今週(6月25日〜7月1日)の仮想通貨相場
国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
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bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)
6月25日〜7月1日レポート:
今週のビットコイン(BTC)対円相場は節目の2万ドル水準(≒271万円)を割り込み上値の重い展開となっている。
2.1万ドルをサポートに始まった今週のBTC相場だったが、米証券取引委員会(SEC)のゲンスラー委員長が、「数多くの(仮想通貨)プロジェクトはコンプライアンスを遵守していない」とCNBCとのインタビューで発言したことで、アルトコインの値が崩れBTCも連れ安となった。週央に差し掛かると、米国の消費者信頼感指数が前月から低下し景気後退(リセッション)懸念が加速、BTCは米株の下落に連れ安となり、2万ドル割れを試す展開となった。
一時は同水準で下げ止まったBTC相場だったが、SECがグレイスケール(GS)のビットコイン投資信託の上場投資信託展開申請を却下したことや、米個人消費支出(PCE)発表を前に警戒感から米長期金利と株先物が急落。BTCにもリスクオフが波及し2万ドル下抜けとなると、高止まりしたPCEや、FTXがCelsiusの救済から手を引くとの報道が相場の重石となり、一時は1.88万ドルまで下げ足を速めた。
7月1日朝方には、相場下落によって蓄積されたショートポジションを狩り取るような買いが入り、相場はショートスクイーズを起こし反発したが、足元では早くも息切れとなっている。
今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でも75bpの利上げが決定されることが織り込まれ、リセッションに対する懸念も加速した。PCEの結果は双方の懸念を払拭する内容ではなく、むしろインフレ抑制に向けて不透明さが増した印象も否定できない。
1日のショートスクイーズを歓迎する声も散見されたが、より大規模なショートスクイーズが起きるには直近2週間のレンジを相場が上抜けする必要があるだろう。同期間では先物の資金調達率がマイナスに振れる傾向が見られ、相応にショートポジションが積み上げられていると指摘される。
ただ、上述のようにマクロ環境に変調の兆しはなく、大局的なトレンドの転換は依然として難しいと見ている。また、こうした中でビットコインのハッシュレートは木曜日に急反発し250Ehash/sに到達しており、採掘競争激化で退場するマイナーの換金売りも想定される。勿論、マイナーの淘汰が進めば競争率も低下し需給バランスは改善されるが、それが起こるには相場の更なる下落も覚悟しておくべきだろう。
来週は6月FOMC会合の議事要旨が公開される。今年は1月と4月にFOMCの議事要旨が要因で相場が下落してきた経緯があるが、6月のFOMCでは75bpの利上げが決定されたことから、追加でタカ派な材料が出る可能性は十分にありそうだ。加えて、リセッションの兆候が見え隠れする現状では、金曜日の米雇用統計にも市場が神経質になると言え、来週も下値への警戒を怠れないだろう。
関連:bitbank_markets公式サイト
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