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「地域の仮想通貨資産と住宅価格が相関」米研究所が論文発表

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨投資と住宅価格

米国の国立経済研究所は17日、「暗号資産(仮想通貨)の富が家計の消費と投資に及ぼす影響」と題した論文を発表。ある地域における家計の仮想通貨資産額と住宅価格は相関していると述べた。

研究者らは、米国の数百万の世帯の銀行口座やクレジットカード決済の取引データを分析して、世帯が所有する仮想通貨資産が、より広い経済にどのように影響を与えるかを検討している。

具体的には、世帯の消費が仮想通貨資産額の変動を受けてどのように動くかを調査し、地元の不動産市場の価格に与える影響を評価した。

主要な仮想通貨取引所への送金データなどから仮想通貨資産額を特定し、取引のタイミングに基づいて仮想通貨資産の額を推定している。

この研究によると、2017年に仮想通貨が高騰した際、仮想通貨の普及率が高い地域では、それ以外の地域に比べて住宅価格が約0.46%上昇していた。

2017年は、ビットコイン(BTC)価格が最安値の8万円代から最高値の200万円代へと大幅に上昇している。その結果、資産のライフサイクルの早い段階で投資していた人々は、仮想通貨の法定通貨相当額で、資産価値を大きく増やすことができた時期だ。

ドル換算で評価すると、世帯の仮想通貨資産が豊富に存在していた地域の住宅価格は、2017年の高騰後の9か月間で約26万円(約1,878ドル)上昇していた形だ。

さらに研究者らは、仮想通貨の含み益による限界消費性向(MPC)は株式の含み益の2倍以上であるとも述べている。一方で、宝くじの賞金によるMPCよりは低いものだった。

限界消費性向(MPC)とは

経済学で、所得の変化に対する消費の変化の割合を表すもの。MPCは、ある金額の追加的な所得が与えられた場合に、その所得の一部を消費に向ける割合を示す。

▶️仮想通貨用語集

「実体経済にも影響」

また、仮想通貨を保有する世帯は、住宅の購入や、手持ちの住宅のアップグレードなどのために、仮想通貨の利益を換金していた。

研究者らは、これにより住宅支出が増加し、仮想通貨へのエクスポージャーが多い地域で、地元の住宅価格に上昇圧力をもたらしていたと論じている。結論部分では次のように述べた。

仮想通貨が他の金融資産に及ぼす波及効果は限定的であるかもしれないが、当研究の結果は、仮想通貨への投資が実物資産に影響を与えることを示している。

仮想通貨投資が、他の実体経済にも影響をおよぼすと主張する格好だ。

金融システムへの波及を懸念する声

仮想通貨取引所FTX破綻など、昨年の仮想通貨市場の波乱については、その外のより広い経済への影響は限定的だったという見方が多い。

一方で、米国の大統領顧問らは1月、仮想通貨のリスクを軽減するためのロードマップを発表。より広範な金融システムへの波及を防げたのは、銀行など「伝統的な金融機関が仮想通貨と接触する機会が限られていたためだ」と主張していた。

顧問らは、仮想通貨セクターと金融システムの結びつきを深めることについて懸念を示している。

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