はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

シンガポール金融当局「ステーブルコインがクロスボーダー決済効率化に貢献」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ステーブルコインが国境間決済を効率化

シンガポール金融管理局/中央銀行(MAS)のラビ・メノン長官は10日に開かれたSWIFT主催の会議「Sibos 2022」の基調演説で、国境間決済の効率化に向けて分散型台帳技術が役立つと指摘した。

メノン長官は、分散型台帳技術を用いて民間企業が発行するステーブルコインや、トークン化された銀行預金が、より安価で迅速な国境間決済を実現するのに役立つ可能性があると紹介した。

価格が乱高下する民間の暗号資産(仮想通貨)とは異なり、これらのデジタル通貨は、トークン化の利点と法定通貨の信頼性を兼ね備えるため、分散型台帳上の決済手段として適している。このような民間主導の国境を越えた決済の取り組みは、規模が大きくなりつつある。

メノン長官はステーブルコインの代表例として米サークル(Circle)社発行の「USDCoin(USDC)」や米パクソス発行の「Pax Dollar(USDP)」を挙げ、「従来の金融会社とのパートナーシップを拡大させ、24時間365日のほぼリアルタイムの決済と低コストを実現し、興味深いプログラマビリティ機能を備えている」と指摘した。

関連:決済大手Visa、米ドルペッグのステーブルコイン「USDC」の決済導入開始へ

USDC決済を導入したVisaや、JPモルガン、DBS、テマセクの合弁事業「Partior」を例に、以下のようにまとめた。

民間と公的セクターによるこうした取り組みは、より安価で迅速、かつ透明性の高いクロスボーダー決済を国際的に実現し、最終的に人々の生活を向上させることにつながるだろう。

関連:JPモルガンやシンガポールのDBS銀行など、新たなブロックチェーン企業設立へ

メノン長官はまた、フィンテックによる問題解決が期待される別の分野として、「高品質で信頼性の高いESG(環境・社会・ガバナンス)データのエコシステムの構築」について報告。その中で、ESGデータの検証性と追跡性を高めるために分散型台帳技術が検討されていると述べた。

G20は、国境間取引の効率化、及び、より安価で迅速、かつ透明性の高い、ペイメント(支払い)システムの実現を優先事項とし、国境を越えたリテールペイメントのコストを送金額の3%未満にすることを目指している。

関連:初心者にもわかるステーブルコインとは|特徴やユースケースを解説

MASの取り組み

メノン長官によると、60以上の国や地域が、24時間365日リアルタイムで安価で利用できる独自の高速決済システムを導入する中、シンガポールも携帯電話番号で利用できる「PayNow」を導入している。

これら他国の高速決済システム間には導入に時間とコストがかかるため、多国間専用のソリューション「Project Nexus」が発足。ASEAN加盟10カ国が2025年までにこれに加わる方針だ。

しかし、Project Nexusにより高速な「支払い(ペイメント)」システムの連携が可能になる一方で「決済(セトルメント)」の問題は解決しないとメノン長官は指摘。依然として、仲介業者の営業日やコンプライアンス要件が異なるコルレス銀行を経由する必要がある。

分散型台帳技術ベースのCBDCの共通プラットフォームが、「参加銀行のグローバルな決済レイヤーとして機能する可能性がある」、とメノン長官は提案する。参加する商業銀行は、コルレス銀行を通さずに海外の取引相手と直接CBDCを交換できるようになる。

中央銀行の直接負債である大規模なCBDCは、同時決済(セトルメント)や2つの紐づけ資産の即時交換をサポートするのに良く適している。

9月末に国際決済銀行(BIS)が発表した、イスラエル、ノルウェーとスウェーデンの中央銀行とCBDC(中銀デジタル通貨)の合同実証実験もそうした取り組みの一つだ。

さらに、BISイノベーションハブのスイスセンターのプロジェクト「Jura」、香港センターのプロジェクト「mBridge」、シンガポールセンターのプロジェクト「Dunbar」で、同様の取り組みを進めている。

メノン長官によると、Project Dunbarは2つのブロックチェーンプラットフォーム(CordaとQuorum)をベースに構築し、現在はマルチCBDCプラットフォームの運用に関するガバナンス問題に注力していると述べた。

