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米カストディ企業Prime Trustに停止命令 出金対応できず

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ネバダ州当局がPrime Trustに停止命令

米国ネバダ州金融機関局は21日、同州に拠点を置く暗号資産(仮想通貨)カストディ企業Prime Trust(プライムトラスト)の財政状況が悪化しているとして、同社にカストディ事業で顧客から新たな資産を受け入れることを停止するよう命じた。

ネバダ州金融機関局は、昨年11月よりプライムトラストの財政状況を調査していたと述べ、次のように説明している。

プライムトラストの財政状況は著しく悪化しており、事業を行うことが安全ではない、または不健全な状態にある。

2023年6月21日、バランスシートに存在する重大な負債のために資金が不足しており、顧客資金の出金に対応することができなかった。

さらに、プライムトラストは顧客に対する信託契約の受託者義務に意図的に違反しており、カストディに安全に資産を保管しておくことをしておらず、すべての顧客の出金要請に応じることができなかったと続けた。ネバダ州信託法に違反したことになるともコメントしている。

また、金融機関局の現在の目標は、プライムトラストの顧客の利益のために、同社に残っている企業価値を維持することだとも述べた。

なお、大手仮想通貨カストディ企業BitGoは、プライムトラストの親会社Prime Core Technologiesの株式を100%取得するための拘束力のないタームシートに署名していたが、22日にこれを取り消している。

カストディとは

投資家の代わりに資産を保有・管理することを指す。仮想通貨以外の資産にも広く使われる用語。資産の保管や売買に係る決済、また元利金・配当金の受領や議決権行使など、幅広い業務を代行するサービスを指す。カストディを行う企業を「カストディアン」と呼ぶ。

▶️仮想通貨用語集

複数企業に影響

プライムトラストの出金停止には、複数企業が影響を受けているところだ。

仮想通貨決済インフラ企業Stablyは、一部のサービスと業務の停止を余儀なくされており、「新しいカストディ企業との提携について模索している」と発表した。

エストニアを拠点とする仮想通貨取引プラットフォームCoinmetroも、プライムトラストが米ドル入出金を停止した影響で、米ドル取引に不具合が生じていると報告。他の決済パートナー企業を探しているとしている。

また、代替資産などの投資プラットフォームSecuritize Marketsも、代替取引システムを通じた二次取引などが一時停止している状態だと説明した。

顧客のセキュリティ トークンについては、同社の親会社Securitizeが保管しているため、影響を受けないとしている。

Securitize Marketsは、投資家資産の保護を最優先しており、もしプライムトラストから資金を引き出すことができない場合には、親会社のSecuritizeが対応すると述べた。

また、今後1か月を目途に新たなカストディ企業と提携し、通常どおり取引が再開される見込みだとした。

さらに、ステーブルコインTUSDの発行企業TrueUSDはPrime Trustへのエクスポージャーはないとの声明を出した。TUSDの価格は資産保全の懸念を受け一時1ドルからデペッグしたが、現在は1ドルに戻っている。

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