今週7/1(土)〜7/7(金)の仮想通貨相場
国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
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bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)
7/1(土)〜7/7(金)の週次レポート:
今週のビットコイン(BTC)対円相場は、週明けに年初来高値の453万円を更新するも上値は重く、7日正午時点で430万円中盤まで押している。
週明けの5月米製造業購買担当者景気指数(PMI)の下振れや、ブラックロックによる現物型ビットコイン上場投資信託(ETF)の再申請を受けて、BTC相場は450万円台に乗せ年初来高値を更新したが、その後は米国の独立記念日を控え商いが細り失速。さらに週央には、6月米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公開を目前に警戒感が広がると、相場は440万円を割り込んだ。
木曜日には、ビットコインキャッシュ(BCH)相場の復調にBTCも連れ高となり、ショートの清算を伴ってそれまでの下げ幅を解消するも、5月の米ADP雇用レポートで民間部門雇用者数の増加が市場予想の倍以上となった他、サービス業PMIが上振れ、相場は上げ幅を完全に掻き消し440万円を再び割り込んだ。
足元では、バイナンスの幹部職員が相次いで辞任したとの報道で同社の経営に懸念が広まり、BTCは一時、430万円近辺まで下落した。
先月、2ヶ月ぶり高値に戻したBTC相場だが、3.1万ドル水準(約445万円)の明確な上抜けに苦戦している。現物型ビットコインETFに関する前向きなニュースも影響力の衰えが指摘されるなか、堅調な米経済指標が米債利回りを押し上げ、BTC相場の重石となっている格好だ。
また、FF金利先物市場では、7月に加えて11月にも米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げが決定される可能性が織り込まれ始め、BTCにとっては厳しい市況と言える。
チャートの側面では、BTCはドル建てで心理的節目の3万ドル水準となる430.6万円割れを試しており、同水準の維持に失敗するか否かは本日(7日)発表される5月の米雇用統計次第と言えるか。
市場予想では、5月の非農業部門雇用者数は22.5万人の増加と、4月の33.9万人増からの減速が予想されてはいるが、ADP雇用レポートでサプライズがあったため、相場のダウンサイドリスクには十分に警戒しておきたい。
テクニカルの側面では、BTCはボリンジャーバンドのセンターラインで下げ止まっているが、現在のようにバンド幅が縮小する過程でセンターラインを割り込めば、-2σまで調整する傾向があり、下値目途は380万円周辺と指摘される。
関連:bitbank_markets公式サイト
前回のレポート:米債利回り上昇がBTC上値を圧迫、実需筋の利食いに警戒感も