CoinPostで今最も読まれています

「真に分散されたSNSの構築へ」——11月東京開催「Nostrasia」の実行委員が語る

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

第7回 Beyond The Price

CoinPost Globalが26日に公開した7回目の「GM Radio:Beyond The Price」には、東京と香港、オンラインで11月1日から3日の日程で開催されるイベント「Nostrasia」のオーガナイザーであるAlex McShane氏が参加した。

▶️CP_GlobalのTwitterをフォロー

Nostrasiaというイベント名は「Nostr」と「Asia(アジア)」という2つの言葉を組み合わせている。Nostrは、分散型SNSを構築するための基盤となるプロトコル。今回はアジアで開催されるためNostrasiaという名称だが、今年3月に中米のコスタリカで行われたイベントは「Nostrica」と名付けられていた。

Nostrは、ツイッターを創設したジャック・ドーシー氏が支持していることで有名なプロトコル。ドーシー氏は昨年12月、Nostr開発者のfiatjaf氏にビットコイン(BTC)を14BTC(現レートで7,100万円相当)寄付したことを明かした。

Nostrのイベントは、開発者やユーザーがオフラインやオンラインで集まり、Nostrの現状や将来などについて話し合うイベント。Nostrasiaの開催費用や食事の料金はドーシー氏が負担するという。

関連分散型SNS基盤Nostrの会合、東京で開催へ

ポッドキャストの内容

今回の配信タイトルは「新しいインターネットの基盤構築」。McShane氏のポッドキャスト(英語)は以下から聴くことができるが、ここから配信内容のポイントを紹介していく。

McShane氏は常に自由で監視のない環境を求めており、その中でNostrに出会った。「Nostrは、オンラインのコミュニケーションにおいて自由を提供してくれる」と話している。

同時に同氏は、従来の中央集権的なSNSに不満を抱いてもいた。検閲耐性がないことなどに課題を感じ、Nostrに引かれていったという。

Nostr自体はSNSアプリではなく、SNSを作るためのツールの役割を果たす。現在は、例えばツイッターに似た分散型SNSの「Damus」がNostrを基盤にしている。

Nostrが特定の企業が開発するものではなく、オープンソースで分散されて管理・開発が行われているといった点にMcShane氏は関心を持った。

従来のSNSとの違い

中央集権型アプリが一方的に判断を下したことによってユーザーが被害を被った例として、McShane氏は掲示板大手Reddit(レディット)による、仮想通貨の利用廃止を挙げた。

Redditは今月、米国の規制環境を理由にコミュニティポイントである仮想通貨MOON、BRICK、DONUTの利用を廃止すると発表。McShane氏は「ユーザーは不満を感じても何もすることができない」と語った。この時に各銘柄の価格は暴落している。

関連RedditがMOONトークンら廃止へ 価格暴落

一方Nostrのプロトコルはオープンソースで、まずアプリの開発者が、アルゴリズムを自由に設計でき、自由度が高い。その上でユーザーは好みのアルゴリズムを導入しているアプリを選ぶことができる。

利用開始後にアプリに不満を感じれば、そのプラットフォームの利用をやめ、新しいアプリを作ることも可能。フォロワー・フォローのつながりを失わずにプラットフォームを移動することもできる。

真に分散されたオープンソースという自由度の高い特徴は、ドーシー氏も支持するビットコインと通じるものがある。Nostrはライトニングネットワークと組み合わせることで、「いいね」の代わりにビットコイン(SAT)を送ってあげる機能を組み込むことが可能だ。

関連ジャック・ドーシー氏、アップルペイのビットコイン対応をティム・クックCEOに要求

McShane氏は、NostrのユースケースはSNSだけではないと指摘した。将来的にはSNS以外のユースケースも開発されるだろうと期待を示している。

日本を選んだ理由

Nostrはイベントもオープンソースに計画されているという。McShane氏は「誰でも計画の考案に貢献したり、ほどんと全ての人がイベントに登壇したりすることもできる」と話した。イベントのオーガナイザーはボランティアである。

香港やオンラインも含めたNostrasiaの参加申込数は約1,200とMcShane氏は話した。そして、Nostrasiaの開催地に日本を選んだ理由について、以下の2つを挙げている。

  • アジアの多くの国・地域には言論の自由が必要である
  • 日本には、すでにNostrの大きなコミュニティがある
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
05/12 日曜日
11:24
来週のビットコイン相場はPPIとCPIに注目、ネガティブならチャネル下限試すシナリオも|bitbankアナリスト寄稿
GW明けのビットコイン(BTC)相場をbitbankのアナリスト長谷川氏が分析。ビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|トランプ前大統領の異例発言に高い関心
今週は、米フランクリン・テンプルトンによる仮想通貨ソラナのレポート発表、ビットコインの累積トランザクション数の10億件到達、ドナルド・トランプ氏による異例の発言に関する記事が最も関心を集めた。
05/11 土曜日
15:00
ビットコイン上のステーブルコイン発行計画 Taproot Assetsのテストが進行
Lightning LabsのCEOエリザベス・スターク氏が、暗号資産(仮想通貨)ビットコインのブロックチェーンにステーブルコインを導入する新技術「Taproot Assetsプロトコル」について解説。ライトニングネットワークを使った即時、低手数料の国際取引が可能に。
14:00
「Friend.TechなどでBaseがイーサリアムL2を主導」フランクリン・テンプルトン分析
フランクリン・テンプルトンは、仮想通貨ブロックチェーン「Base」がFriend.Techなどソーシャルファイに牽引され、今後も代表的なイーサリアムL2であり続けると予想した。
12:45
日本代表団、スイスのDFINITY本部を訪れる
平将明氏および加納裕三氏を含む日本の代表団がDFINITY本部を訪問。DFINITYが推進するInternet Computerは、高速で広範なブロックチェーンベースのプラットフォームで、スマートコントラクトとデータシャーディングにより、効率的なWeb3アプリの開発を可能にする。
11:20
米SEC、コインベースの仮抗告を却下するよう申し立て
米SECは仮想通貨取引所コインベースとの裁判で新たな書類を提出。コインベースが証券性をめぐり求める仮抗告を退けるべきだと申し立てている。
10:00
著名投資家マーク・キューバン氏、SECゲンスラー委員長を批判
著名投資家マーク・キューバン氏は米大統領選挙で仮想通貨も争点の一つになると意見した。また米SECのゲンスラー委員長に批判を向けた。
09:00
米大手銀ウェルズ・ファーゴ、複数のビットコイン現物ETF銘柄を保有
ウェルズ・ファーゴを含むいくつかの金融大手はビットコインETFが1月にデビューしたのち、それらの取り扱いを開始した経緯がある。
08:00
米ARK、イーサリアム現物ETFの申請からステーキング要素取り除く
現在、5月中に仮想通貨イーサリアムの現物ETFが承認される期待はすでに大幅に後退。専門家らはその可能性を2ヶ月前の約70%から25%に引き下げた。
07:30
J・ドーシー氏「2030年のBTC価格は100万ドル超へ」
2030年のBTC価格は100万ドル超まで上昇する可能性があると強気な見方を示すなど、ジャック・ドーシー氏が仮想通貨ビットコインの魅力を語った。同氏は以前からビットコインを支持している。
07:00
ソラナJupiter、モバイルアプリのリリース時期発表
モバイル版の最新情報のほか、Jupiterは第三回のLFG投票の予定についても情報を公開。来週あたりに新たなローンチパッド候補の仮想通貨プロジェクトを公開し、5月22日から投票を開始する。
05/10 金曜日
18:29
SBIとチリーズ、スポーツファントークンで提携
SBIデジタルアセットホールディングスとChilizが戦略的パートナーシップに関する基本合意を締結。日本で合弁会社を設立し、スポーツファンにファントークンを提供する。
18:26
L2 Blastチェーン基盤の分散型取引所「DTX」とは トレーダーの優位性を解説
暗号資産(仮想通貨)デリバティブトレーダーの間で関心の急増する分散型取引所「DTX」のメリットや優位性を解説。DTXはイーサリアム(ETH)レイヤー2のBlast(ブラスト)チェーン基盤であり、DTX Fuelによるエアドロップも示唆されている。
18:10
NTTドコモ、新会社設立でWeb3・AI事業など強化へ
株式会社NTTドコモは2024年7月に新会社「NTTドコモ・グローバル」を設立する計画を発表。NTT Digitalも傘下に集約し、Web3やAIを活用したグローバル事業を強化する。
14:48
バイナンス、大口顧客DWF Labsによる市場操作報道を否定
大手仮想通貨取引所バイナンス(グローバル版)は、ウォール・ストリート・ジャーナルが報道した、同社のVIP顧客DWF Labsによる市場操作と内部調査に関する疑惑を強く否定した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア