

仮想通貨ADA を発行するCardano財団やShapeshift、Bitmain、Melonport、Crypto Valley Association、Aragon、Consensysなど数多くの企業がこちらに拠点を置いていました。

出典:CoinPost撮影

訪れた日、スイスは休日だったため、こちらで仕事をしている方々にお会いすることはできませんでしたが、Cardano財団やBancoreなどの企業はオフィスも構えていました。

チューリッヒ訪問

今回の取材で1つの事実が判明しました。

それはクリプトバレーはツークと言われてはいるものの、実際に企業が働いている場所はツークではなく、チューリッヒだということです。

スイスの首都はベルンですが、実際スイスの最大都市はチューリッヒと言われています。

ツークとチューリッヒの距離は電車、又は車で30分と問題なく通勤できる距離でした。

ツークに本拠地を置き、実際にはチューリッヒで活動をしている企業も多いとのことです。

出典:GoogleMaps

ツークとは違いチューリッヒの中心地は多くの建物に囲まれており、金融の中心地である事を感じさせる街並みでした。

インタビュー内容

またスイスで活動するブロックチェーン企業の方々へ取材をさせていただきました。

出典:CoinPost撮影

今回はこちらの方々にインタビューをさせていただきました。

  • 左:Crypto Valley Association(以下クリプト・バレー協会) :Kevin Lally氏
  • 中央:Consensys :Tom Lyons氏
  • 右:Trust Square :Frederic Meyer-Scharenberg氏
ConsenSys社John Lilic氏が語る:イーサリアムの今後と有価証券トークンやdApps開発の将来性
CoinPost編集部の取材に対し、John Lilic氏はイーサリアムのPoW→PoS移行、Sharding(シャーディング)について肯定的な意見を述べました。また、有価証券トークンやdApps開発への期待感も露わにしました。

Crypto Valley Associationはスイスの政府から正式な支援を受ける非営利ブロックチェーン協会です。

スイスに拠点を置く企業のみならず多くの仮想通貨、ブロックチェーン企業が加盟しており、最先端のブロックチェーン技術、仮想通貨で金融市場の構築という2つのスイスの強みを推進することを目的としています。

Consensysはニューヨークブルックリンを本拠地に置く世界最大級のイーサリアムブロックチェーン研究のブロックチェーン企業です。

Consensysはその高い専門知識を生かし、企業に向けたブロックチェーンコンサルティングやアプリケーション、インフラの構築を提供、世界の非中央集権化に向けたサポートを行なっています。

そして最後にチューリッヒにてブロックチェーン企業専門のレンタルオフィスを運営するTrust Squareです。

Trust Squareはブロックチェーン企業が一緒になって仕事ができる環境を作りブロックチェーン企業に特化してレンタルオフィススペースを提供するサービスを展開する企業です。つまり、上記で述べましたCrypto Valley Labsとは違い登記だけそこに収めるコワーキングスペースとしてその場を利用するようなことはできない仕組みとなっております。

有名な企業として、ConsenSys、Bitmainがオフィスを構えています。その他数十社がこちらのオフィスで働いていました。

ミーティングルームがBitcoin Meeting Roomと呼ばれるなど仮想通貨、ブロックチェーン企業ならではのアイデアがありました。

出典:CoinPost撮影

特に今回質問させていただいたことは何故、スイスにブロックチェーン企業が集うのかということです。

スイスは常に仮想通貨先進国として上位に名を連ねている国です。特にICOで集めた額が最も多い国ランキングの2位にも入っております。

出典:Hackernoon

実際に政府や大手銀行もブロックチェーンをサポートしており、仮想通貨に関して他の国に比べては寛容的です。

ICOに関しては以前より厳しく審査がされているということだそうですが、規制に関してもクリプト・バレー協会が政府と連携し枠組みを築いています。

現在、スイスではICOを規制する法律は存在しませんが、今後トークンを「決済トークン」、「ユーティリティトークン」、「資産トークン」の3つのカテゴリーに分類する法律が予定されているそうです。

これに関してCrypto Valley Association会長のKevin Lally氏は以下のように言及していました。

Crypto Valley Association:Kevin Lally氏

この枠組みは始まりでしかない。その次はテクノロジー発展、そして規制と考えています。

また、スイスのツーク州では仮想通貨での納税が今年初旬から可能となり、 ツークに企業が集う一因があります。

税金の話は一般的にスイスがどの企業にとっても拠点を置く魅力な点になるのですが、3人は特にエコシステムについて強く主張していました。

毎週のようにスイスではミートアップやイベントが行われ、仮想通貨コミュニティーが協力しあってこの業界を盛り上げているということです。

特にTrust Squareのようにブロックチェーン企業が集まり共に仕事をするケースも珍しくありません。

また、同社はチューリッヒの銀行地帯に拠点を置いており、スイス主要銀行の建物の目前にブロックチェーン企業があり驚かされました。

そんなTrust Square社のCEO、Frederic Meyer-Scharenberg氏はスイスの文化、政府について以下のように言及していました。

Trust Square:Frederic Meyer-Scharenberg氏

スイスは昔から協力する文化があります。ですのでたくさんの企業がこうして集まり仕事をしています。

仮想通貨やブロックチェーンに関してこうして我々が活動を続けていけば、数年後、銀行のブロックチェーン、仮想通貨に対する考え方は変わってくるでしょう。

また、ConsensysのTom Lyons氏もスイスの文化やスイスに拠点を置く理由についてこのように述べています。

Consensys:Tom Lyons氏

スイスは昔から非中央集権型コミュニティーがありそれぞれがルールを作ったり、データをシェアしたりブロックチェーンがオープンソースであるように、物を共有する文化が浸透しています。

また、スイスはたくさんの情報が飛び交うので企業拠点の一つとして置くのはとても良いことでしょう。

まとめ

今回、スイスでのミートアップを行い、仮想通貨やブロックチェーン企業の生の声が聞けたことは非常に貴重な体験でした。

海外でのミートアップは初めてでしたが、非常に価値があったと考えており、今後も海外でもミートアップを通じて日本の仮想通貨情報をシェアし、少しでも海外の方々が日本市場により関心を持っていただけるような活動を続けていきたいと考えております。

また、『クリプト・バレー』と呼ばれている場所はツークですが、実際の活動拠点はツークではなく、金融都市チューリッヒだということも知る事ができました。

税制もそうですが、エコシステムがどの国より確立しており、非常に働きやすい環境が整っていること、また政府と自主規制団体が協力し、スイスという国を最先端のテクノロジーの国であり続けられるように活動を続けていることが、この業界内での立ち位置を確立させたのでしょう。

様々な仮想通貨、ブロックチェーン企業が集まる国スイス。これからも注目です。

仮想通貨関係の事業を行う方々は一度スイスを訪れてみてはいかがでしょうか。

今回、まとめられなかったことや今後のCoinPostのインタビュー、取材活動に関してはTwitterfacebookを通してシェアさせていただきます。

ぜひフォローしてみてください。

▶️インタビュー記事一覧
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/26 金曜日
14:22
「ミームコインは危険なカジノのよう」米アンドリーセン・ホロウィッツCTOが警鐘鳴らす
米大手VCアンドリーセン・ホロウィッツの エディ・ラザリン最高技術責任者は、ミームコインを「危険なカジノ」に例え、仮想通貨エコシステムから「本物の起業家」を遠ざける可能性があると主張した。
14:00
米FBI、マネロン防止ルール非遵守の仮想通貨サービスに注意喚起
米連邦捜査局は、マネーロンダリング防止基準を遵守していない仮想通貨送金サービスを利用しないよう、アメリカ国民に対して呼びかけた。
12:55
BTC半減期後に最初に採掘されたSatoshi、3億円超で落札
仮想通貨ビットコインの半減期後に最初に採掘されたSatoshiがオークションで3億円超で落札。Ordinalsの誕生によって、今はレア度の高いSatoshiに需要が生まれている。
12:32
ビットコインの反騰失速、ブラックロックのETF(IBIT)への資金流入が初めて途絶える
暗号資産(仮想通貨)市場では、自律反発のビットコインが日足50SMAを抜けられず再反落。ブラックロックのビットコインETF「IBIT」への資金流入は、ローンチ後71日間で初めて途絶えた。
10:15
著名な「Buy Bitcoin」のサイン、1.6億円で落札
「Buy Bitcoin」と書かれた著名な法律用箋が、オークションで1.6億円で落札された。仮想通貨ビットコインで入札され、正確な落札価格は16BTCである。
09:40
フランクリン・テンプルトンの600億円規模「BENJI」トークン、P2P送信可能に
米大手資産運用企業フランクリン・テンプルトンは、米国政府マネーのトークン化ファンドFOBXXで資産のピアツーピア送信を可能にしたと発表した。
08:30
強気相場継続の兆しか? パンテラが新たな仮想通貨ファンドで1500億円以上調達計画
2024年の仮想通貨相場感が2023年から好転しておりVCの調達案件も着実に増えている状況だ。昨日、野村グループのLaser Digitalが主導するラウンドで、zkSync Era基盤のWeb3ゲーム開発会社Tevaeraは500万ドルを調達した。
07:35
ETHの証券性巡りConsensysがSECを提訴
仮想通貨イーサリアムは証券ではないとの判断などを裁判所に要請するため、 Consensysが米SECを提訴。同社は事前にウェルズ通知を受け取っていた。
07:15
米SEC、イーサリアム現物ETF申請を非承認する可能性高まる
イーサリアム現物ETFの米国での承認は不透明。SECとの一方的な会合や訴訟の影響で、2024年後半までの承認延期が予想されETH今後の価格に下落圧力がかかっている状況だ。
06:50
米Stripe、ソラナやイーサリアムでUSDC決済を導入予定
Stripeは2014年に初めて仮想通貨ビットコインの決済を導入した経緯がある。しかしその4年後の2018年にビットコインのバブル崩壊を受け同社はその取り組みを中止した。
05:50
モルガン・スタンレー、ブローカーによるビットコインETF勧誘を検討
最近の仮想通貨ビットコインETF資金流入状況に関しては昨日、ブラックロックのIBITが1月11日ローンチ以来初めて資金流入がゼロとなり、71日連続の流入記録が終了したことが確認された。
04/25 木曜日
17:42
ワールドコイン、仮想通貨WLDのトークンセールを計画
Worldcoinが個人認証に基づくベーシックインカムプロジェクトの拡大へ、機関投資家限定で暗号資産(仮想通貨)WLDのプライベートセールを計画。市場価格に近い価格で提供し、転売禁止やロックアップ措置を導入する。
15:00
ビットコイン強気相場継続の根拠、アーサー・ヘイズ氏語る
仮想通貨取引所BitMEXの創業者で元CEOのアーサー・ヘイズ氏は、世界各国で法定通貨の供給量が拡大し続ける中、ビットコインをはじめとする仮想通貨の強気相場は今後も継続するとの考えを示した。
13:20
2028年の半減期に向けてビットコイン価格など5つの予測=Bitwise
Bitwiseの最高投資責任者は次の半減期までにビットコインに起こる5つのことを予想。ビットコイン価格は約3,880万円以上になるとする予測も含まれる。
10:25
ビットコインの供給インフレ率、金を下回る=レポート
Glassnodeは4回目の半減期についてレポートを発表。ビットコインの供給インフレ率がゴールドよりも低くなり、希少性が増したと述べた。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
2024/04/27 10:30 ~ 20:00
東京 東京都渋谷区
2024/04/27 10:30 ~ 20:00
東京 東京都渋谷区
重要指標
一覧
新着指標
一覧