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露モスクワ信用銀行、ブロックチェーン上で「中国人民元」建の銀行保証を発行 マスターチェーン(Masterchain)で実装へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

デジタル銀行保証

ロシアのモスクワ信用銀行(MKB)は1日、ブロックチェーンを利用し、同国初となるデジタル銀行保証を発行したと発表した。

中国人民元建で、額面は1億人民元(約19.8億円)超。ロシア銀行(中央銀行)が開発したブロックチェーン「マスターチェーン(Masterchain)」プラットフォームを採用した。

ブロックチェーン上で銀行保証を発行する利点は、偽造や紛失の恐れがないデジタル文書であるため、 受取人が紙媒体である文書の到着を待つ必要がないこと、また、銀行に文書の真偽を別途確認する必要がないことだとMKBは指摘している。

この銀行保証が人民元建となっているのは、輸入者の契約が中国の通貨に連動しているためで、保証に基づく支払いが行われた場合、受益者は当事者間で合意された為替レートでロシア・ルーブルを受け取る。

MKBの国際ストラクチャード・ファイナンス部門のナタリア・バコヴァ部長によると、ほとんどの対外貿易契約は中国通貨で行われており、人民元決済の需要は高まる一方だという。デジタル銀行保証は「市場にとって論理的なステップ」であり今後、同じような事例が増えるだろうと同氏は言う。

今回の決定は、銀行保証を大量かつ定期的に受け入れる多くの子会社を持つ大企業グループにとって、特に重要な意味を持つことになるだろう。

銀行保証

銀行保証とは、契約当事者間で信用リスクから両者を保証するもので、申請者の債務不履行や支払不能に対する担保として、受益者に銀行が与える金銭的保証を指す。

▶️仮想通貨用語集

国際金融システムへの依存を減らす

ウクライナ侵攻をめぐって米国をはじめとする西側諸国が制裁を科す中、ロシアは制裁を回避するために、米ドル以外の通貨による貿易決済、ブロックチェーン技術、仮想通貨決済の利用など、米ドルや従来の金融システムへの依存を減らす方法を検討してきた。

自国通貨を利用した決済システムとしては、ロシアとの間でインド(ルピー)、イラン(リヤル)、中国(人民元)の二国間決済が昨年稼働している。また、ロシアは2014年のクリミア侵攻で欧米からの制裁を受けたのを機に、SWIFT(国際銀行間通信協会)のロシア版にあたる「SPFS」という独自の国際銀行決済ネットワークを構築し、2017年から本格的に稼働した。

さらに、プーチン大統領は昨年6月、BRICS首脳会議の関連会合で、中国やインドなど加盟国の通貨バスケットに基づく準備通貨の開発作業を進めていることを明らかにしている。

仮想通貨の利用については、中央銀行と財務省の意見の相違から、法制化がなかなか進まない状況が続いていたが、経済制裁への対抗手段として、国際貿易決済に仮想通貨を合法的に導入すること対し、両機関とも前向きな姿勢に転じたようだ。

昨年9月、仮想通貨の国際決済利用に関する法案に関して、財務省と中央銀行が合意に達したことが報じられた。

関連:ロシア、仮想通貨を国際決済に利用する法案で合意か=報道

金に裏付けられたステーブルコインの発行

タス通信の9月の報道によると、ロシアは複数の友好国と協業し、ステーブルコインを利用したプラットフォームの構築に向け動き出した。

ロシアでは2019年に、金を裏付けとするステーブルコイン発行というアイディアが、ロシア銀行のエルヴィラ・ナビウリナ総裁が出席した州議会で浮上。中銀総裁は実物資産に裏付けられたステーブルコインに前向きな態度を表明した経緯がある。

アレクセイ・モイセエフ財務副大臣は昨年9月、金を担保とするステーブルコイン発行の計画について肯定。今年1月には、ロシア議会下院金融市場委員会のアナトリー・アクサコフ委員長が、イランとの二国間貿易決済のため、金に裏づけられらたステーブルコインの創設を検討していると語った。

関連:ロシア、ステーブルコインを国際貿易決済に導入か=報道

CBDC試験運用の前倒し

ロシア中銀は2月、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の試験運用を4月1日から始める予定だと発表。13の地方銀行と複数の小売店が参加するという。

当初、一般消費者向けのCBDC試験運用は2024年に予定されていたが、ロシアに対する経済制裁が継続する中、SWIFTの決済システムに代わる手段の一つとして、デジタルルーブルの開発を推し進めたいとの思惑があるようだ。

関連:ロシア中銀、デジタル資産についての協議書発行

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