リップル最新動向
米CFTC(商品取引委員会)のCaroline Pham委員長は19日、米リップル社の本社を訪問した。
Pham委員長は22年4月に就任したコミッショナー(委員長)の一人。訪問日時やその要件は不明であるものの、リップル社のBrad Garlinghouse CEOは官民のエンゲージメントに肯定的な姿勢を示した。
An absolute pleasure to welcome you to our offices, Commissioner @CarolineDPham! Public-private engagement 🤝 https://t.co/YzLrudMIt0
— Brad Garlinghouse (@bgarlinghouse) September 19, 2022
CFTCの幹部が暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーン大手企業と会談し、それをSNSに投稿する異例なケースとなった。
一部では、有価証券ではなく商品(コモディティ)を取り締まるCFTCの幹部による本社への訪問は、渦中のXRPが有価証券ではない表れと捉える声も見られた。
22年8月下旬には、九州の大都市・福岡市の高島市長がリップル本社を訪問した事例がある。
訴訟の終幕近づくか
なお、CFTCと仮想通貨規制の管轄下を巡り、水面下での論争を続ける米SEC(証券取引委員会)は先週リップル社との訴訟に関する略式判決の動議書を提出したばかり。
略式判決は訴訟において、原告側と被告側の双方が該当する証拠を全て提出した後、裁判官の判決を要求するもの。リップル社も同タイミングで同じ書類を提出しており、双方が訴訟の最終的な判決に向けて前進した点が好感された。
関連:リップル社「XRPは投資契約の要素を満たさない」、略式判決の動議書提出
これを受け、XRP価格は相場が下落する中で逆行高。前日比6.9%、前週比13%上昇した。
リップル裁判における今後の重要日程は以下の通りだ。
- 10月18日:異議申し立てに関する全ての資料を封印して提出
- 10月20日:異議申し立て資料に対する修正要求を確認する会合
- 10月24日:協議で要求された仮修正を行った公開版の書類を提出(一般公開)
- 11月15日:略式裁判の答弁書を封印して提出
- 11月17日:答弁書に対する修正要求を確認する会合
- 12月9日:申し立てを総括する全ての資料を提出。修正案も同時に提出。
- 12月22日:総括された申し立てに対する反対意見の提出。
CBDC動向で新たな動き
また、ECB(欧州中央銀行)は19日、開発予定のCBDC(中銀デジタル通貨)「デジタルユーロ」の開発企業の最終候補5社を発表。リップル社ではないものの、提携企業のWorldlineが最終候補5社の一つとして残ったことも一部では好感されている。
CBDCとは
「Central Bank Digital Currency」の略称。各国・地域の中央銀行が発行するデジタル化された法定通貨を指す。
通貨の管理や決済等においてコスト削減や効率性向上が期待できる一方で、個人情報やプライバシーの保護、セキュリティ対策、金融システムへの影響など考慮すべき課題は多い。
▶️仮想通貨用語集
なお、リップル社は8月末に仮想通貨XRPをブリッジ通貨として導入したCBDCプラットフォームを公表。リップル社のCBDCに関連した動向に対する注目度も高まりつつある。
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