関連:国際決済銀行、CBDCの国際送金や相互接続を検証

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07:25
ロビンフッド、米SECにRWAトークン化の規制案提出
仮想通貨などの投資アプリを提供するロビンフッドは、RWAトークン化の規制に関する提案書を米SECに提出。将来的に、トークン化したRWAの取引所を運営する計画があるようだ。
07:10
XRP・ドージコインETFの判断延期継続 米SEC、承認は早くても夏ごろか
米証券取引委員会がXRPとドージコインのETF申請について判断を延期し、パブリックコメントを募集。BitwiseのイーサリアムETFステーキング機能審査も先送りに。
06:55
トランプ退任前にビットコイン価格5倍上昇を予測 大手銀アナリスト
大手銀アナリストは政府機関がマイクロストラテジー株を通じてビットコイン保有を増加させていると指摘。この傾向がトランプ大統領退任前のビットコイン50万ドル予測を裏付けると主張。
06:05
ビットコイン保有量でサトシに迫る世界2位 ブラックロックETF
ブラックロックがビットコイン保有量でサトシ・ナカモトに次ぐ世界第2位に浮上。米国ビットコインETFの急速な資産集積でバイナンスを上回り、テキサス州でもビットコイン準備金法案が進展中。
05:40
CMEのXRP先物、27億円の初日取引高でソラナ超え 
米CMEグループが仮想通貨XRPの先物取引を開始し、初日に1900万ドルの取引高を記録。ビットコイン、イーサリアム、ソラナに続く4番目の仮想通貨先物として注目される。
05/20 火曜日
18:39
イーサリアム将来価格2025展望 | ETF・機関投資家・開発動向の注目点
【2025年5月最新】イーサリアム(ETH)の将来価格と成長可能性を徹底分析。ペクトラ後の価格回復、ブラックロックのステーキングETF申請、機関投資家の700億円購入など最新動向を解説。
14:45
「サトシ」か「ビット」か? ビットコイン価格高騰で基本単位論争が再燃
ビットコインの価格高騰に伴い、コミュニティではその基本単位「サトシ」変更の議論が白熱している。サトシを廃止すべきというビットコイン改善提案177にジャック・ドーシー氏が支持を表明する一方で、反対意見も多く論じられている。
14:00
ブラックロック「BUIDL」で利回り増やす取引戦略 BounceBitが実証試験
BounceBitがブラックロックのトークン化米国債「BUIDL」を担保に利用して、年利20%を実現した取引戦略を公開した。ステーブルコインを担保とするよりも利点があるとしている。
13:10
個人ノード運用を容易に、ヴィタリックの新たなイーサリアム拡張案とは
仮想通貨イーサリアム共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏が新L1スケーリング計画を発表。個人のノード運用を容易にする「部分的ステートレスノード」でガスリミットを10~100倍に拡張する革新的アプローチを提案。
12:35
米上院、ステーブルコイン規制『GENIUS法案』の審議進行可決
米上院が仮想通貨ステーブルコイン規制法案「GENIUS法案」の審議を66対32で可決。消費者保護や倫理規定を強化した修正案で超党派合意が進展。
11:59
ビットコイン下髭で押し目買い意欲旺盛か イーサリアムにも機関投資家の強い関心
過去最高値の更新まで目前のビットコインは米国債格下げなど不透明感のある中、下髭形成し押し目買い意欲の強さを示した。50日・200日移動平均線のゴールデンクロスが目前に迫る中、イーサリアムには機関投資家の資金が集まり、CMEグループのXRP先物は初日に1,560万ドルの取引高を記録した。
11:20
SEC新委員長、仮想通貨規制を全面見直し
SEC新委員長ポール・アトキンス氏が仮想通貨規制の抜本的見直しを表明。前政権の執行措置を批判し、発行・保管・取引の3分野で明確なガイドライン策定へ。
10:35
リップル社、UAEの金融企業2社と提携
リップル社は、UAEのZand BankとMamoの2社が顧客になったことを発表。両社はリップルペイメントを使用すると説明しており、中東市場の事業を強化していく。
10:05
ソラナの新コンセンサスプロトコル「Alpenglow」提案 性能引き上げへ
ソラナ開発スタジオAnzaが新コンセンサスプロトコル「Alpenglow」を発表した。処理時間を理論的に約150ミリ秒まで短縮し、Web2と競合できる高速処理を実現するとしている。
08:45
ビットコイン急騰、米国債格下げと州法により"安全資産"化|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは史上最高値となる10万9,000ドル付近まで上昇している。米国債の格下げを契機として米国の信用力に対する懸念が台頭し、ドル安が進行した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