今週7/22(土)〜7/28(金)の仮想通貨相場
国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
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bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)
7/22(土)〜7/28(金)の週次レポート:
今週のビットコイン(BTC)対円相場は、週明けから小幅ながら下落して取引されており、27日木曜日には先月20日ぶりに終値で410万円を割り込んだ。
バイナンスUSがサービス開始当時にウォッシュ・トレードによる出来高水増しを行なっていたのと疑惑がWSJから報じられ、週明けのBTC相場は420万円台前半から一段安を演じ、410万円まで値を落とした。一方、ドル建てで2.9万ドル周辺となった同水準で下げ止まると、米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え様子見ムードが強まり、相場は動意に欠ける展開に転じた。
FOMCでは市場の予想通り25ベーシスポイント(bp)の利上げが決定され、声明にも大きな変更はなく、特段のタカ派的なサプライズは確認されなかった。BTCはFOMC直後に上値を試したものの、政策先行きに不透明感が残ったからかすかさず上値を重くすると、ドル円相場の下落も重石となり上げ幅を解消。
翌朝にはイベント通過でやや買い戻しが入ったが、第二・四半期の米国内総生産(GDP)速報値や、新規失業保険申請件数が改善した他、日銀が長期金利上限の超過を容認する可能性が報じられたことによるドル円相場の急落が相場の重石となり、410万円を割り込んでいる。
FOMCはやはり特段のサプライズなく通過できたが、今月以降の手掛かりには欠ける結果となった。
また、会合後の記者会見でパウエル米連邦準備制度(FRB)議長は、「FRBスタッフは景気後退を予想していない」と発言した矢先、四半期GDPが上振れ、早期利下げ観測後退による米債利回りの上昇がBTC相場の下落に繋がった格好だ。
これにより、ダウ平均の13連騰記録にも終止符が打たれ、目先では米株の利食いにも注意を要する。
一方、米四半期個人消費支出(PCE)価格指数の速報値は、前期比で第一・四半期の4.1%から2.6%に鈍化。同コア指数も4.9%から2.3%に改善しており、今夜(28日午後21:30)発表される6月の米PCE価格指数が、BTC相場が切り返す切っ掛けとなる可能性も指摘される。
いずれにせよ、次回9月のFOMCまで追加利上げの有無はデータ次第の「白紙」な状態が続くと言え、短中期的にBTCの方向感は先読みし難い。
こうした中、来週は米国の雇用統計ウィークとなっており、JOLTs求人件数(8月1日)、ADP雇用レポート(2日)、労働省の雇用統計(4日)のほか、前米供給管理協会(ISM)の製造業(1日)とサービス業動向レポート(3日)の発表が控えており、重要指標が目白押しだ。
BTCは対ドルで節目29,000ドルや2021年安値の28,800ドル周辺エリアがサポートとして機能しているが、同水準の維持に失敗すれば、75日線(28,500ドル≒398万円)や一目均衡表雲下限(28,120ドル≒392.6万円)などが下値目途として挙げられる。
関連:bitbank_markets公式サイト
前回のレポート:円建てBTC相場は為替起因の動きにも注意