CoinPostで今最も読まれています

FOMC利上げ停止の根拠は薄弱か、BTCは不安な展開続く見込み|bitbankアナリスト寄稿

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

今週(6/3(土)〜6/9(金))の仮想通貨相場

国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。


目次
  1. ビットコイン・オンチェーンデータ
  2. bitbank寄稿

ビットコイン・オンチェーンデータ

BTC取引数

BTC取引数(月次)

アクティブアドレス数

アクティブアドレス数(月次)

BTCマイニングプールの送金先

取引所・その他サービス

bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

6/3(土)〜6/9(金)の週次レポート:

今週のビットコイン(BTC)対円相場は、週明けから米証券取引委員会(SEC)がバイナンスと同社CEOのCZを提訴したことで、375万円からドル建てで2月高値水準となる360万円近辺まで急落して始まった。

一方火曜日には、SECが今度はコインベースを提訴し、相場は一時2月高値割れを試したが、押し目買いの様相で反転すると相場はショートを踏み上げ前日の下げ幅を解消した。

しかし、その後のBTCは週末のレジスタンスで利食いが入り失速すると、カナダ中銀の利上げ決定により来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げへの警戒感が高まった他、バイナンスUSが90を超える暗号資産(仮想通貨)ペアの取り扱い廃止を発表し、370万円をわずかに割った。

ただ、週後半からは一部アルトが売られ過ぎ感から反発し、BTCも370万円周辺で下げ止まっている。

第1図:BTC対円チャート(1時間足)出所:bitbank.ccより作成

木曜日には、CZが自身のオフショア企業を通じて顧客資産を受け取っていたと、SECが裁判所に提出した書類で明らかとなったが、訴訟絡みの連日の悪材料で市場も徐々に耐性がついてきた模様だ。ただ、足元のアルトコインの反発は綾戻しに終わる可能性もあるため、依然として安心はできないだろう。

さて、来週はついに5月の米消費者物価指数(CPI)とFOMCを控えている。今月のFOMCの注目は利上げの有無と経済見通し(Summary of Economic Projections)内の年末時点の金利見通しと言える。

市場は6月の利上げ見送りと7月の利上げを織り込んでいるが、ここ数ヶ月間、コアインフレが横ばいで高止まりしていることに鑑みるに、一時的に利上げを停止する正当な理由は少ないようにも思える。

ただ、年末までの金利予想が今回の経済見通しで引き上がると仮定しても、景気や金融セクターへの配慮から劇的な引き上げはないと見ており、市場では引き続き利上げ局面の終盤が意識される結果になると想定しており、BTC相場も方向感を示しにくい状況が今後も続くか。

寄稿者:長谷川友哉長谷川友哉(ハセガワ ユウヤ)
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

関連:bitbank_markets公式サイト

前回のレポート:センチメント悪化でビットコイン下落、米ファンダ背景とした下げ止まりに期待

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
05/02 木曜日
14:00
米検察、ビットコイン売買のCashApp運営企業Blockを捜査か
ツイッター(現X)の共同創業者ジャック・ドーシー氏が立ち上げた金融テクノロジー企業Block Inc.が、コンプライアンス違反で米連邦検察当局からの捜査を受けていることが、米NBCニュースの報道から明らかになった。
13:00
「マイニング事業者の降伏迫る可能性」The Bitcoin Layer分析
ビットコインリサーチ企業The Bitcoin Layerは、ビットコイン価格下落などにより、マイニング事業者の利益が深刻に圧迫されていると分析した。
11:00
ビットコイン、BitVMXで高度なアプリ開発を実現へ
仮想通貨ビットコインのブロックチェーン上で高度なアプリ開発を実現する「BitVMX」がホワイトペーパーを公開。BitVMXは早ければ1年後にもローンチされる可能性がある。
10:00
「ビットコインは2030年までに6億円に」ARKウッドCEO
ARK Investmentのキャシー・ウッドCEOは、仮想通貨ビットコインが今後2030年までに約5.9億円に達する可能性があるとの強気予測を披露した。
08:25
ブラックロック、Securitizeの73億円調達を主導
ブラックロックは今回の出資でSecuritizeの提携関係を強化していく格好だ。ブラックロックの他、オルタナティブ投資管理会社のHamilton Lane、ParaFi・キャピタル、Tradewebマーケッツもこのラウンドに参加した。
07:45
テザー社、24年1Qの利益が過去最高に
仮想通貨ビットコインへの投資も貢献し、ステーブルコイン発行企業テザー社の24年1Qの利益が45億ドル超となり過去最高に。同社は、初めてグループの純資産を報告した。
06:50
ETFや国・企業保有のビットコインは約27兆円規模=VanEck報告
ビットコインETF分野で、仮想通貨ビットコインを最も保有しているのはブラックロックのIBITで現在274,462 BTCを保有。企業の保有では、米マイクロストラテジーが最多で214,400 BTCを保有している。
06:15
FOMCで政策金利現状維持、ビットコイン一時59000ドル台回復
仮想通貨ビットコインは一時58,000ドル水準を回復。パウエル議長が「米経済は成長もしくはインフレでスタグフレーションは想定していない」とコメントしスタグフレーションへの懸念を後退させた。
05/01 水曜日
15:00
Bitwise最高投資責任者「米国でステーブルコイン法案可決なら、甚大な影響を及ぼし得る」
仮想通貨投資企業Bitwiseのマット・ホーガン最高投資責任者は、米国議会が今年、包括的なステーブルコイン法案を可決する可能性に言及。実現した場合、仮想通貨の広範な普及という面で ビットコイン現物ETFの承認と同等か、それ以上に大きな影響を与える可能性があると述べた。
12:30
米コインベース、ビットコインのライトニングネットワークを導入
米大手仮想通貨取引所コインベースは、ビットコインのライトニングネットワークを導入したと発表した。BTC送金を高速・低コストにする。
11:59
仮想通貨全面安、地合い悪化と香港ビットコインETFの思惑買い剥落で
暗号資産(仮想通貨)相場では、経済指標を受けた米国株安などの地合い悪化に加え、香港市場のビットコインETF・イーサリアムETFの初動不調の影響もあり、ビットコイン(BTC)やアルトコイン相場が急落した。
11:25
Web3ゲーム企業Games for a Living、クラクラ制作企業などから5億円調達
EAの創設者Trip Hawkins氏が共同で立ち上げたWeb3ゲーム企業Games for a Livingは調達ラウンドで、5億円を調達した。
10:05
バイナンスCZ前CEO、懲役4か月の判決
米地裁は、仮想通貨取引所バイナンスのCZ前CEOに懲役4か月の判決を下した。法律違反を知らされていた証拠がないことなどが緩和材料となった。
09:20
東京都、デジタル証券発行の補助金申請を受付開始
デジタル証券(ST)発行企業を支援するため、東京都が補助金申請の受付を開始。都内の企業は申請が認められれば、ST発行に必要な経費の一部を補助してもらうことができる。
07:50
香港のビットコイン・イーサ現物ETF、初日出来高は米国版を大幅に下回る
6つの仮想通貨ビットコイン及びイーサリアムETFの初日出来高は1,100万ドルだった。1月に米国でデビューしたビットコインETF10銘柄の純流入額は6.55億ドルで、香港版はこれを大幅に下回った格好だ。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア